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第二章 10話 「どうしよう?」

第二章 10話です。


話は楽しんで貰えているでしょうか?


心配です。



いつも読んでくれてありがとうございます。


 m(_ _)m

「どうしたのリン?昨日は眠れなかった?」

真美は朝食のジャーマンオムレツを口元に運びながら倫子に尋ねた。

「ちょっと夜更かししちゃってね。」

倫子は眠そうな顔で答えた。

昨日真美から映像データをもらった倫子は、映像データを見ながら戦い方を考えていた。

おかげで戦い方の見当はついたのだが、そこで新たな問題が発覚したのである。

今の倫子では明らかに実力が足りないのだ。



倫子も今のマジカルのスピードなら、軍用ロボットの攻撃をなんとか避ける事は出来る。

しかしそれはマジカルの性能のおかげであって、倫子の実力ではない。

今の倫子にマジカルの性能を引き出す事は無理なのだ。

映像データを見ていてわかったのだが、他のみんなはマジカルの性能を熟知した上で、自分に合った立ち回りをしている。

もちろんこれまでの経験(キャリア)も大きいだろうが。



例えばマユタンは、相手の攻撃をギリギリまで引きつけた上でサーベル攻撃をするのだが、その動きは流れるようであり一切の無駄がない。

倫子も同じ戦法を理想と捉えていたが、今の倫子にはとてもではないが無理な話だ。


マナミンもサーベルで同じような戦い方をするが、マナミンの動作は少し芝居がかっていてそこがマユタンとは違う。

わざと芝居を打っているとしたら、それはそれで高等技術だ。


マミタンの動きは一見、大雑把に見えるがそうではない。

ロボットに対して大胆に斬り込むが、肝心なところではマジカルを巧みに使いこなし、驚くほど繊細な動きをやってのけるし度胸もある。


サトミンに関しては同時にいくつもの動作を行っているらしく、マジカルの動き自体が複雑だ。

薙刀を巧みに使いこなし、離れたところから攻撃を仕掛けるが、これを自分で実際にやってみると恐ろしく難しい。


プリティの戦闘スタイルは「蝶のように舞い蜂のように刺す」である。

身軽さを活かしてオーバーアクションで間合いを詰めてから、ステッキでビビビとやる。

今の倫子にはバク転すら出来ないので無理だ。



結局マジカルの戦い方はバイロイトと武器によって戦い方が大きく変わってくるのだが、飛び道具がない以上は当然だろう。

倫子は小太刀に覚えがあるが、小太刀だとかなり接近しないと使えないので、操縦の熟練者ならまだしもマジカル初心者の倫子には難易度が高すぎるのだ。

『小太刀でよかったんやろか?刀の方がええんちゃうかな?』

倫子は、映像データを見ながらそんな事を考えているうちに、いつの間にか眠ってしまっていた。


 


「講義中に寝ちゃだめよ。」

真美はテーブルの上のパンに手を伸ばしながら言った。

「大丈夫。ねぇマミちゃん。武器って変えてもいいのかな?」

「いいと思うわよ。」

真美は手にしたパンをちぎりながら答えた。

「何がいいのだ?ヒゲに言っておくのだ。」

未祐は紅茶を飲みながら言った。

「刀…。」

倫子はぽつりと呟いた。

少しぼんやりとしているようだ。

「わかったのだ。」

未祐はそう言うと、サラダをむしゃむしゃと食べだした。

 



