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第三章   9話 「Gimmick」

第三章 9話です。


今回は説明が多くて読みにくいかもしれませんが、結構大事な話です。



いつも読んでくれてありがとうございます。


 m(_ _)m

倫子と真美がリビングで話していると、未祐がやって来た。

「お疲れさまなのだ。」

未祐はそう言ってソファーに腰掛けた。

「あ、ミユ。め組の事なんだけどさ…。」

真美が未祐に話かけたとたん

「め組…。」

未祐は露骨に顔を歪めた。

その表情に驚いた倫子と真美は、ソファーに座りながら思いっ切り後ろにのけ反った。

動きがシンクロしていて面白い。

「どうしたのミユ?」

真美は心配そうに声をかけた。

「ボサボサノッポなのだ…。」

未祐は小さな声で言った。

真美 「え?」

倫子 「え?」

倫子と真美は再びシンクロした。


ノッポ(あいつ)に何かされたの?ぶん殴ってこようか?」

真美は真剣な顔で、おっかない台詞を口にした。

「違うのだ。あの人は熱狂的なプリティの信者なのだ。」

未祐は困ったふうに言った。

真美 「え?」

倫子 「え?」

倫子と真美は三度(みたび)シンクロした。

どうやら女神教の他にもプリティ教があるようだ。

 


真美 「ねぇミユ。それはどういう事?」

未祐 「あの人はずっとプリティを拝んでるのだ。」

真美 「はぁ?」

倫子 「はぁ?」

倫子と真美は台詞が変わっているにも関わらず、四度目のシンクロを華麗に決めた。

これはかなりの高得点が期待出来そうである。

未祐 「め組の他のメンバーが応援してくれている間中、あの人はずっとプリティを拝んでるのだ…。」

真美 「うそ!」

倫子 「うそ!」

倫子と真美は、五度目のシンクロをクールに決めた。優勝はもらった!



「初めて見た時はびっくりしたのだ…。」

未祐は淡々と語った。

『拝むって何?神様仏様やあるまいし…。』

「やっぱりぶん殴ってくるわ。」

真美はそう言ってソファーから立ち上がった。

「いやいやいや。」

倫子が慌てて真美の袖を引っ張る。

「座ろう。とりあえず座ろう。」

倫子が真美をなだめると、真美はソファーに座りなおした。

「信者なのはいいのだ。理由がわからないのが怖いのだ。」

未祐は不安そうに言った。

『訳もわからんまま拝まれたら、誰かて怖いわなぁ…。』

「締め上げて吐かせようか?」

ワァ~オ!

今日の真美はかなりバイオレンスだね!

どうした真美?何かあったのか?


「いやいやいや。シルキーちゃんじゃないんだし。相手は熱血屋(おみせ)の常連さんだし。」

「それもそうね。」

真美はけろっとした顔で言った。

「ミユちゃん。今度私がそれとなく聞いてみるよ。」

倫子がそう言うと未祐が言った。

未祐 「そうしてくれると助かるのだ。」

真美 「でもノッポ(あれ)は無口よ?」

「そう言えばそうだったね…。」

倫子は真美に言われて思い出した。


 

