第四話 男爵令嬢に関節技を!
「貴国の学園も素晴らしいですね」
「そう仰っていただけると嬉しい限りです」
王太子と隣国の第二王子は、そう会話して、お互いに微笑みあう。
場所は隣国。王太子は外遊中だった。
外遊と言っても重大な交渉事がある訳ではなく、同盟関係の確認の意味での顔見せの側面が強い。
今は、隣国の学園を視察中である。
「そういえば、御婚約者は別行動との事ですが、どちらに向かわれたのですか?」
「ああ。公爵令嬢は、貴国に駐在している我が国の男爵家の令嬢に挨拶に行ったのですよ」
「ああ。彼女に会いに行かれたのですか」
「おや? 男爵令嬢を御存知ですか?」
「ええ。彼女の天真爛漫な姿には、私も、私の側近達も、いつも癒されておりますよ」
少し、雲行きが怪しい。
男爵令嬢、天真爛漫、そんな彼女に王子様と側近が癒されている。
最近の傾向的に数え役満でも狙えそうな勢いだ。
もちろん、婚約破棄界隈での話である。
「……それは、男爵令嬢と友人なのですか?」
「ええ。ちょっとしたきっかけで知り合いましてね」
少し照れた様な隣国の第二王子を見て、王太子が少し考え、口を開こうとした時だった。
「第二王子殿下ぁ~!」
ワザとらしく語尾を伸ばした少女の声が響いた。
声の主である少女が、瞳を潤ませながら王太子達の元に駆けよってくる。
今は二国の王族が公式に視察している最中である。当たり前だが、この様な場に乱入するのはマナー違反どころの騒ぎではない。最悪、護衛に斬り捨てられても文句は言えない行いだ。
だが、隣国の第二王子は、そんな事は気にもしていない様子で、少女の姿を見るなり顔を緩ませる。
「おお! 君か! どうしたんだ? こんなところで」
隣国の第二王子の鼻の下が伸びてゆく。
「……殿下が、女性に鼻の下を伸ばしている時にそっくりですね」
王太子の側近が、王太子に聞こえるか聞こえないかの絶妙な声量で呟く。
その言葉をしっかりと聞いてしまったらしく、王太子が顔をしかめ、何か言い返そうとするが、反論する言葉が見つからなかった様で口を噤む。
「聞いてください~。私の国の王太子殿下の婚約者様がぁ~」
いちいち語尾が伸びているのが絶妙に鬱陶しい。
だが、隣国の第二王子とその側近は、そんな事は気にもならない様で、賓客である王太子そっちのけで少女を囲んで話を聞き始めている。
「流石に無礼では?」
「そうなんだが……、あの少女、先程話題に上がった、我が国の男爵令嬢だ。我が国の貴族が先に無作法な事をやらかしているから文句を言い難い」
「面識がおありで?」
「前回、この国に来た際に挨拶した程度だが」
王太子と側近が囁く様な声で話し合う。
「……しかし、王太子殿下の事ですから、一緒になって鼻の下を伸ばすのかと思っておりましたが、思いの他、しっかりとしておりますね」
「お前の方が無礼だからな! 後、外遊中だぞ! 流石にちゃんとするわ!」
王太子が、小声で怒鳴るという、器用な事をする。
しかし、普段ちゃんとしていない自覚はあった様だ。
この物語が始まってから、女性にだらしなさそうな面しか見せていないため、意外な一面である。
「それでぇ~、公爵令嬢様がぁ~、私の事を『パチンッ』って叩いたんですぅ~」
相変わらず、鬱陶しい男爵令嬢の言葉で、隣国の第二王子達の表情が歪む。
それに対して、王太子達は疑わしい者を見る目で男爵令嬢に視線を向ける。
隣国の第二王子達が、王太子達を取り囲む様にして詰め寄ってくる。
「これは、どういうことですか?」
隣国の第二王子の声は固い。
もはや、尋問に近い雰囲気だった。
賓客である、他国の王族に対して完全に礼を失している。
「どう、と言われましても……。現場にいた訳では無いから返答のしようがありませんね。そもそも、話自体、怪しいものだと思っていますよ」
「しかし! 彼女は泣いているのですよ‼」
隣国の第二王子が叫ぶ。
