第一章 番外編2「乙女座の人々『真美と未祐』」
第一章 番外編2です。
今回からしばらく、2000文字程度の話が続きます。
倫子が青葉市民になってから1週間が経ち、少しずつ大学や熱血屋でのアルバイトにも慣れてきた。
それに伴い、生活スタイルも出来上がりつつある。
今の一日の流れはこんな感じだ。
6:00 起床 そのままお風呂へ
7:00 身仕度を整えてから、食堂で朝食と後かたづけ。
8:30 真美と一緒に大学へ
18:00 熱血屋でアルバイト
23:00 夜食をとってからお風呂。
0:30 就寝
倫子は生活の大半を真美と一緒に過ごしているが、それがとても助かった。
何しろ真美は倫子のわからない事を全て教えてくれるし、最近では倫子が質問をする前に、真美が察してくれるようにまでになっている。
真美は空気を読むのが非常にうまく、状況に応じて倫子に接してくれるのだ。
時々突然いなくなることはあるが、あまり気にはしていない。
真美は顔も頭もプロポーションもよく、倫子は真美を見ていて神様がいかに不公平なのかを実感する。
自分は前世でどんな悪行を犯したと言うのだろうか?
そんな気分にすらなってしまう。
そんな真美は倫子にとって頼れる存在であるが、倫子が真美に関して驚いた事が二つある。
一つは真美に友達が少ない事だ。
真美は以外と友達が少ない。
基本、倫子以外とは話をしようとしないし、昔からの友達の影も見えない。
基本的には知り合いというスタンスの人ばかりだ。
もちろん話しかけられれば笑顔で対応するのだが、自分から仲良くなろうとはしないが、かといって真美は人間嫌いなのではない。
上手に立ち回り、他人と深く関わりを持たないようにしているだけである。
それは見ていてよくわかった。
真美なりの処世術なのかも知れない。
もう一つはかなりの倹約家だと言うことだ。
真美は外でお金をほとんど使わない。
昼は桜子が持たせてくれたお弁当を倫子と2人で食べるだけで、ジュース1本買おうともしないし、何か必要な物があってもその場で買うのではなく必ず持ち帰ってから考える。
ウインドウショッピングをしていても、衝動買いなどは絶対にしない。
そのせいかお化粧には無頓着なところがあり、常にすっぴんで過ごしているし、服はセンスのいいかわいいものを着ているのだが、下着にはこだわりがないようだ。
この間などは「おいでやす~。」と書かれたぱんつを履いていたし、その前は「Come On!」と書かれたぱんつを履いていた。
『誰に?何が?』
当然の如く倫子は心の中でツッコミを入れた。
真美曰く、どちらも知り合いから貰った京都旅行のお土産なんだそうだが、買ってくる方もどうかしていると思うが、売る方も売る方だ。
それが自分の地元のお土産と言うのだから、倫子は申し訳ない気分になった。
『おかしなもんを売ってるねんなぁ。今度帰ったら、お土産屋さんをチェックせなあかんわ…。』
倫子は大学で「京都土産のハッカ味の皮に餡が包まれたお菓子」はおいしいねと言われたが、実家が和菓子屋だからだろうか?
正直な所、倫子はほとんど口にした覚えがないのだが、地元のお土産など以外とそんな物かも知れない。
六本木未祐は金髪美少女である。
サラサラの金髪にぱっちりとした青い瞳。
白くて綺麗な肌。
まだ幼い体つきも、数年もあれば倫子よりもプロポーションが良くなる事は間違いない。
今はくまさんやいちご柄のパンツを履いているが、高校生になればたとえくまさんだろうがいちご柄だろうが、倫子のコールド負けは揺るがないだろう。
明るい未来が待っているというのはなんと素晴らしい事だろう。
全くもってうらやましい限りである。
こんな未祐を光源氏が見れば、間違いなく自宅に囲おうとするだろうが、そうなればハルさんが間違いなく、迅速かつ確実に阻止してみせるはずだ。
未祐は感情表現に乏しく、非常に無口で単語で会話をする事が多いが、倫子には未祐の感情表現が少しずつだがわかるようになってきた。
感情表現がわかりにくいのは、未祐は照れ屋さんだからなのだろうと倫子は思っている。
しかし未祐がたまに吐く毒舌は、言葉少なく破壊力抜群である。
この間もTVを見ていて、DJハマヤーが出て来ると
「出た。下手くそアナウンサー。」
と、感情のこもっていない声で言った。
その場にいた全員が思わず吹き出してしまったが、もし自分が言われる側だと考えると背筋が凍ってしまう。
未祐があの可愛らしい顔で感情なく淡々と毒を吐くと、精神的にかなりくるのだ。
しかし未祐の一番驚くべき所はそこではない。
未祐は信じられないほど記憶力がいい。
一度見聞きしただけで全てを覚えてしまう。
本人曰く「一度見聞きしたものを忘れられない。」らしい。
一度、病院で調べてみたらしいのだが、サヴァン症候群の類いではないとの話だ。
未祐は身体能力も高く、TVで見たいただけで新体操の技が出来るようになったという。
真美が未祐を『変態』と呼んだ理由がわからなくもない。
それにしても神様とは一体、どこまで不公平なのだろう。
何もここまで見せつけてくれなくても、良いと思うのだが…。
学校ではクラブ活動にも参加せず、目立った存在ではないらしいが金髪の時点で充分目立っているだろう。
噂によるとファンクラブがあるらしいが、倫子からすれば、いくら頭や運動神経がよかろうと、未祐は照れ屋で優しい、可愛らしい女の子だ。
10万字を越えても、マジカルリンリン未だ出ず!
これでいいのだろうか?




