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2年生に進級した

【2年生に進級した】


 2年生になった。

 変化は色々ある。


 まず、俺はA組だ。首席である。

 1年後期テストの結果だ。

 俺は自分を隠すことを少しずつ解き放ってきた。


 補欠で合格してきた俺が、1年たったら首席。

 筆記は満点。

 実技はあらかじめ学園側に伝えておいた。

 手を抜くと。

 そうじゃないと、凄惨な結果になると。

 学園からも学生からも文句は出なかった。

 20階の大猿をほぼ瞬殺するような目に会いたくない。


 クラスメイトは、

 2位アスタシア

 3位ライリー

 4位ロレーヌ。

 そして、ジルが20位になってA組入りした。


「ジョエル、今年度もよろしくね」


「それにしてもジョエルは前代未聞野郎だったってことか」


「はは。まだこの学園で俺のことをどうにかしようと思っている奴らがいる。学生だけじゃなくてね。だから、自衛のために、俺がどういう存在かをアピールしておこうと思って頑張ったのさ」



 チビデブピザは幾分緩和された。

 身長は175。1年で15cm伸びた。

 体重は80kg。15kg減った。

 デブというよりも、かなり体格のいい人、

 ぐらいにまではきてるかもしれない。


 筋肉質の体になりつつあるのだ。

 体脂肪率が低い感じがする。

 お腹が割れているわけではないが、

 タプンタプンの体ではない。


「ジョエル、同じクラスになれて嬉しいわ」


 これはロレーヌだ。


「私も」


 アスタシア。お世辞でも嬉しい。


「ちょっとジョエル。私と反応が違う」


 いや、ロレーヌ。

 仕方ないだろ。

 お前は家族枠なんだよ。


「まあ、1年楽しくやりましょう」


 ライリーは結局、学園でできた唯一の男友達になる。

 それなりに良いやつだからな。

 アスタシアと仲がいいのを除けば。



 他に変わったことと言えば、

 マノンがアカデミーに合格した。


 体力面がぶっちぎりに優秀だったらしい。

 そりゃ、ダンジョンレベルが30。

 裏公認だが、C級冒険者。

 史上最強クラスの中学生だ。


 確かにダンジョンレベルは学園の入試には関係ない。

 しかし、ダンジョンレベルがダンジョンの外の体力に影響する、

 というのは公然の秘密だ。


 ただ、座学方面が壊滅とは言わないが、ほぼドベらしい。

 ギリギリ合格ラインを越えた、というところか。


「マノンちゃん、頑張ったのよ」


「そうよ、自頭はいいんだから」


「飲み込みはすっごく速いわね」


 去年の夏以来、

 ロレーヌの家が女たちの集まる場所になっている。

 で、マノンが彼女たちから勉強を教わることになったのだ。

 まあ、俺はそのたびに送迎ガードマンをやらされたのだが。


 確かに、勉強に関してはパッパラパーだった妹が

 曲がりなりにも迷宮学園の合格ラインにまで学力を引き上げた。


 称賛されることだろう。

 俺なんて、補欠合格だったからな。


 ロレーヌ家や女たちには、お礼にお菓子を届けている。

 実は、俺と父ちゃんの間でスィーツづくりが流行になっている。

 その話はまたいずれか。



 1年のときに採用されたマヨネーズ、シャンプー、リンスは

 1年のときは結局全クラスに行き渡らなかったので、

 ブーイングがすごかった。

 ようやく2年になって職員含めて全食堂・備品売り場で採用された。


 相変わらず、これらが反守旧派由来のもの、という噂が流れており、

 特に守旧派女子中心におっかなびっくりになっている。


 女学生の間では、俺たちのヘア製品は常備するのが当たり前になっている。

 それが親のせいでなくなってしまうかも、と思うと、

 いてもたってもいられないらしい。


 だから、少なくとも2・3年は全クラス自由派・独立派の生徒会長を

 推薦するだろうと言われている。


 1年に関しては去年のような無理筋の争いが起こるかもしれない。

 しかし、入学そうそう、マノンが1年の全クラスで演説をぶっ放した。

 サラサラしっとりヘアをなびかせながら。


「あなたたち、寮の食堂や備品売り場でマヨネーズやシャンプーとかを試してみなさい。そうしたら、すぐにどうしたらいいかわかるから」


 マヨネーズの魔法の調味料ぶりを堪能し、

 特に女子はサラサラしっとりヘアに感激し、

 そして学園に広まる政治的な噂を聞いて、

 何をすればいいのかを悟るのだった。


 無論、男子もいる。

 守旧派であれば、多くは貴族階級である。

 親に言い含められて一度は守旧派に忠誠心を捧げようとする。


 しかし、金曜日スペシャルの輝きを跳ね返すことができない。

 毎週金曜日、俺たちの献立が寮食堂を飾ることになったのだ。

 食材の生産量が心もとないので、こうなった。


 毎日を灰色の食事で我慢するのか。

 それとも、週1回ながら金曜日の素晴らしい食事を堪能するのか。

 そう思うと、彼の信念はあっと言う間に崩壊するのだった。



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