第三章 14話 「作戦」
14話です。
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マジカルレッドは時折地面にボールをつきながら商店街へと向かっていく。
マユタン 「全員揃ったらリンリンちゃんはマミタンを、プリティちゃんはサトミンをマークしてくれるかな?ボールを取られそうになったら、どんどんパスを回していこうね。」
プリティ 「了解なのだ。」
リンリン 「はい!」
プリティとリンリンは商店街を目指しつつ答えた。
「リンリンちゃん。」
マユタンがリンリンに声をかけた。
「はい。」
「無理はしなくていいからね。」
「わかりました。足を引っ張らないように、自分なりに頑張ります!」
倫子はそう言って、操縦桿を握った。
マジカルレッドの後からマジカルブルーが追いかけて来ているが、マジカルブルーはマジカルレッドに仕掛けては来ない。
メンバーが全員揃ってから動くつもりなのだろう。
『やっぱりマユタンは商店街を目指しているわね…。だとすると…。』
マナミンは頭をフル回転させながら商店街を目指す。
「マンツーマンで行きましょう。ボールを取ったらパスで回していくわよ。」
マナミンはそう言ったが、マユタンとマナミンの戦略は今回の場合正解である。
マジカルボールにはいくつかのモードがあり、モードによっては銃火器の使用が可能で、当然相手への攻撃も許されるし、さらに違うモードだとバトルロワイヤルになり相手に破壊されればそこで終わり。
ボールを持っているか、最後まで生き残ったメンバーがいるチームの勝利となる。
今回のモードは相手への攻撃はなしで武器の携帯は不可。
建物を壊しても相手にぶつかってもペナルティはないが、ゲームの決着が着かなかった場合は、採点の対象にすることも出来る。
奪い合う物もボールだけではなく、他にもいろいろな物を選べる仕様になっている。
マジカルのシミュレーターに入っている『ゲーム』は、モードと設定を変更するだけで、スポーツからサバイバルゲームまで変化するまさにTVゲームだ。
「待て待て待て~!」
サトミンがそう言いながら、中央通りを進むマジカルピンクを追いかけてきた。
かなりのスピードなので正直怖い。
『はっや!サトミンがもう来た!』
焦るリンリン。
追うサトミン。
「わきゃあ!」
何もない道路で、一人焦って勝手こけるリンリン。
颯爽とマジカルピンクを抜き去るサトミン。
『やってもうた~。』
「リンリンちゃんどうしたの?」
マユタンから通信が入った。
「すいませぇん。こけちゃいましたぁ~。」
リンリンは情けない声を出した。
「大丈夫?起きられる?」
マユタンは心配そうにいった。
「リンリン大丈夫なのか?」
プリティもそう言ったが、もちろん心配そうな口ぶりには聞こえない。
「大丈夫でぇす。」
リンリンは、ピンクの機体を起こしながら答えた。
「焦らないでいいからゆっくり来てね。」
マユタンはやさしく言った。
「はい!」
リンリンはそう答えながら思い切りバーニアを噴かせる。
リンリン。
人の話は聞きなさい。
それにしても、何もない所でこけるとは随分と器用だな。
「マジカルレッドが見えたのだ。合流するのだ。」
プリティの声がする。
「プリティちゃん、ちょっと待ってくれる?こんなのはどうかな?リンリンちゃんもよく聞いてね。あのね…。」
チームレッドは何やら作戦会議を始めたようだ。
「マユタンはっけーん!」
サトミンは嬉しそうに言った。
マジカルレッドは1機だけで交差点の真ん中に立ち、ポンポンとボールをついている。
「ちょっと待ってサトミン!全員揃ってから陣形を組んで…。」
マナミンは慌ててそう言ったが、すでにマジカルグリーンは、マジカルレッドに向かって突っ込んでいた。
「ボールいただき!」
マジカルグリーンは素早い動きでボールを取りにいったが、マジカルレッドはドリブルをしつつ、軽い身のこなしでマジカルグリーンの攻撃を避けた。
「さすがはマユタン。そう簡単にはいかないか~。」
サトミンはマジカルレッドのボールを狙いつつ、楽しそうに言った。
「一人じゃ無理よサトミン!」
マナミンがそう言うとマミタンが言った。
「マユタンは中学生の時、バスケ部のキャプテンよ!」
「え!そうなの!どうりでボール捌きが違うわけだよ~。」
サトミンは驚いた。
「追いついたわ!サトミン!二人で捕りにいくわよ!」
マミタンはそう言うと、マジカルグリーンの反対側にまわりマジカルレッドを挟み込んだ。
「あらあらまぁまぁ。」
マナミンはそう言うとため息を一つついた。
「うん!」
サトミンが元気よく返事をすると、マジカルグリーンとブルーが同時にマジカルレッドに襲いかかった。
マジカルレッドは前から迫り来るマジカルグリーンに向かって、ドリブルをしながら走り出した。
「いっくよー!」
マジカルグリーンは、機体を左右に激しく振りながらフェイントをかましつつ、マジカルレッドからボールを奪うタイミングを計る。
マジカルレッドは慣れた手つきでドリブルをしながら、マジカルグリーンを抜きにかかるふりをして、突然クルリと体を反転させるとマジカルグリーンに背中を見せた。
マジカルグリーンはマジカルレッドからボールを奪うべく右へ左へとステップをきるが、マジカルレッドはマジカルグリーンに背中を向けながらドリブルを続ける。
マジカルグリーンは何度もマジカルレッドの横につこうとするが、マジカルレッドがそれを許さない。
「今がチャンスね!」
マジカルブルーはそう言うと、マジカルレッドの正面から襲いかかってボールを奪おうとした。
前方から襲い来るマジカルブルーを確認したマジカルレッドは、両手でボールを持って自分の股下より後ろ。
いや、後ろにいるマジカルグリーンのさらに後ろの地面を目がけて、思い切りボールを叩きつけた。
マミタン 「え?」
サトミン 「え?」
マジカルレッドの予想外の行動に驚いたマミタンとサトミンは、同時に声をあげた。
地面に叩きつけられたボールは、大きくバウンドすると高く跳ね上がり、中央通りを北の方へと飛んでいく。
マジカルブルーとグリーンが慌ててボールの行方を目で追うが、ボールは北に向かって宙高く飛んでいる。
マジカルブルーとグリーンがボールを追いかけようとしたその時。
通りの右側の道からマジカルが飛び出して来たかと思うと、バーニアを噴かせて空中に飛びあがり、しっかりとボールをキャッチした。
マミタン 「リン!」
サトミン 「リンリン!いつのまに!」
マミタンとサトミンは叫んだ。
マジカルブルーとグリーンの視線の先に見えたのは、ボールを手に、今まさに通りの真ん中に着地しようとするマジカルピンクだったのだ。
マジカルボールというより、バスケットボールになってきました。
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