無理はしないよ…君の泣き顔は見たくない
―ゴールデンウィーク―
「はい、えぇ
…わかりました」
キョーコは仕事電話中
最近仕事が
忙しくなったキョーコ
ゴールデンウィークも
休みがでるかどうか
(キョーコ…
ゴールデンウィーク
遊び行けないよね………)
「…はい、失礼します。
…フゥ」
キョーコの目元には
クマのようなものがある
徹夜でパソコンに
向かい仕事を続けている
お疲れのようだ
ドカリと
ソファに座るキョーコ
疲れを見せるのは
キョーコにとって
珍しいことだ
「…キョーコ…大丈夫?」
「あぁ…大丈夫だょ」
眉を伏せて
心配するチアキ
ニッコリ笑うキョーコ
(ちっ…
ゴールデンウィーク…
…どうするか…
このままじゃ…
チアキと
デートできねぇ…!)
表情は笑っているが
内心焦っている様子
(…しかも…
…欲求不満か……くそっ)
少々苛立ちもある
(さっさと終わらせるか)
(キョーコ…
無理して笑ってる…
ホントに大丈夫かな…?)
チアキは悪い予感が
していた
その予感が当たるとも
知らずに…
ゲッソリしているキョーコ
ゴールデンウィーク中
全く寝てないのだ
(明日は最終日じゃねぇか
早く終わらせねぇと……………………………………………………っ………)
ドサリと
力無くキョーコは
床に倒れた
音がして
キョーコの部屋を
覗いてみるチアキ
「!!?キョーコ!!!」
顔は真っ青で
血の気が引き
脂汗を浮かべて
苦しそうに倒れていた
すぐに救急車を呼び
病院に搬送される
「睡眠不足に疲労が
溜まっていたのでしょう
これからは
気をつけるように
言ってください」
「はい…」
医師に言われたチアキ
チアキはキョーコが
倒れたショックで
精神が不安定な状態だった
「キョーコ…」
まだ顔色がよくない
キョーコの頭を撫でる
「ん……チアキ…」
キョーコが目を覚ました
「キョーコ…!」
ぎゅうと抱き着くチアキ
「心配かけてごめん」
涙を流し 震えてる
チアキをそっと抱き返し
頭を撫でてやるキョーコ
「無理しないでよぉ!!」
わんわん泣き出すチアキ
それをあやすように
話しかける
「ホントにごめんな
ゴールデンウィークは
終わっちまうけど
土日は精一杯甘やかすから無理して
独りにして
心配させて
ゴメン」
あれから
キョーコは無理をせず
仕事をこなしている
土日は目一杯遊び
キョーコの
欲求不満も満たされたとか