視線を男爵令嬢に向けてみれば、いつの間にか泣き崩れていた。
あまりの面倒臭さに、王太子達は閉口しそうになる。
「そもそもの話ですが、我が国の貴族同士の諍いであるのですから、貴方が気にする様な事ではありません」
「自国の貴族であれば、何をしても良いと思っておられるのですか!」
「そう言っているのではなく、我が国の問題であると言っているのです。それに、一方の証言だけで物事は判断できませんし、私としては公爵令嬢がその様な事をしたとは信じられません」
「彼女が噓をついていると言うのですか‼」
あまりにも話が通じない。
王太子が、苛つきを隠さず言葉を重ねる。
「はっきり申し上げますが、私の婚約者である公爵令嬢がその様な事をするはずがありません」
「しかし!」
なおも食い下がろうとする隣国の第二王子を手の平で制し、王太子が男爵令嬢に質問する。
「男爵令嬢。君の話を聞く限り、公爵令嬢が君を平手で叩いたのだね?」
「そうですぅ~。私の頬っぺたを、手の平で叩きましたぁ~」
男爵令嬢の言葉に、王太子は深く頷く。
「やはり、あり得ません」
王太子が、きっぱりと断言する。
その言葉に、いかにも反論有りという顔の隣国の第二王子。そんな彼に対し、王太子は無言で拳を掲げて見せる。
そして、高らかに宣言する。
「我が婚約者ならば、拳でいったはずだ‼」
あまりにも……、あまりにも力強い宣言だった。
あまりに力強く、そして、あり得ない宣言に、隣国の者達は何を言われたのか分からない様で、呆けた表情を見せている。
「彼女は、初対面で、私の鳩尾に膝蹴りを入れた女性だぞ‼ 手の平で引っ叩くなんて生ぬるい真似をするはずがない‼」
王太子の続けての宣言。
隣国の者達は、静かにパニックを起こしていた。
隣国だったら、王太子に膝蹴りなんぞ入れたら普通に取っ捕まる。
「側近! 彼女が、そんな生ぬるい真似すると思うか⁉ 各種格闘技を修めた彼女が、ただ横っ面を引っ叩くなんて真似を⁉」
「そうですね……。御婚約者は、令嬢相撲の横綱であらせられますから……」
「ッ! 張り手か⁉」
「可能性はあるかと……」
そこで、王太子は男爵令嬢に向き直り、堂々とした声音で訊ねる。
「男爵令嬢! 君は横っ面を引っ叩かれた後、一気に寄り切られたりはしたかね⁉」
「私、お相撲なんてしませんよぉ~」
当たり前である。現場は学園だ。相撲部でもない限り、そこに土俵などありはしない。
「おい側近! 相撲ではないらしいぞ!」
「掌底でもなさそうですし……、正直、分かりかねます」
「公爵令嬢と暴力! この二つがセットであるのはごく自然だ!」
「まあ、そうですね」
「しかし、男爵令嬢の証言では、暴力というにはぬる過ぎる内容だ!」
「我が国ではそうですね」
「……迷宮入りか?」
「本人に訊いてみるのが早いんじゃないですかね?」
王太子と側近が、隣国の面々を置いてけぼりにする。
隣国の面々は、意味は分かっているが、内容を正しく理解できてはいない様で、会話に入り込む事が出来なくなっている。
「……そうだな。後で訊いてみるか」
「殿下。ちょうど公爵令嬢がお見えになられましたよ」
側近の言葉に王太子が視線を移すと、問題の公爵令嬢が、供の者を引き連れ、通路から姿を現したところだった。
話を聞いていた訳では無いのだろうが、タイミングの良い登場だ。
「おお! 公爵令嬢! ちょうど良い!」
「殿下。その様な大きな声でどうなさいましたか?」
声をかけた王太子に、公爵令嬢が優雅に微笑んで見せる。
とても、件の男爵令嬢を引っ叩く様な人物には見えない。公爵令嬢という立場に相応しい、たおやかな様だった。
「ああ。こちらの男爵令嬢が、君に横っ面を引っ叩かれたと言っていてな」
「まあ! 私が、その様な事をするはずがありませんわ」
驚いた様にそう言い、公爵令嬢は頬に手を当て、困った様に小さく息を吐く。
その様は、まるで控えめながらも美しく咲く一輪の花の様に可憐だった。
