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夏休み開けの初日。阿鼻叫喚

【夏休み開けの初日。阿鼻叫喚】


「え、何、すっごくキレイになってる!」


「痩せてるってか、すっごく体がしまっている!」


「髪の毛サラサラ!しっとり!」


「レモンの香り!」


「ニキビとかそばかすとかも消えてる!なんで!」


 エマとジャンヌを見たE組女子の悲鳴だ。



「おまえら、俺が言ったこと覚えてるか?夏休み開けに刮目せよって」


 俺はクラス対抗戦の選抜時に、クラスの連中を締めがてら予言をしておいた。


「おお」


「どうだ?」


「何したの?どうやったらそんなにキレイになるの?」


「てか、俺、彼女とつきあいたい」


「僕は踏んづけてほしい」


「ボガッ!」「イテ!」


 変態には彼女たちにかわって俺がお仕置きしておいた。


「さーて。ここに彼女たちが美しくなった秘訣の一端がある」


「えー、見せて!」


「これは俺の知り合いが開発したスキンケアとヘア製品だ」


「あー、それって今巷を賑わしている?」


「なんでか知らないけど、冒険者ギルドで売ってるやつ?」


「あっという間に売り切れて、ただの噂扱いされてる製品?」


「そうだよ。俺にはそこそこの製品のストックがある」


「あー、お願い、分けて!」


「ほー、いじめっ子が何言ってるんだ?」


「あれからは心を入れ替えてるでしょ!」


「そうは見えんが。未だに距離感があるよな」


「(ボカボカに殴られてニコヤカにできるわけないでしょ)」


「あ?」


「なんでもない!お願いします。もっともっと彼女たちと仲良くするから、お願いします!」


「いいんだよ、別に無理しなくても」


「無理してない!」


「いや、そういうのは自然な成り行きでやってこーや。そのかわりにな、彼女たちが美しくなった理由をもう一つ教える」


「えー、なになに?」


「ダンジョンでレベル上げること」


「?それだけ?」


「そうだよ」


「えー」


「いやまて、俺、一応貴族にかすってるから知ってる。ダンジョン活動すると、強くなるに連れて痩身になってくって話だぞ」


「貴族の子たちがきれいなのはそれが理由?」


「それだけじゃないと思うが、貴族の子供たちはダンジョン活動のことは大っぴらに言わないからな」


「ああ、規則違反してダンジョン活動してるからだろ?」


「そうそう。中学生なのに深い層までパワーレベリングしてるしな」


「そうか、そりゃ公言できんか」


「ああ。俺たち士族ポジションだと、パワーレベリングするほどの優秀な部下とか傭兵とかはいないし。親は公務で忙しいし。それに男だから美容的な興味はないし」


「でだ。ここに試供品がある」


 俺は小瓶に振り分けた製品の試供品を並べた。


「正規の製品は無理だが、試供品ならばこの通り、多少の融通が効く」


「ほしい!」「私も!」


「試供品を獲得する条件は一つ。ダンジョン行ってレベル上げてこい」


「えー、怖い!」「無理よ!」


「俺とエマとジャンヌがおまえらを指導する。彼女たちは現在ダンジョンレベルが12だ」


「!」


 俺のダンジョン活動は色々な経緯もあって、

 ロレーヌたちに軸足が移っている。


 しかし、エマとジャンヌのことを忘れたわけじゃない。 

 彼女たちには無理のない範囲でダンジョン活動を続けてもらい、

 付き添いとして俺たちが参加していたのだ。

 俺たち、というのは俺、ロレーヌ、アスタシア、ジルのことである。


 対して、E組のジルを除く学生はダンジョンレベルがせいぜい7といった所。

 ちなみにジルは15だ。


 ダンジョンはゲームのような場所だ。

 しかし、命をかけているわけだから、ほいほいと強化するわけにはいかない。


 そうなると、ホブゴブリンあたりで一つの限界があるわけだ。

 5階あたりで足踏みをすることになり、

 レベル的には7か8、

 冒険者レベルで言うと、Dクラスで詰まってしまう。


「いいか、一気に全員は無理だが、班ごとに日替わりで俺たちが面倒を見る。強くなりたいやつ、キレイになりたい人、手を上げてくれ」


「「「はい!」」」


 こうしてE組のダンジョン活動は1年が終了するまで続くのであった。

 しばらくすると、俺たちとクラスメイトの間にあった壁も

 いつの間にか霧散していった。



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