世界史 キビジュ帝国の時代
1600年頃にはインダス世界で前世を誇ったデリー帝国はエンクラント王国の入植によって急激に衰退し、北部にはヒンドゥー教、南部にはイスラームの諸王国が林立した。エンクラント王国の侵攻に対抗するため、それぞれラージプターナ王国連合とマラータ同盟を形成したが、1800年頃までにマラータ同盟は全領土を失い、エンクラント王国のインダス植民地となった。
イェンツェ=カルマール同盟の植民地
コンゴ植民地:ナイジェル世界中部、1720年頃にエンクラント王国に滅ぼされるソンガイ新王国の南に位置する。そのほとんどを熱帯雨林に覆われ、ゴムなどを産出する。1700年頃にソンガイ新王国との間にコンゴ戦争が起こっている。
ヴィクトール植民地:アフラス世界東部に位置し、オステン帝国の南端領土を奪取して成立。その過程でオステン帝国との間にザンジバル戦争が起こり、その後もオステン帝国と対立している。その名称はカルマール王国2代国王の名から。
メーア・インダス植民地:ケプラルン世界、ジャーヴァカ王国だった地域。名称は「海のインダス」の意で、エンクラント王国にインダス世界から排除されたために付けられた。香辛料を産出する。
オストラント植民地:ケプラルン世界の南に位置するオストラント大陸(史実のオーストラリア大陸)西部。名称は「東の土地」の意。
旧北コロンビア植民地:北コロンビア世界北部、ノイバーデン湾(史実でのハドソン湾)内部に位置する。北コロンビア連邦共和国の独立後に同国に併合され、ニューバーデン州とされている。
九竜:大辰帝国広東州の珠川河口に位置する港湾都市。大華世界との交易拠点として機能した。
エンクラント王国の植民地
アフラス植民地:1720年頃にナイジェル世界北部のソンガイ新王国を間接統治する形で成立。カカオ豆などの農産物と北コロンビア向けの奴隷を産出する。
ケープ植民地:アフラス世界南端に位置する。ダイヤモンドなどの鉱産資源を産出する。
インダス植民地:インダス世界中南部に位置する。同地域のマラータ同盟をはじめとする諸王国を侵攻・併合して成立した。北部のラージプターナ王国連合との間に戦闘が頻発する。綿織物などを産出する。
ホワイトアイランド植民地:オストラント大陸東部とメラネシア・ミクロネシア世界の島々からなる。1716年、イェンツェ=カルマール同盟とマルク海戦で戦う。少数ながら奴隷を産出するが、同地の男権主義的社会も相まって、性的目的の為に輸出される者が少なくないことは事実であった。
旧北コロンビア植民地:北コロンビア世界東部に位置する。1950年代の独立戦争で北コロンビア連邦共和国として独立した。
1900年頃、キビジュ帝国は国内での商業活動の方針を転換し、旧帝国に倣い、帝国政府による国家主導の商業活動に移行した。諸商業氏族は10の司政のいずれかの管轄におかれ、より効率的な交易が目指された。
ほぼ同時期にイェンツェ=カルマール同盟で蒸気機関が誕生し、産業革命が起こった。これによって工場機械工業が確立して大量生産が可能となり、この時期に成立した資本家による資本主義に基づいて市場を求め、蒸気船で大量の安い製品を国外に輸出し始める。法整備が追いつかない急激な発展によって、工場が在外協定都市に進出すると、そこから技術が持ち出され、トゥクテュル交易路・イスラーム交易路を通って世界に拡散し、クークス帝国主義2ヶ国との抗争を支えた。
イェンツェ=カルマール同盟では資本家と労働者と二大階級が成立し、その過酷な労働環境から社会主義が芽生えた。その発展を支えた知識人集団がエンクラント王国とキビジュ帝国ノヴゴロド市に亡命している。