その姿は、先程まで公爵令嬢を糾弾する気でいた隣国の第二王子達も思わず見惚れるほどだった。
「もちろん、私も信じてなどいないさ」
王太子が優しく微笑んで、言い切って見せる。
その様子からは深い信頼が感じられた。
「……それで、どのような技をかけたんだい?」
この王太子、自分の婚約者にどんな形態の信頼を置いているというのか。
「リストロックとアームロックを少々……」
公爵令嬢も、お茶とお花を少々みたいに答えないでほしい。
……とりあえず、公爵令嬢による、男爵令嬢への攻撃は間違いなくあったようだ。
まあ、分かり切った事実ではあった。
「ふむ? 関節技を受けたにしては、男爵令嬢の関節は壊れていない様だが?」
「まあ! 関節が破壊されてもギブアップしないのは殿下くらいですわ!」
「そういうものか?」
「ええ。普通の方は、関節破壊が数時間で完治したりしませんもの」
「なるほどな」
そう会話して、二人は楽し気に笑い合う。
この会話を笑顔でこなしているのが何よりも恐怖であった。
隣国の面々は、あまりの内容に、精神的にも物理的にも距離をとっている。
それでも、王太子達に向かって進み出てくる勇気ある者が一人いた。
隣国の第二王子である。
「……彼女に暴力を振るったと認めるのですね?」
震える声で、隣国の第二王子が、公爵令嬢に対して問いかける。
声だけでなく、いくらか足も震えている。
無理もない。自国の王太子の関節を破壊する相手である。何時、自分にその矛先が向くかも分からないのだ。
今、隣国の第二王子を守っているのは、他国の人間であるという一点だけである。
「暴力だなんて……。ちょっと、関節を捻っただけですわ」
それが暴力なのである。
自覚がないのだとしたら、極めて危険な人物である。
「……そういえば。男爵令嬢は、何故、引っ叩かれたなどと言ったのだ?」
「だってぇ~。何されたのか分からなかったしぃ~。ホントの事言っても信じてもらえないと思ったんですものぉ~」
口調は鬱陶しいが、言っている事はもっともである。
可憐な公爵令嬢が関節技を披露したと言っても、普通は信じてもらえない。
「そんな事はどうでも良いんです! 何故、彼女に関節技などかけたんですか⁉」
顔面蒼白で怒鳴る隣国の第二王子に、公爵令嬢は困った様な顔で答える。
「どこかで以前の婚約破棄騒動を聞いていた様でして……。彼女が言うには、私が、王太子殿下の婚約者に相応しくないから婚約を解消するべきなのだそうです」
「そんな事を男爵令嬢が言ったのか⁉」
公爵令嬢の答えに驚愕の声を上げたのは王太子だ。
心底驚いた顔をしている。
「ええ。私と王太子殿下の婚約は、王家と公爵家が政治的な理由から結んだ婚約でしょう?」
「ああ、君の言う通りだ。私達の婚約は、父である国王陛下の意思だ。大した理由もなく異を唱えれば処罰されるかもしれんぞ」
言っている事は正論だが、無断で婚約破棄騒動を起こしたのはこの男である。
「そもそも、この婚約、色々と行き違いはあったが、私としても異論はない」
「ええ、私もですわ」
どうやら、王太子は、この婚約を受け入れたらしい。
どの様な心境の変化があったのか気になるところである。
「だからと言って、暴力を振るって良い訳がない‼」
なおも食い下がる隣国の第二王子。
だが、そんな彼に対し、公爵令嬢は、恥じ入る事は何もない、という堂々とした態度だ。
「確かに、いきなり暴力を振るうのは良くありません」
「だったら‼」
「ですので、決闘を申し込みました」
「決闘⁉」
隣国の第二王子が、驚愕に叫ぶ。
そんな彼を無視して、公爵令嬢が続ける。
「手袋を投げつけました」
「……それで、男爵令嬢は、手袋を拾ったのかい?」
「ええ。それで決闘が成立しましたので、こう、ガッと行きました」
「ふむ……。私としても君に特に落ち度は無い様に思う」
本当にそうであろうか……?
