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異世界駐在所  作者: clavis


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幕間

 午後の駐在所前。広場には島民が集まり、守とモモちゃんが寸劇の準備をしていた。

 守はスマホを手に取り、声を張る。


「では、今日は“偽警察官詐欺”の寸劇をやります。モモちゃんは被害者役をお願いします」


「モモー!」

モモちゃんは胸を叩き、自信満々に頷いた。


黒い枠を持ち、スマホの画面越しという設定で寸劇は始まる。


守(犯人役):「もしもし。私、警視庁捜査二課の佐藤と申します」


 守は偽物の手帳をみせて、画面越しに相手にみせる演技をする。


守(犯人役):「ほら、これが私の警察手帳です。ちゃんと本物でしょう?」


モモちゃん(被害者役):「おお……きらきら、カードみたい……」


守(犯人役):「実はあなたの口座が犯罪に使われています。関係者として捜査をしています。すぐに協力してもらえますね?」


モモちゃん(オロオロ):「え、モモ、つかわれてるの? ど、どうしよ……」



守:「はい、ストップ!」


 守は手を上げて観客に向き直る。


「ここが一つ目のポイントです。警察手帳は動画や画面越しで見せることは絶対にありません。

 理由は簡単で、映像で残すと悪用される恐れがあるからです。

 だから“スマホ越しに手帳を見せる”相手は、まず偽物です」


モモちゃん(手を挙げて):「じゃあ、ほんとのケーサツは、かめらに“みせない”!」


守:「そう。対面で必要に応じて提示するのは本物。画面越しにキラキラ見せてきたら要注意です」


観客の老人が「なるほどなあ」と頷く。



守(犯人役):「前からあなたの口座が狙われていると捜査していました。関係者じゃ無いと証明したいのなら協力してください。」


モモちゃん:「え、モモ、もうはんにんのなかま……?」


守:「ストップ! 二つ目です。警察は捜査の途中で『実は調べていました』などと一般の方に伝えることはありません。

 捜査情報を漏らせば処分対象になります。だから“前から知っていた”“あなたを捜査している”といった言い回しは詐欺です」


モモちゃん(羽をぱたぱたさせて):「ほんとのケーサツは、ないしょをしゃべらない!」



守(犯人役・声を低めて):「ですから、すぐに通帳とカードを渡してください。暗証番号も必要です。現金は安全のため私どもで保管します。」


モモちゃん(びっくりして):「ええっ!? モモのおかね、ぜんぶー!?」


守(警察官役):「ストップ! 三つ目です。警察は現金を預かりません。通帳やカードの暗証番号も聞きません。

 もし証拠として必要なら、任意提出をお願いするか、差し押さえる場合は裁判所の許可状が必要です」


守「遠方でこちらに来れないのであれば、現金を調べますので、こちらに振り込みしてください。等と言ってくることもありますが、冷静に考えて振り込まれた現金と犯罪とのつながりなんてわからないですよね?」


確かに、と皆一様に頷く。



【寸劇終了】


 守は黒い枠を下ろし、指を三本立てる。


「まとめると――

① 警察手帳を画面越しに見せてきたら偽物。

② 捜査の内容を事前に一般人に伝えることはない。

③ お金や通帳、暗証番号を求めることは絶対にない。


これを覚えておいてください」


 島民たちから拍手が上がる。


モモちゃんは胸を張り、「モモ、だまされない! モモのおかねは、じぶんでまもる!おかねってなに?」と叫んだ。


守は苦笑しつつも満足げに頷いた。

「その調子。怪しい電話が来たら、必ず駐在所に相談してくださいね!」

警察がらみの詐欺はとても増えています。

こういったものがあれば必ずお近くの交番、または警察署に相談しましょう。

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