倫子は大学が終わると、真美と一緒にシミュレーター部屋に篭もった。

戦い方の方向性はなんとか目処がついたので、あとは武器の選定である。

サーベル。薙刀。ステッキ。槍。斧。ダガー。

あらゆる武器で検証した結果、サーベルが一番使い易いという結果が出たのだ。


「いけそう?」

真美が心配そうに尋ねてきた。

「うん。サーベルが一番扱いやすいね。次がダガーだね。薙刀と槍は1on1だと扱いにくいなぁ。サトミンは凄いね~。」

「そうね。ダガーや薙刀だと間合いが難しいからね。サーベルが無難かな。」

「うん。サーベルは剣の基本でもあるしね。サーベルで練習してみるよ。」

「あたしと模擬戦やろっか。そっちの方が練習になるでしょ?」

「お願い出来るかな?遠慮なくやってね。」

「もちろん。」

真美はそう言って笑うと、シミュレーターに座った。




「完敗だぁ!」

倫子は湯船に浸かりながらそう叫ぶと、思い切り両手を上げた。

「ふっふ~ん!そう簡単に負けてなるものですか。」

真美は目を閉じたまま自慢げに言った。

あの後、倫子は真美と模擬戦をやったのだが、10回以上やって一度も勝てなかった。

勝ち負け以前に相手にもされなかったのだ。

清々しいほどの完敗だ。



「負けて当然だけなんだけど、負け方ってあるよね~。」

倫子は仏頂面になった。

「まぁまぁ。シミュレーターの方は問題ないんだし、まだまだこれからよ。」

「それはわかってるんだけどねぇ~。悔しくはないけど情けないよねぇ~。」

「仕方ないわ。経験(キャリア)が違うんだもの経験(キャリア)が。」

「センスなんて持ってないのはわかってるんだけどね。やっぱり練習しかないよね。」

「そういうことね。あたしも教育係としてちゃーんと付き合うからさ。頑張っていきましょう。」

「ありがとうねマミちゃん。いくら勢いでマジカルをやるって言ったからって、やる以上は頑張らないとね。」

「そ、そうね!」

真美の顔は少し引きつっている。

『勢いで言った自覚はあるんだ…。』



「そういえばマミちゃん。」

「なに?」

「マミちゃんは私のアパートが壊されるとこを、そばで見てたんだよねぇ…。」

倫子は今まで見たことも無い顔と声で真美に言った。

明らかにいつもの倫子ではない。

「えーっと…。」

真美は慌てて倫子から視線を逸らした。

「いやーんって言いながら、ひらりと身を躱したあの動き。実に見事だったねぇ~。」

「つい反射的に…。ね?」

真美は怖くて倫子の目が見れない。

「どーりで真奈美さんが私を見て大笑いしてたわけだぁ。今さらながらに納得だよ…。」

「あ、あのねリン!話を聞いて?冷静にね?冷静に。」

真美は慌てだした。


「なーんてね!」

倫子は笑顔で言った。

「へ?」

真美はあっけにとられた。

「私、マミちゃんに出会えて良かった。おかしな(えにし)だけど、アパートが壊されて桜子さんに出会って、こうしてマミちゃんと知り合えた。マミちゃんがアパートを守れていたら、きっとこんな風にはならなかったんだよ?マジカルに乗るとは夢にも思って無かったけどね。」

