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野外授業2

【野外授業2】


「E組、集まったか?」

 

 担任のロック先生の気のない声が響く。

 それにしても、この先生、やる気のなさがもろわかりだ。

 こんな態度で学園側の評価は大丈夫なんだろうか。


 確かに、俺たちはドベクラスなんだが、

 それでも、狭い関門をくぐってきたよりすぐりの学生だ。

 捨てていいわけじゃない。

 

 実際、2年生に上がる時のクラス編成で

 上位クラスにステップアップする学生がいるだろう。



「では、3階までの行程でいかに多くの魔石を獲得するかが評価のポイントとなる。時間は10時20分から15時20分までの5時間だ。開始の時間とともにスタートだ」


 人数が150人もいるため、

 9時半開始で、まずA組が入場した。

 そして10分間隔で次のクラスが迷宮ゲートをくぐっていく。


「俺たちって不利じゃね?」


「だよね。先行するクラスが魔物を刈り取ったあとに、私達が行くんだもんね」


「いや、1・2階はともかく、3階はだだ広いからそんなこと気にする必要はないぞ」


 おお、珍しく担任の先生がそれっぽいことをのたまう。


「3階ってどれぐらいの広さなんですか?」


「概ね5km四方だな。ただ、知っての通り内部は洞窟が複雑に入り組んでいる。ポイントごとには学園の職員がいるから迷うことはないと思うが、地図は忘れるなよ」


「はい」



 さて、俺たちの入場時間だ。

 

「じゃあ、行こっか」


「ええ」


 もう、何度来たかわからない。

 俺たちは毎日のようにダンジョンに来ているから、

 1・2階は地図がなくても普通に通り抜けられる。


 そして、到達した3階。


「ここにこんな清々しい気持ちで来ることができるなんて」


「本当に。ジョエルのお陰だわ」


「いやいや、君たちの頑張りだよ」


「いえ、私達、これ以上ないってぐらい落ち込んでたもの」


「ね。あのままなら、私達学園を辞めてたかも」


「俺もね、ほら入学直後はあんまりポジション良くなかったでしょ?だから、君たちにシンパシーがあったのかも」


「あー、何か雰囲気を悪くしてる人がいるわよね。いつの間にか大人しくなったんだけど」


「あれって、ジョエルがなんかしたの?そういう噂があるんだけど」


「いや、ちょっと話し合いをしただけだよ。彼らも快くわかってくれたよ」


「えー、そんな雰囲気じゃないんだけど」


「言っては悪いんだけど、ジョエルって見かけ以上にやるよね」


「そうそう。座学も優秀な感じするし、実技訓練だって普通にこなしているよね」


「ダンジョンレベルも7だったし。いま、もっと高いんでしょ?」


「ああ、内緒にしておいてほしいんだけど、12」


「12って?いつの間に?」


「俺の両親が元B級冒険者だったんだ。彼らと一緒に週末はダンジョンめぐりさ」


「ああ、それは恵まれてるわね。貴族とかならお金があるから優秀な人を雇えるけど、一般庶民はなかなかそういうわけにはいかないもの」


「君らもすぐにレベル12ぐらい到達できるよ」


「そうだといいんだけど」



 俺たちはそんな話をしつつ、適度に狩りを続けていた。


「じゃあさ、そろそろお昼にしない?みんなもお弁当もちだと思うけど、俺の親父特製のお弁当があるんだ。一緒に食べよう」


「え?お父さんが?」


「俺の父ちゃんは料理レベルはプロだぜ」


「うわー、食べたい」


「よっしゃ」


 俺は部屋状になっている洞窟の一角で

 弁当箱を開いた。


「本当!なんだかすごく見栄えがする!」


 洋風卵焼き、豚肉のチーズ巻、鳥の唐揚げ、

 ピーマンとベーコンの胡麻ソース和え、

 タコさんウィンナー、エビのマヨネーズ和え、

 青菜のおひたし、そしてキャラパン。



「なにこれ、猫ちゃんの形のパンなのね」


「ああ、キャラパンって呼んでる」


「タコさんもカワイイ」


「洋風卵焼き?これ、卵のケーキみたい」


「私、エビが大好き。ソースがすごく美味しい」


「マヨネーズっていう特別ソースだよ」


「凄いわ。こんなキレイで美味しい料理、初めて食べた」


「さすが、プロっていうか、プロレベル超えてるわよね」


 和気あいあいとした雰囲気に俺も

 早朝からの頑張りが報われる思いだった。

 俺は実家に戻り、早朝から弁当を作っていたのだ。



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