第4章 第20話 「オペラ殺人事件」
20話です。
今回のお話は「私」と言う漢字は、全て「わたくし」と読んでください。
いつも読んでくれてありがとうございます。
(=^・・^)v Thanks!!
名探偵 神楽坂倫子シリーズ File 1
「オペラ殺人事件 前編」
それはマジカルの格納庫にある、控室で起こってしまった悲しい事件でしたの…。
今思い出しても涙が出そうになりますわ…。
「え…。」
控室の冷蔵庫を開けた瞬間。
私、神楽坂倫子は絶句してしまいましたの。
だって入れておいたはずの大きなケーキの箱が、忽然となくなっているんですもの…。
私が買ってきた差し入れのケーキ…。
みんなで食べようと思って持ってきた「ハーゼル・アオバ」さんに頼んで作ってもらった大きな特注のケーキ…。
私は慌てて冷蔵庫の中を確認しましたわ。
ありませんわ!どこにもありませんわ!
いくら冷蔵庫の中を探しても、私が買ってきたケーキがありませんのことよ!
『誘拐されたのだわ!私のケーキが誘拐されましたわ!誘拐事件の発生だわ!犯人はだれ!誰がこんなひどい事をしたの!』
私の中にいる「名探偵 神楽坂倫子」はそう思いましたの。
だって、ケーキが勝手に散歩に出かけるわけがありませんものね。
ここからは「名探偵 神楽坂倫子」の出番ですわ。
名探偵は悪を許しませんことよ!
証拠を見つけるために私は、部屋の中を探してみましたの。
残念な事に虫眼鏡はございませんでしたけれど。
するとキッチンの隅にあるゴミ箱から、丸められたケーキの包装紙らしき物が見つかりましたわ。
名探偵の観察力は鋭いですのよ。
私は慌てて包装紙を広げましたわ。
ピンクの花形模様の紙には、「ハーゼル・アオバ」という店名が書いてありましたの…。
間違いないわ!私のケーキの包装紙だわ!
早速、第1の証拠が発見されましたわ。
包装紙と共に赤いリボンも発見されましたわ…。
包装紙の中に一緒に丸められていましたのよ…。
早くも第2の証拠を発見ですわ…。
犯人は私をあざ笑うかのように、これ見よがしに物的証拠を残していたのね…。
なんという冷酷非情な犯人なのでしょう!
こんなに酷い事が出来るだなんてまるで悪魔ですわ!
犯人はきっと地獄へ落ちるわ!
いいえ!落ちるべきなのですわ!
私は包装紙を手にしたまま、ぶるぶると肩を震わせましたわ。
それと同時に犯人に対する怒りの炎が、メラメラと燃えあがってきましたの。
これは名探偵に対する…。
いいえ!私達に対する挑戦ではなくって?
………少し違う気もしますけれど、そんな事はどうでもいいのですわ。
ただこの状況から考えると、私のケーキの生存確率は極めて低いでしょうね…。
とりあえずその時の私には、ケーキの無事を祈ることしか出来ませんでしたの…。
「リン。なにやってるの?」
マミちゃんは部屋に入ってくるなり、私にそう言いましたわ。
「マミちゃん…。」
私は泣きそうな声で言いましたの。
「そんなところでなにやってるのよ?」
ゴミ箱の前で包装紙を手に佇む私を見て、マミちゃんはとても不思議そうな顔をしていましたわ。
「ケーキが…。ケーキが無くなったの…。」
「えぇ!」
マミちゃんは目を丸くして、すごく驚きましたの。
だってマミちゃんは、このケーキが普通のケーキではない事を知っていましたもの…。
なぜこのケーキが普通じゃないのかって?
その理由を教えてさしあげますわ。
私、甘い物が大好きですの。
ケーキだけじゃなくて和菓子も大好きですのよ?
ご存じなかったでしょう?
そんなわたくしが愛してやまないお店がありますの。
そう。そのお店が青葉シティロード商店街にある洋菓子店「ハーゼル・アオバ」。
このお店のご主人はお若いのにすごい職人さんですのよ?
どのケーキも素晴らしくおいしいんですの。
青葉島中のケーキを全て食べ尽くした私が言うのですもの。
間違いありませんわ。
私、ハーゼル・アオバさんのケーキの中でも「オペラ」というケーキが大好きですの。
皆様はオペラをご存じかしら?
