学園生活
廊下に出た二人は、次の授業に向かう途中で軽く肩をぶつけ合いながら、笑い声を響かせていた。菜穂がフィリスの隣で微笑みながら、軽く茶化すように言った。
「ねぇ、フィリス先輩。あの特別訓練プログラムって、本当に大丈夫ですか? フィリス先輩の頭でちゃんとついてこれますかね?」菜穂は冗談半分で言いながら、フィリスの反応を楽しんでいる様子だった。
フィリスは驚いた表情を見せた後、少し不満げに口を尖らせた。「菜穂、ひどいな~! 私だってこれでも頑張ってるんだから! それに、私がついていけなかったら、天才の菜穂が全部カバーしてくれるでしょ?」
「うーん、どうでしょうね~。カバーするのも大変ですから、フィリス先輩がもう少ししっかりしてくれたら助かるんですけど」菜穂は笑いながら肩をすくめた。
「そう言ってるけど、本当は私が頼りにしてるの、知ってるんだからね!」フィリスは小さく舌を出して、いたずらっぽく返した。
「ええ、もちろん知ってますよ。でも、頼られすぎるのも困るから、フィリス先輩ももう少し頑張ってくださいね」菜穂は軽くフィリスの背中を叩きながら、さらにからかうように言った。
「そうだね、私ももっと頑張るよ。じゃないと、天才の菜穂に見放されちゃうからね」フィリスは冗談交じりに答えたが、その言葉には少しの本気が込められていた。
「そうですよ!見放されないように、しっかりしてくださいね。でも、安心してください、私はフィリス先輩のこと、ちゃんと見放さずにサポートしますから!」菜穂は明るく笑い、フィリスに向かってウインクをした。
「うん、ありがとう!でもね、菜穂、ちょっとは私にも天才的なところがあるんだよ?」フィリスは少し得意げに言い、菜穂の顔を覗き込んだ。
「おやおや、フィリス先輩の天才的なところですか? ぜひ教えていただきたいですね~」菜穂は興味津々のふりをしながら、わざとらしくフィリスに顔を近づけた。
「そうだな~。例えば…笑顔で周りを元気にする才能とか?」フィリスは少し照れくさそうにしながら言った。
菜穂は一瞬驚いた表情を見せた後、優しい笑顔でフィリスを見つめた。「それは確かに、フィリス先輩の素晴らしい才能ですね。いつも明るくて、周りを元気にしてくれるのは、フィリス先輩の最大の強みですよ」
「ありがとう、菜穂。でもね、天才の菜穂には負けないぞー!」フィリスは少し照れ隠しのように笑いながら、菜穂にじゃれついた。
「負けない気持ちは大切ですよ! でも、勉強でも負けないようにしてくださいね」菜穂は軽くフィリスを避けながら、再び冗談を交えた。
「わかってるよ~!今度こそ、菜穂に勝ってみせるから!」フィリスは笑いながら拳を握りしめ、決意を見せた。
「その意気ですよ、フィリス先輩。次のテスト、楽しみにしてますね!」菜穂は挑戦的に笑い、フィリスの頬を軽くつついた。
「よーし、絶対に見返してやる!」フィリスは目を輝かせ、二人で笑い合った。
その後、フィリスと菜穂は、いつも通り軽口を叩き合いながら、次の教室に向かって歩き出した。二人の会話には、日常の些細なことや、これからの訓練についての軽い冗談が飛び交い、笑いが絶えなかった。
教室に入ると、フィリスは菜穂に振り返り、「じゃあ、次の授業では、菜穂にまた教えてもらおうかな」と、少し困った顔をして見せた。
「もちろんです! でも、ちゃんと自分で考えることも大事ですよ?」菜穂は笑いながら応えた。
「うん、わかってる。自分で考えて、でもどうしてもわからなかったら、菜穂に聞くね」フィリスは、明るく笑いながら席についた。
その後、授業が始まったが、二人の間には終始和やかな雰囲気が漂っていた。時折、菜穂がフィリスに小さな指示を出し、フィリスがそれに従って頷くたびに、クラスメートたちは彼女たちの間に流れる自然な連携を感じ取っていた。
授業が進むにつれて、フィリスは時々菜穂の方に視線を送り、彼女が教科書をスラスラと読み進める様子に感心していた。そして、菜穂がたまにフィリスに微笑みかけるたびに、フィリスも満面の笑顔で返していた。
最後に授業が終わると、フィリスは軽く伸びをしてから菜穂に声をかけた。「ねえ、菜穂。この後、ちょっと付き合ってくれない?放課後、カフェで勉強会でもどうかな?」
「いいですね!フィリス先輩と一緒なら、勉強もきっと楽しくなりますよ。」菜穂は快く応じ、二人はまた一緒に笑い合いながら教室を後にした。
廊下を歩きながら、フィリスはふと立ち止まり、真剣な表情で菜穂を見つめた。「ねぇ、菜穂。本当にありがとう。私、菜穂と一緒にいると、本当に楽しいんだ。」
菜穂は少し驚いた表情を見せたが、すぐに優しい笑顔を浮かべた。「こちらこそ、フィリス先輩と一緒にいると、元気がもらえます。だから、これからも一緒に頑張りましょう!」
フィリスはその言葉に満足げに頷き、二人は再び歩き出した。彼女たちの明るい笑い声は、廊下を響き渡り、学校の他の生徒たちにも元気を与えていた。