隣国の面々は唖然としている。
「手袋拾ったら決闘なんて知らないですよぉ~」
この状況でも口を挟める男爵令嬢は大した度胸である。
もしくは、空気が読めないだけかもしれない。
そんな男爵令嬢に、公爵令嬢は幼子に語り掛ける様な優しい口調で話す。
「男爵令嬢。貴女は、我が国の貴族です。我が国では、令嬢間での決闘は良くあるのですよ」
「嘘でしょう⁉」
隣国の第二王子が叫ぶ。
だが、公爵令嬢も王太子も完全に無視である。
「貴女の御父上の任期がこの度終了する事になっております。決闘の作法も知らないまま我が国に帰国すると苦労する事になりますよ」
「はえぇ~」
男爵令嬢が間の抜けた声を上げる。
そもそも、決闘の作法どころか、一般的な常識すら怪しい令嬢である。
「貴女の御父上の任期が十年を超えて長かった事もありますので、多少は許されるでしょう。ですが、そのままという訳にはいきません」
「それじゃあ、どうしたら良いんですかぁ~」
「性格的にも向き不向きがありますので、必ずという訳ではありませんが、できれば令嬢格闘技を学んだ方が良いでしょうね」
「⁉ 彼女をそちら側に引きずり込まないでいただきたい‼」
隣国の第二王子が、焦燥を滲ませ叫ぶ。
令嬢格闘技という不穏な言葉に何か感じるものでもあったのだろう。
しかし、そんな隣国の第二王子に。王太子が口を開く。
「令嬢格闘技は我が国の文化です。男爵令嬢が我が国の貴族である以上、口を挟まないでいただきたい」
「しかし‼」
「無理強いする事はありません。しかし、我が国では、令嬢格闘技を用いて、婚約者や配偶者に愛を伝える事が多いのです。学んでおいて損にはなりません」
「どんな形態の愛ですか⁉」
「へぇ~。どんな風に愛を伝えるんですかぁ~」
隣国の第二王子が叫び、男爵令嬢は興味あり気に訊ねる。
正直、興味を持つ当たり、男爵令嬢には素養がありそうである。
「ふむ……。見せた方が早そうだな」
「まあ、殿下、恥ずかしいですわ」
「私と君の愛を見せつけるだけさ。何も恥ずかしがる事などないさ」
王太子と公爵令嬢が、まるで仲の良い恋人の様である。
今までの事を知っていると違和感しかない。
「殿下。自らその様な提案をされるとは……、立派に毒されましたな」
王太子の側近も涙を拭くふりなど等して喜んでいる。
あと、毒されたとか言うな。お前の国の文化だろう。
「床が壊れますが、よろしいですね?」
よろしい訳がない。
「床⁉ えっ⁉ なんで床が壊れるんですか⁉」
隣国の第二王子はパニックだ。
「はい! 私、見てみたいで~す」
何故か男爵令嬢が勝手に許可を与える。そして、やはり興味があるらしい。
「まあ、最悪、弁償すれば良いだろう」
「そうですね」
「床の修繕費位なら、直ぐに用立てられますから御安心ください」
王太子一味だけで、勝手に話が進む。
側近が少し離れ、王太子と公爵令嬢が向かい合う形で対峙する。
「では! まずは愛のパワーボムから行きます!」
「来ぉぉいっ‼」
行かないでほしい。
しかし、そんな願いも虚しく、公爵令嬢は王太子の身体をパワーボムの態勢に担ぎ上げる。
