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どれだけ神に祈っても

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

もう、それで良いんだ。

と思いながら生きなくてはと思います。

誰よりも縋り、誰よりも凭れ、誰よりも依存している癖に、誰よりも視点は厳しかった。その最もたる台詞はこれだろう。

――今まで返し切れない程の沢山の物を戴いたんだ。死ぬその時まで面倒見て欲しいなんて烏滸がましい。


人間というのは時に過大妄想するものである。自分がどれだけ駄目であっても、『きっと何とかなる』、『今までもそうだった』、時にそう思う事がある。

そうやって依存する先が自分ではない“誰か”になると、厳しい言葉、現実を突き付けられた時、『こんなはずじゃなかった』、『今まで助けてくれたのに』、こんな言葉を相手に投げ掛けるの人を何人も見てきた。甘えるなって思う。


人は彼女の事をこう定義するだろう。狂信者。と。

家を出る時も、帰る時も、心中で祈りを捧げ、唯一の休日には此処に訪れ、狂信的に縋り付く。全て全て、心中で。決して表に出す事はないけれど、脆さを私達で補っている事は明白だった。

だから時折、心配になる。君の願いが叶えられ無かった時、自暴自棄にならないかと。『どうして助けてくれなかった』と叫んでしまうのでは無いかと。

そんな彼女は今日も此処に来て、何時ものように心中で縋り付いた後に、何でもない顔でこう言った。

「ついこの間、天災の報せを聞いたのです。もしかしたら、それでぽっくり逝くかも知れませんね」

少し前まで必死に祈りを捧げていた子と同一とは思えない程、精神は安定していた。夜の安らかな海の様だった。

「『これだけ祈っていたのに』、『何で助けて下さないのですか』とは言わないんだ」

「貴方様がどれだけ偉大で、お優しくて、甘かったとしても、叶えられない願いなんて五万とある事を知っています。それに今まで返し切れない程の沢山の物を戴きました。私の願いは来る度に清算されています。それ以上の運命を覆す程の事を願うのは、烏滸がましいでしょう?」

そう言って静かに笑った。

「貴方様にお会い出来て、沢山の優しさを受け取って、それで十分ですよ。

私は自分が大好きなので、死に様は醜いでしょうが、死ぬのを貴方様のせいにするつもりは御座いませよ」

今まで、沢山の物を戴きました。

沢山のご縁を戴きました。

あの場所に訪れるまでに、全ての願いは清算されてます。


だから、突然ぶっつりいかれても、ご縁を結んで戴いた時点で願いは果たされているのだから、仕方がないと思う様にしてます。

勿論、切られたら悔しいですが。少しでも長くいたいとも思いますが。

でも其の思いを叶えて下さった方に言うのは、私は好きではありません。


前にもお話した通り、神社仏閣通いが趣味で通い続けて居ても、突然死ぬ事は勿論有り得ます。

助けて欲しいとも願うでしょう。

でも助けて下さらなかったとしても、今まで貰った物が大きすぎるので、何も言えないと思うんですよ。

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