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390.霧の国ゼッザオへ向けて

 まずリュディガーはもちろんこの一連の事件に深く関わりを持っている上に、ドラゴンたちに認められてエターナルソードを持っているので決定。

 それから妹のトリス、今まで一緒に付き合ってくれていたエスティナ、そしてここまで一緒にやってきたフェリシテの三人もメンバーとして決定である。

 これで四人なのだが、問題は残りのメンバーをどうするかである。

 それについて最初に声を上げたのは、この空中大陸によって今もまだ自分たちの国を薄暗い影が覆っているのをどうにかしないといけないと考えているカルヴァルだった。


「おいジェバー、お前が一緒に行け」

「私がですか!?」

「当然だ。お前は唯一その裂け目を見たことがある人間なんだから、いざその裂け目を発見したらその時の奴と同じだったのか確認できるだろ」

「確かにそれもそうですね」


 事件の容疑者の面通しができる人間のような理由で、これで五人目のメンバーがジェバーに決定する。

 それから戦闘要員としてもそうなのだが、一時期はニルス側について情報収集をしていたバルドもメンバーとして参加することになった。


「俺も行くぜ。それから後は……この陣営だと遠距離攻撃ができる人間が足りなくねえか?」

「それもそうねえ。弓をほとんど使っているのは私だけだし、後はお兄ちゃんを始めとして前衛か魔術の人ばっかりだし」


 バルドに続いてトリスもそのことを危惧しているのだが、だからといってすぐに弓使いをこのメンバーの中から選ぼうとしても選べないのが現実だった。

 とりあえずここは、かつてリュディガーと勝負をした時やその他もろもろの戦いの時に弓を使った経験のあるアレクシアが、空中からの援護をするということで弓使いに選ばれた。


 これで人間のメンバー六人と精霊一人となったが、残り四人をどうするかである。

 そこはまず、何だかんだで今まで長く付き合ってきてくれており、騎士団員ではないので身動きも取れやすそうなデレクが最後までついてきてくれることになった。


「ヴィーンラディはそこまで被害を受けていないからまだいいけど、シュアとエスヴェテレスは……」

「すみません、私はシュアに戻ってまだ復興作業の手伝いをしなければなりません」

「私もセフリス副長と同じです」


 更にいえばブラインも副騎士団長としての任務を放り出したままでいるわけにもいかないので、彼もアーエリヴァへと戻ることになった。

 それに加えてバーレンのカリフォンも、例の海賊関係の後始末をまだ終わらせなければならないらしくこれ以上付き合うのは無理だとか。

 しかしヴィルトディンのエルガーに関しては、そこまでの被害を受けていない上に国王のリルザから直々に命を受けてここまでやってきたこともあって、ゼッザオまで一緒についていってくれるとのことだ。


「これで人間が八人だから後は二人か。えーと……」

「なら俺も一緒に行こう。一応俺はフェリシテの上司だし、我が国に伝わるルヴィバーの話が出てきているから全く無関係ではないからな」

「じゃー、消去法で俺がついていくことになるんだな……残りの一人は」


 こうしてゼッザオへと向かう人間たちのメンバーを整理してみると、リュディガー、トリス、フェリシテ、エスティナ、バルド、ジェバー、デレク、エルガー、ジアル、ラシェンとなった。

 これはこれで各国の実力者が揃っているものの、だからといって霧に囲まれたゼッザオという国はどういう場所なのか皆目見当もつかない。

 本来であれば各国の騎士団が総動員の状態でゼッザオを包囲し、一気に乗り込んで制圧するべきなのだろうが、向こうにはニルスと黒いドラゴンがいるので油断できない。


「それじゃあまず国に帰るメンバーをそれぞれの国へと送っていって、それから改めてゼッザオへと乗り込もう」

『わかった。霧を抜けたら何が起こるかわからんし、向こうは我らの本拠地とはいえ今は何がどうなっているのかわからない状況だからな。それぞれが気を引き締めて油断しないことが大事だ!!』


 ドラゴンたちにも認められた。エターナルソードも手に入れた。自分を追放した傭兵パーティーのメンバーたちも全てケリをつけた。

 そして空中大陸の制圧も終わった。

 だが、それら全ての問題を解決するためには霧の中にある国へと乗り込んでその元凶を全て撃破しなければならない。

 例えそれが厳しい戦いだったとしても……。

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