幕間
朝の駐在所。
「今日のイノシシは手強い。猟銃会も準備が整うまで待とう」
守と猟銃会のメンバーが真剣に作戦会議をしている。
その様子をこっそりと盗み見ていた怪鳥がいた。
「モモ、イノシシ!」
モモちゃんは心の中で決めた、みんなが困っているのを助けなきゃと。
羽を広げ、軽やかに森へ駆け出す。
⸻
森の中。
大きな黒い影――親イノシシが現れる。
筋肉質で牙も鋭い、まさに力の象徴。
モモちゃんは前足で地面を蹴り、羽をバタバタさせて威嚇。
親イノシシは低く唸るが、モモちゃんの圧倒的な気迫と見たこともないピンクの怪鳥に少し戸惑っている。
「モモーッ!」
野生ではこの得体の知れない何かに対する恐怖は命取りだった。鍛えられた脚力と共にモモちゃんは体全体で力を込めて、親イノシシに体当たりを仕掛けた。
当然だがイノシシも向かってくる何かに応戦しようとする刹那、イノシシは倒れる。
ダッシュからのキック。
一瞬で勝負は決してしまった。
⸻
森を抜けると、モモちゃんは誇らしげに親イノシシを引きずって帰る。
羽を広げ、踏ん張り、怪力を発揮しての帰還だ。
「え……モモちゃん、一人で!?」
守も猟銃会も目を丸くする。
誰もまだ森に入っていないのに、モモちゃんだけが討伐を成功させたのだ。
「モモー!」
胸を張って誇らしげに鳴くモモちゃん。
その姿に、守は静かに頭を抱える。
「……怪力も、勇気も、本物だな」
庭に運び込まれた親イノシシを前に、島の人々も子どもたちも驚愕と歓声。
モモちゃんは今日、単独で英雄となったのだった。