倫子は嬉しそうに言った。



「リン…。」

「アパートも壊されてみるもんだねって、お母さんとも話してたんだよ。大家のおばあちゃんには悪いけど。」

「ちょっと言いにくいんだけどさ…。あのアパートの大家のおばあちゃん…。アパートが壊されて大喜びしてたわよ?」

真美はあっさりと凄い事を言った。

「えぇー!」

今度は倫子が驚いた。

「壊されたアパートは新しく建て替えてもらえるし、お見舞い金も入るって大はしゃぎしてたわ。たしか今頃はハワイでバカンスよ。」

倫子と真美は互いに見つめあった。

「あはははははは!」

「あはははははは!」

二人は同時に笑い出した。



「なーんだ。誰も悲しまなくて済んだんだ。よかった。」

倫子はそう言って笑った。

「そう言えば岡田屋さんはどうなったんだろ?あそこのみたらし団子は絶品なのよねぇ。」

真美が心配そうに言ったが、将太おじちゃんが心配なのか、みたらし団子が食べられなくなるのが心配なのかはわからない。

「あ!将太おじちゃんの事を忘れてた!」

「え?知り合いなの?」

「うん。将太おじちゃんは昔、実家(うち)で修行してたの。お店はいいけどタレが心配。」

「タレ?」

「タレさえあればお店はなんとかなるの。もしお店が火事になっても、真っ先にタレを持って逃げるからね。」

「そうなんだ。うなぎ屋さんみたいね。」

「うん。ちゃんとタレの予備を用意してたらいいんだけど、あの将太おじちゃんだからなぁ…。心配だよ…。」

倫子は心配そうに言った。




ここはある場所にある、ある部屋の中。

暗い部屋の中、3人の男がそれぞれのPCの前に座りなにやらカタカタと指を動かしている。

「なるほど刀か…。なかなか面白いじゃねぇか。」

源さん。

いや、ヒゲはニヤリと笑った。

「刀は意外でしたね。」

僕はそう言いいながら PCをパチパチとやっている。

「丁度いい。サーベルとの違いがわかるだろう。」

私もPCをパチパチやっている。


「刀をぶら下げた魔法使いってのも悪かねぇな。」

ヒゲはモニターに映るデータを見ながら笑った。

「アンバランスですよ。美しくない。」

「うるせー変形バカ。質実剛健だ。」

ヒゲは僕に向かって毒づいた。

「大臣はどう思います?」

変形バカは私に尋ねた。

「本人の希望ならいいんじゃないか?」

大臣はさらりと答えた。



「それより、()()()()()()の方はどうなってんだ?変形バカ。」

「順調ですよスパロボヒゲ。我ながら美しい出来栄えです。ん?やっぱりヒゲよりバカの方がいいな。」

「ならいいや。刀は()()を渡すぜ。大小揃えてな。」

「いいんじゃないか?それよりテヤンデーが楽しみだな。」

大臣はそう言って笑った。

「あぁ。さすがにエンジンと駆動系の方は手が出せなかっただろうが、何を仕込んだのかが楽しみだな。」

スパロボバカは楽しそうだ。


「弟子にはしないんですか?スパロボバカ。」

「まだまだ早ぇえよ。変形バカ。」

「見込みはありそうだがな。」

大臣はニヤリと笑う。

「どっちにしろ一人はダメだ。あと二人欲しい。プリティなんかどうだ?変形バカ。」

「あの娘には無理です。商店街の健斗君なんかどうですか?スパロボバカ。」

変形バカはすぐに答えた。

「あいつはバカだからダメだ。それより変形バカ。()()()だけでも急げねぇか?」

「現時点で4パターン出来てますよ。それじゃ足りませんか?スパロボバカ。」



「じゃあ、こんなんはどうだ?」

スパロボバカはそう言うと、タン!とエンターキーを叩いた。

大臣と変形バカは自分のPCを見つめたが、変形バカがニヤリと笑った。

「面白い。取り急ぎ一着作りましょう。」

「これはなかなか…。」

大臣もニヤリと笑った。

「だろ?やってみる価値はあるぜ?」



「それじゃあ、こういうのもどうだ?」

大臣はニヤリとしながらエンターキーを叩く。

「おぉ!」

「おぉ!」

スパロボバカと変形バカは、画面を見ながら声をあげた。

「これもいいな。」

「プリティに向いてそうですね。」

「だろ?並行でいけるか?」

大臣は自慢げに言った。


「もちろん大丈夫ですよ大臣。リンリンのデビューには間に合わせます。」

「リンリンはいつものでいいだろ。デビュー戦なんだぜ?変形バカ。」

「それもそうですね。それじゃあペットは後回しにしてプリティ優先で。スパロボバカ。」

「楽しみだ。」

「楽しみだな。」

スパロボバカと大臣はそう言って笑った。

何やら変なおっさんが再登場してきました。


一体何者なんでしょうか?


三賢人なら良いのですが、期待出来そうにありませんね。

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