隣国の面々から悲鳴に近い叫びが上がる。
可憐な公爵令嬢が、男性として比較的長身の王太子の身体を軽々と持ち上げたのである。驚くな、という方が無理がある。
だが、そんな事はお構いなしに、技は繰り出される。
爆音と共に王太子の身体が床に叩きつけられる。
床が砕け、破片が舞う。
隣国の面々は、最悪の事態すら覚悟した。
それほどの威力のパワーボムだった。
「わぁ~。すご~い」
呑気な声を上げたのは男爵令嬢である。
「フッ。流石は我が婚約者。素晴らしい愛だ」
気取った台詞と共に王太子が立ち上がる。
大した怪我すら負っていない。流石の耐久力である。
「……これが、我が国で比較的ポピュラーな愛の形です」
王太子が、実に堂々と宣言する。
「いや! 納得できませんよ!」
隣国の第二王子が叫ぶ。
この王子、先程から叫びっぱなしである。そろそろ彼の喉が心配だ。
「何⁉ 納得できませんか⁉ ならば、次の技をお見せしましょう!」
「待ってください! そんな事望んでいません!」
「愛のジャーマンスープレックス行きます!」
「行かないで! お願いですから帰ってきてください‼」
隣国の第二王子の制止も虚しく、公爵令嬢のジャーマンスープレックスが、王太子に炸裂する。
床に頭から突き刺さった王太子を見て、隣国の面々が悲鳴を上げる。
それに対して、王太子側の面々は歓声を上げている。
「わぁ~。格好いいですぅ~」
男爵令嬢は、どうやら公爵令嬢よりの感性の様だ。
「待って! 君までそっちに行かないで! お願いだから置いて行かないでくれ!」
隣国の第二王子の叫びは、もはや哀願だった。
「心配していましたが、彼女なら、我が国でもやって行けそうですね」
「それは良かった」
公爵令嬢の言葉に、自力で脱出してきた王太子が返す。
その顔は実に良い笑顔だった。
「しかし、殿下も以前はあれほど拒否していらっしゃったのに、変わられましたね」
「何、君からパワーボムを受けて土に埋まった時、土の中で考えたのさ」
「何をですか?」
「これは、我が国の文化であり、愛の形なのだと。そして、それを受け入れてしまえば君という素敵な婚約者が横にいてくれるのだと気づいたのさ」
「まあ」
王太子の言葉に公爵令嬢が頬を染める。
「もう、君からの愛のこもった技の数々は苦痛ではない。喜びに変わったのさ」
割と変態的な発言である。
「素敵ですぅ~」
男爵令嬢の感性が分からない。
順応が早すぎる。
「素敵じゃないから! お願いだから帰ってきて‼」
隣国の第二王子が相変わらず叫んでいる。
そんな、混沌とした中、王太子と公爵令嬢は微笑みあっていた。
「最後までやり切ろうか」
「はい」
「もういいです! 分かりましたから! もう終わりにして‼」
「愛のブレーンバスター行きます!」
「お願いですから行かないでください‼」
隣国の学園に、第二王子の絶叫が響く。
それは、事件を目撃したくないが故の魂の叫びだ。
だが、その絶叫への返答は言葉ではない。
そう、隣国の第二王子への返答は、相変わらずの床を砕く爆音だった。
後に、隣国の第二王子は次の様に語った。
妙なプレイを見せつけられた。と……