オペラ。
それはかの有名なオペラ座を模して、フランスで作られたケーキですの。
四角くてコーヒー味のスポンジがいくつもの層に重なっていて、チョコレートでコーティングされた上に金箔が乗ったケーキ。
それがオペラですの。
まさに神様が人類にもたらしてくれた「神の作りし食べ物」ですわ。
私はオペラを初めて食しまして、感動のあまり1ヶ月も食べ続けましたのよ。
「リンも好きねぇ…。好きもここまで来ると、感心しちゃうわ。」
そう言って隣にいたマミちゃんは、あきれておられましたけれど…。
でも私。
一つだけオペラに対して、大いなる不満がありますの。
オペラはとても小さいのですわ…。
2口もあれば食べきれてしまいますの…。
私はハーゼルアオバの店主さんに、オペラが小さい理由をお伺いしましたわ。
理由は二つありましたわ。
一つはオペラを作るのには、大変な手間と時間がかかるそうなのですの。
何しろ7層もあるわけですから納得出来ますわね。
他にもたくさんケーキを作るのですから、一日に一回しか焼けないそうですの。
もう一つは材料費がかかるそうなのですわ。
そうなると価格を抑えるために、どうしても1個の大きさが小さくなりますわね。
それも仕方がありませんわ。
私は店主さんからお話をお伺いした後、思わずこう言ってしまいましたの。
「大きなオペラも食べてみたいな…。」
店主さんは大笑いなさいましたわ。
マミちゃんは大変あきれておられましたけど…。
「よしわかった!リンちゃんはうちの大事なお得意様だ!値段は張るが、それでも良ければ今度は切らずに丸々売ってあげよう!」
店主さんがそう言った瞬間
「買います!買わせてください!」
私はすぐに返事をしましたわ。
マミちゃんは大変あきれておられましたが…。
こうして私は夢を叶える事が出来ましたの。
私はうれしくてうれしくてたまりませんでしたわ。
天にも昇る気持ちとはこういう事をいうのですね。
そして日曜日の今朝、ハーゼルアオバの開店と同時にマミちゃんと一緒にお店に行って、カットされていないオペラを購入いたしましたの。
サイン色紙よりも大きなオペラを見て、私の瞳はキラキラと輝いておりましたわ。
だってオペラが眩しく輝いておりましたもの。
その輝きが私の瞳に反射して、輝いていたに違いありませんわ。
大きなオペラを見てマミちゃんも驚いておりましたのよ?
その日のマジカル当番は、女神様とマナミンでしたわ。
朝食の時、サトミンが今日は朝から格納庫に行くとおっしゃったの。
そうしたらプリティちゃんも格納庫に行きたいとおっしゃったので、4人でドローンに乗って格納庫に向かわれましたわ。
オペラを買って乙女座に戻った後、私はマミちゃんにこう言いましたの。
「ねぇマミちゃん。今日は格納庫で練習をして、みんなでおやつにオペラを食べない?」
「え?あたしはいいけど、リンはそれでいいの?」
「全然いいよ。みんなで食べた方がおいしいからね。」
「せっかく夢が叶ったのに?」
「いくら私でも、さすがにこれだけの量は食べられないよ~、」
私はそう言いましたが、マミちゃんはそう言ってじとーっとした目で、私を見ておりましたわ。
もちろん私一人で食べきる事は可能ですわ。
余裕しゃくしゃくですわ。
でも私のモットーは「おいしいものは、みんなで分けあって食べる。」ですの。
おいしい物の独り占めは、悲劇しか生み出しませんもの。
私とマミちゃんはお昼からオペラを持って、格納庫に向かいましたの。
格納庫にはサトミンがいましたわ。
サトミンは格納庫の中でスパナを持って、何かの機械をバラバラにしていましたの。
サトミンにお話を伺いますと、女神様とマナミンは控室で待機中で、プリティちゃんはプリティのコクピットにいると、おっしゃいましたの。
私はサトミンに言いましたの。
「差し入れを持ってきたから、後でみんなで食べましょ。」
「差し入れ?あ!ハーゼルのケーキだ!ありがとうリンちゃん!楽しみだなぁ。」
サトミンはケーキの箱を見ながら、嬉しそうにそう言いましたわ。
私はご機嫌MAXでマミちゃんと一緒に控室に入りましたの。
「あら?リンちゃんとマミちゃん。今日はここで練習するのかしら?」
マナミンとお話をしておられた女神様が、私の顔を見てそうおっしゃられましたの。
「はい。差し入れも持ってきました。後でみんなで食べませんか?」
「あらリンちゃん、マミちゃん。差し入れ?ハーゼルのケーキじゃない。ありがとう~!」
マナミンも喜んでくれましたわ。
私とマミちゃんは、冷蔵庫にケーキを入れてから、マジカルのコクピットに乗り込みましたの。
私とマミちゃんが練習をしていると、出動要請がかかりましたの。
女神様とマナミンは、すぐに出動しましたわ。
それから私とマミちゃんが練習をしていると、女神様とマナミンが格納庫に戻ってこられましたの。
私が時計を見ると時間は2:50。
おやつにはちょうどよい時間でしょう?
「マミちゃん。時間もいいし休憩しない?」
「そうね。休憩にしましょうか。」
私とマミちゃんはそう話あって、マジカルから降りましたの。
「私はお茶の用意をしてくるね。」
「それじゃああたしは、プリティとサトミンに声をかけてくるわ。」
マミちゃんがそう言うと、私は一人で控室に向かいましたの。
私は控室に入るとキッチンに向かい、電気ケトルに水を入れてからスイッチを入れましたわ。
せっかくのオペラですもの。
紅茶くらいは淹れたてが飲みたいですもの。
そうして私が冷蔵庫を開けた事で、この事件が発覚いたしましたの。
後に伝説として語られることになる「オペラ殺人事件」が…。
【次回予告】
ついに起こってしまった悲しい事件!
わたしのオペラを食べたのは誰だ!
怒りに燃える、名探偵 神楽坂倫子の鋭い勘が冴えわたる!
果たして犯人は誰なのか!
そして、物語は後編に続くのか、それとも中編に続くのか?
それは作者もわからない!
まだ書いてないからね!
次回!
「オペラ殺人事件 中編か後編」
どちらかにに続く!




