第三章 第8話 「疑問」
第三章 8話です。
またまた変人達の登場です。
いつも読んでくれてありがとうございます。
m(_ _)m
「やはりこの動きは引っかかるな…。」
大臣は大きなモニターを見ながら呟いた。
「ですね…。」
変形バカも同じように呟いた。
「この道化師。いくら腕がでかいとはいえ、機体のバランスがおかしいな。いかにも急ごしらえって動きだ…。」
スパロボバカも呟いた。
3人が見ているのは、マジカルブルーと道化師のようなロボットの戦闘シーンだ。
「特に胸のブレ方が異常ですね。単純に機体の設計なのかな?」
変形バカは、道化師がマジカルブルーに突っ込んでいくシーンを見ながら言った。
確かに道化師の胸の装甲の揺れが激しいように見える。
パイロットが酔ってしまうのではないかと思うほど上下に激しく、しかも小刻みに揺れている。
「ん?ちょっと待て。道化師、わざと胸の装甲を揺らして、本体にかかる揺れを逃がしてるんじゃないか?」
大臣がそう言うと、スパロボバカが言った。
「なるほど。たしかにそれなら、多少は揺れの力を逃がせるわな。大した効果は期待出来ねぇだろうが。」
「スプリングかガイドレールで、本体と胸の外装を繋いでいる可能性が高いですね。道化師の胸の外装はまっすぐ上下に揺れていますから、スプリングではなく、ガイドレールが走っているでしょう。最低でも4本。」
大臣 「多分そうだろう。しかしそれだと…。」
スパロボバカ 「当然、外装が薄くなるわな…。」
変形バカ 「装甲を薄くしてでも、揺れを逃がす理由としてはやはり、パイロットの乗り心地でしょうね。」
スパロボバカ 「よっぽど揺れがひどかったんじゃねぇか?バランサーも大したことないだろうしな。ワーカー程度のバランサーなら、これだけ揺れたら地獄だぜ。」
大臣 「しかしそれなら、スパロボバカの言う、急ごしらえな感じを受ける理由はわかるよな?」
変形バカ「それって道化師はテスト機体ってことですよね。」
スパロボバカ 「そうなるわな。」
「問題はマジカルを相手に、テストをする理由だな…。」
大臣の顔つきが真剣なものになった。
変形バカ 「テスト以前に性能差は明らかですからね。見ただけでそれに気付かない機械屋だとしたら、機械屋失格ですよ。」
スパロボバカ 「となるとテストというより、マジカルの性能を調べるのが目的か?こんなスペックのロボットで試してくるとは、マジカルも舐められたもんだぜ。」
大臣 「いや、両方だろう。」
変形バカ 「テストとデータ収集が目的なんでしょうね。」
「つーことはあれか?奴らがいよいよ腰をあげたって事か?」
スパロボバカはニヤリと笑った。
大臣 「奴らとは限らんだろう。別口かも知れんぞ?」
変形バカ 「何しろ敵が多すぎます。決め撃ちする必要もありませんから、当面は今のままで進めていくべきでしょうね。」
スパロボバカ 「まぁな。こっちも8年寝てたわけじゃねぇからな。」
大臣「変形バカが自衛隊に流した、可変機のほうも順調なんだろう?」
「あの落書きな。」
スパロボバカはそう言って笑う。
「詳しいデータは知りませんが、小松崎ならそこそこのものは作ったでしょうね。ま、私が直接絡んでいたら、もっと良いものを作りましたけどね。それにしてもあのデザインは美しくない。」
変形バカは機嫌が悪いようだ。
スパロボバカ 「現行のエンジンとモーターを使うとなりゃ、あれが限界だぜ?値段の割にはいい仕事をすると思うがな。それに初の可変機だ。訓練するのも一苦労だぜ?現行の操縦システムならなおさらだ。」
大臣 「ルージュやノワールと同じにはならんよ。あの2機は特別だ。」
「大っぴらに出来ねぇのがつらいとこだよなぁ。」
スパロボバカは頭を掻いた。
「仕方ないだろう。あれはさすがにやり過ぎた。」
大臣はそう言って首を横に振った。
「確かにあれはまずかったですよ…。」
変形バカも沈んだ声で言った。
「あれの詫びも込めて、小松崎に可変機の図面を流したんだろ?それでチャラにして欲しいところだが、そうはイカのなんたらだわなぁ。あのバカのせいで、えらい事になっちまったよなぁ…。」
スパロボバカも何やら気まずそうだ。
一体、何があったのだろう?
大臣 「話を戻すぞ。どちらにしろ近いうちに道化師はまたくるだろうな。」
スパロボバカ 「今度は玉乗りしながら来るんじゃねぇだろうな?」
「ジャグリングかも知れませんよ?」
スパロボバカと変形バカはそう言って笑いあう。意外と仲良しかも知れない。
大臣 「どっちにしろ、次の出方で狙いは絞り込めるだろう。」
スパロボバカ 「ま、どう出てこようが知ったこっちゃねえ。おい変形バカ。ブルーとプリティとリンリンの準備は出来た。明後日にはお着替えが終わるぜ。」
変形バカ 「そうですか。みんなびっくりするでしょうね。特にあの子は大喜びするでしょう。スパロボバカ。」
「なんの話だ?」
大臣は不機嫌そうに言った。
「マジカルの新しい装備だ。まずはこれを見ろよ。」
スパロボバカはそう言ってモニターの画面を切り替えた。
スパロボバカ 「こいつをブルーに着せる。なかなかだろ?」
「ほぅ。優雅でいかにもブルーっぽい装備だな。」
大臣はモニターを凝視しながら言った。
スパロボバカ 「こいつはレッドとイエローの分も用意した。で、リンリンはこれだ。」
モニターの画面が切り替わった瞬間
「おぉ!これもいいな。」
大臣は感嘆の声をあげた。
スパロボバカ 「次がとっておきだぜ?プリティの装備だ。」
「ワハハハハ!なんだこれは!」
プリティの装備がモニターに映った瞬間、大臣は大笑いし始めた。
「プリティの格闘用の装備ですよ。シリーズ化も考えています。」
変形バカは自慢げに言った。
「確かに格闘用だな。それにしても奇抜なデザインじゃないか。で、グリーンはどうするんだ?」
大臣がバカ2人に尋ねた。
スパロボバカ 「こっちはまだ出来てねぇんだがプランは立ち上げた。変形バカと2人で考え中だが2つある。まずはこれだ。」
大臣 「これはサトミンが喜びそうだな。」
スパロボバカ 「こいつはリンリンの分も作る。で、最後はこれだ。」
「これは…。」
モニターを見ながら大臣は絶句した。
スパロボバカ 「こいつはプリティとグリーン用だ。」
「なるほどなぁ…。つーかお前ら、心底楽しんでるよな!」
大臣は急にスネだした。
「拗ねるな大臣。なんかいいアイデアはねぇか?こうなったら何でもありだぜ?」
スパロボバカは大臣に向かってニヤリと笑った。
「任せろ。アイデアなら売るほどある。」
大臣もニヤリと笑う。
「面白くなってきましたねぇ…。」
変形バカもそう言ってニヤリと笑った。
きっと狂科学者はこんな風に笑うのだろう。
そう思わせるような、不気味な笑いであった。
この3人は制御出来ません。
やりたい放題です。