確かにノッポの声など聞いた覚えがない。

注文を聞いても、無言でメニューの特製すたみな丼を指さすだけだ。

未祐の顔に不安の影が走った。

「だ、大丈夫!頑張ってみるよ!」

倫子はそう答えるので精一杯であった。



「応援してくれているのは嬉しいのだ。拝まれるのも構わないのだ。でも理由が知りたいのだ。」

未祐は至極真っ当な事を言った。

「ノッポがプリティのファンなのは知っていたけど、拝まれているとは思わなかったなぁ。」

真美がそう言うと、倫子が真美に尋ねた。

倫子 「今まで気付かなかったの?」

未祐 「プリティはブルーとあまりペアにならないから知らなくても当然。サトミンは知ってる。びっくりしてた。」

真美 「め組の応援は中継されないのよね~。」

倫子 「なんで?」

真美 「悪影響を与えるからね。」

未祐 「教育上の問題なのだ。」

真美と未祐はそう言ったが倫子は意味がわからない。


真美 「め組の応援を見て真似する人が出てきたら困るでしょ?」

未祐 「現場に親衛隊がたくさん来るとやりにくいのだ。」

なるほど。

確かに2人の言うとおりだ。

現場に親衛隊が集まるのはさすがに遠慮してもらいたいし、安全面を考えても集まるべきではないだろう。

倫子 「そうだよねぇ。心配しちゃうもんねぇ。」

真美 「あたしは心配してないけどね。」

未祐 「私もなのだ。」

『身も蓋もないなぁ…。』

倫子はそう思ったと当時に、ある疑問が湧いた。



倫子 「話は変わるんだけど、ロボットが暴れても警察は何もしないの?ロボット持ってないの?」

真美 「うーん。現行の規格でいえば持ってるわよ。パワードスーツってやつなら。」

「どういう意味?」

倫子は首を傾げる。

真美 「簡単に言うと、ロボットの線引きが明確には出来てないのよね~。だから警察もちゃんと動けないのよ。」

未祐 「前にも言ったけど、マジカルもロボットならおもちゃのロボットもロボットなのだ。それの延長線上の話なのだ。」

真美 「わかりやすく言うとね。人間とサルって別の生き物よね?」

倫子 「うん。」

真美 「確かに人間とサルは別の生き物だけど、同じ霊長類でしょ?霊長類でまとめると人間もサルも一緒になるよね?」

未祐 「もっと正確に言うと人はサル目ヒト科なのだ。」

倫子 「確かにそうなるね。」

真美 「ロボットって言ってもいろいろあるじゃない?アンドロイドだとかサイボーグだとか、サイズや機能によって細かく呼び名が変わるでしょ?」

倫子 「ふんふん。」

真美 「アニメに出てくるロボットにしてもなんたらスーツだの、ホニャララマシーンだのあるじゃない?」

「それはよくわかりません!」

倫子は元気よく言った。

残念だが倫子はロボットアニメなど見た事がない。


真美 「ワーカーは作業用のロボットの総称だし、ガーディアンは警備用のロボットの総称でしょ?便宜上そう呼ばれているけど、ちゃんとした定義はないの。用途や仕様によって、細分化されたロボットに定義付けをするのは難しいのよ。」

倫子 「そうなんだ…。」

真美 「法的にも定義付けをしないとまずいんだけど、それがなかなか進んでないのよ。だから今はまだ、無法状態な部分も多いの。」

倫子 「そうなんだね。」

「法整備が整っていないから警察も動けないのだ。特にロボットに暴れられると、賠償問題が発生するから難しいのだ。」

未祐は淡々と話した。



真美 「そこで出てくるのが『青葉島特別行政法』なの。自衛権の行使が許されているから、ガーディアンが出動出来るのよ。」

未祐 「ガーディアンに出来るのは、暴れるロボットを抑えてバラバラにすることだけなのだ。資格がいるかから組み立てる事も出来ないのだ。あとの事務処理と現場の処理は警察が全部やるのだ。」

倫子 「じゃあ、ゾンビさん達はなぜいるの?」

真美 「他の乗り物とは違って、ロボットの所有者は盗まれたりしたら責任を取らなきゃならないのよ。」

倫子 「責任?」

真美 「盗まれたロボットが賠償問題を起こしたら、その賠償金の何割かを払わなきゃいけなくなるのよ。」

倫子 「え!泣きっ面に蜂じゃない!」

「でしょ?だから抜け道があるのよ。」

真美はニヤリと笑う。

「抜け道?」

倫子は不思議そうだ。



真美 「警察に盗難届を出すと同時に、ロボットの所有権を青葉市に譲渡するの。」

「へ?」

倫子は唖然とした顔で言った。

真美 「要するに賠償責任を盗んだ泥棒に一任させるの。先に所有権を青葉市に移行させてから、青葉市が被害届を出して盗難事件として処理するの。これで所有者は無罪放免。」

倫子 「そうか~。でも損してるじゃない。」

真美 「とんでもない賠償金を支払うくらいなら、その方がマシでしょ?」

未祐 「でも青葉市にはロボットを置く場所もなければ、ロボットの処理にはお金も時間も労力もかかるのだ。」

倫子 「そうなるよね。」

未祐 「だから青葉市は法的に動きにくい警察ではなくて、ガーディアンにロボットの押収を依頼するのだ。それでガーディアンがロボットを止めるのだ。」


真美 「そこでゾンビさん達登場。ロボットが止まった時点で、青葉市がゾンビさん達の会社にロボットを買い取ってもらって、ゾンビさんの会社はロボットをバラバラにして機械屋や解体屋に売りにいくの。青葉市はお金が入る。ゾンビさん達は儲かる。ウィンウィン。」

「ゾンビさん達って会社員だったの!」

倫子はびっくりした。


「会社員じゃなくてアルバイトみたいなものだけどね。ちなみにこれは市長が考えたアイデアなのよ。」

真美がそう言うと倫子は再び感心した。

倫子 「市長さん凄いね~。でも犯罪の証拠品をバラバラにしてもいいのかな?」

未祐 「ロボット犯罪の基本は現行犯なのだ。犯行現場はドローンで撮影してるから証拠になるのだ。ロボットからパイロットの指紋をとる必要はないし、指紋が残っていない事も多いのだ。」

倫子 「そうか~。でもなんで車や乗用ドローンで逃げないんだろう?」

真美 「どっちもすぐに捕まるからね。そっちの対策は完璧なのよ。検挙率100%よ?そもそもここは島だからね。警察が動きにくい分、車よりロボットで市街地を抜ける方が、逃げられる確率が高いの。」

倫子 「そんな使われ方をするロボットが可愛そうだよね。『ロボット3原則』みたいなのがないのかな?」

「ロボット3原則?そんなの役に立たないし使えないわよ?」

真美はあっさりと言った。

「え!」

倫子は大きな声を出して驚いた。

わかりにくはなかったでしょうか?

心配です。

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