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第一章 番外編3「乙女座の人々『真由と真奈美』」

第一章 番外編3です。


今回は青山真由と、渋谷真奈美です。

倫子は青山あおやま真由まゆの事を「女神さま」だと信じて疑わない。

容姿端麗、料理上手で気立てがよく、言葉遣いも丁寧で全く嫌味がない。

所作に関しては、完璧と言ってもいいくらい雅で美しい。

とにかく全てが完璧なのだ。

そんな真由を女神さま以外の、なんという言葉で形容すればいいのだろうか?

他の言葉があれば教えてもらいたいほどだ。



倫子は事あるごとに真由に教えを乞い、特に洋食に関してはあらゆるノウハウを教わっている最中だ。

言わば「洋食の師匠」のような存在である。

今年24才になる真由は、熱血屋のアルバイト上がりの社員であり、アルバイトの頃はコスプレウェイトレスをしていたが、社員になってからは主に経理を担当している。

それを聞いた倫子は、真由のコスプレ姿が見れなくなったのが非常に残念でならない。



真由がウェイトレスをやっていた頃は熱血屋にファンが押し寄せ、週末にもなると常に満席状態だったという。

熱血屋。いや、青葉シティロード商店街の『伝説のウェイトレス』である。

真由は今でもたまに、コスプレイヤーやモデルとしてTVに出たりなどをしているが、それはTV関係者の常連客からのたっての頼みであり、本人は全然やる気ではなく、断り切れずにやっているような状態だ。


CM契約の話も多く舞い込んできて、芸能事務所からもかなりのお誘いを受けていたのだが、今は個人事務所を起こして仕方なしに月に何本か仕事を受けている程度であり、CMの仕事は一切受けるつもりはない。



真由は乙女座にいる時以外は、常にカラーコンタクトをしている。

その理由は綺麗に見せる為では無く、むしろその逆だ。

真由の「女神の瞳(ヴィーナス・アイ)」が発動するからである。


倫子がそうであったように、真由がカラコンをしていないと男達はみんな真由の瞳に釘付けになり、石像のように動かなくなる。

一方的な一目惚れが毎回起こるのだ。

困った真由は知り合いにボディガードを頼んでいたのだが、さすがにいつまでもお願いしているわけにもいかず、苦肉の策としてカラコンを入れるようになった。


カラコンの効果は絶大で、一目惚れは減ったのだが中には危ない輩(ストーカー)もいる。

そういう不埒な輩は100%ハルさんが撃退してくれるのだが、真由が外出する度にボディガードが付く事が必要となった。

真由はボディガードをなるべく頼まないようにするために、外に出るとき鍔の広い帽子を被り、カラコンにサングラスとマスクをしてから外に出る。

しかも決して一人では外に出ない。

必ず誰かを同伴してである。


倫子は倫子で真由と話す時、真由の目を出来るだけ見ないようにしている。

かなりもったいない気がするが、カラコンを入れていない真由の瞳を見ると吸い込まれるからだ。

とはいえ、さすがに乙女座いえの中までカラコンをしてくれとは死んでも言えない。

美人と言うのも大変である。




渋谷しぶや真奈美まなみは真由と同い年で幼稚園からの幼馴染みだ。

真奈美は倫子にとって尊敬出来る上司であり、理想の女性像の一人である。


真奈美は気立てがよく、優しく包み込んでくれるような雰囲気を持つ丸眼鏡の似合う女性で、いつもニコニコとしている。

きっと怒るということを知らないのだろう。

ピーターパンに出て来るウェンディのママのようだ。


倫子は思う。

真奈美は多分、自分のように心の中でツッコミを入れたりはしないはずだと。

真奈美を見ていると、自分が持つ関西人気質が疎ましいとすら思える。


真奈美も熱血屋のアルバイトあがりの社員だが、今はウェイトレス部門の総括マネージャーをやっている。

シフトや教育、緊急時の対応を全て任されているのだ。

倫子の教育係に真美を指名したのも真奈美である。

真奈美は真由の個人事務所のマネージャーもやっており、スケジュールはもちろんの事、真由の体調管理までやっている。 

なかなかの凄腕マネージャーとの評判だ。



真奈美は真由がいると常に傍から離れない。

それはただの仲の良い友達ではなく、時には恋人同士のようにさえも見える。

今の時代、同性のカップルなど珍しくもないので誰も何も思わないが、そういったカップルから時垣間見えるいやらしさが一切ないのでどちらかの判断がつかない。

どちらであってもなんら問題はない話ではあるが、とにかくベッタリなのは確かだ。

『私もあんな関係が作れたらいいなぁ…。』

倫子は真由と真奈美を見ていてそう思う。



関西人独特の互いにツッコミあう関係も、もちろん悪くない。

今の真美との関係だって全然オッケーだし、むしろウェルカムである。

ただ真美と真奈美の関係を見ていると、互いに互いを気遣い、笑いあいながら繋がっている関係もうらやましいと思う。

『私とマミちゃんは、これからどんな形で付き合っていけるんやろ?』

先の事なんてわからない。

これから先、真美と大喧嘩をするかもわからないし、仲良く手を取り合ってやっていけるかも知れない。


でもどうなるかはわからなくても、真美ちゃんとは真剣に向き合いながら付き合っていきたいなと倫子は強く思う。

出会ってまだ10日も経たない真美にそんな事を思うのはおかしいと思われるかも知れないが、倫子にとって熱血屋の人々との出会いは、それほどまでに大きくなっている。

倫子はアパートも壊されてみるもんだなと少し思った。

ここまでかなりの人物が登場しましたが「こいつはチョイ役だな?」と思う人物は忘れてください。


間違いなくチョイ役ですから。


いちいち、ニューハーフの名前を覚える必要はありません。

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