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第4章 28話 「アイドルは大変だ」

28話です。



いつも読んでくれてありがとうございます。


 (*'▽'*)

マインズの3人は朝から忙しい。 

毎朝5時には起きるとバタバタと身仕度を始め、5時30分には食堂に向かい、桜子の作ってくれた朝ごはんを食べる。

それから6時にはアルバイトに入り、11時に昼食をとると、そのまま昼の3時まで働き仕事が終わる。

そして早めの夕食をとったあと、乙女座の4階にある部屋に戻り、そこからやっとアイドル活動が始まるのである。


アルバイトも忙しいが、アイドル活動の方もかなり忙しい。

乙女座に戻るのは、だいたい日が変わってからだ。

そこからお風呂に入って寝るのだから、一日の平均睡眠時間は4時間といった所だろう。

休みともなれば都内に出かけてアイドル活動をするのだから、いつ体を休めているのか不思議である。


かのナポレオンは一日3時間しか寝ていなかったそうだが、ナポレオンだってバカンスだのなんだのと休みがあったはずだ。

年間トータルで見れば、ナポレオンより年中無休のマインズの方が睡眠時間は短いだろう。

こんなサイクルで生活しているのだから、真美や倫子達とはなかなか顔を合わせられないのもしかたがない。


これだけ頑張っているのだから人気があれば良いのだが、残念な事に青葉島では子供や年配の方もマインズを知ってくれているほど知名度は高いが、全国の知名度は低い。

真由と比べれば全国放送に出演している、真由の方が知名度が高いのも仕方が無い。

何しろ相手は「伝説のウェイトレス」である。

しかも敬虔なる女神教という団体が存在し、最近教徒が一人増えたばかりなのだ。


マジカルですらいる親衛隊がいないマインズに、勝ち目などあるわけがないではないか。

アイドル活動だけに限った事ではないが、残念ながら努力と結果は伴わないものは少なくはない。

マインズの3人もそれはわかっているのだが、それでも彼女達は頑張っている。

否!頑張るしかないのである。

真由とマジカルという、島の二大アイドルに追いつき追い越すためにも!


そんなマインズにとって、熱血屋はとてもありがたい存在である。

アイドル活動というのは決して楽なものではない。

時間の都合を考えれば、アルバイトの掛け持ちも当たり前になるし、そうなると稼ぎの方も期待出来なくなるのが普通だろうが熱血屋は違った。


アルバイトの時給もいいし、勤務時間も融通を利かせてくれるし何より衣、食、住の全ての面で手厚くバックアップしてくれている。

衣、食、住の食と住はわかる。

乙女座にいる以上、ご飯はちゃんと食べさせてもらえるし住む所もある。

では衣のバックアップはなんなのかというと、アイドル活動をしているとかなりの衣裳が必要になってくる。


毎回同じ衣装でライブをするというわけにはいかないし、かと言って買い揃えるとなるとそれなりの費用がかかるが、アイドル活動にはそれ以外にもお金がかかるし、衣裳にばかりにお金はかけられない。


新曲を出したいのに、それに合った衣裳がな~い!

そろそろ新しい衣裳が欲し~い!

今の衣裳にあきちゃった~!

様々な理由で衣裳が欲しい時がある!



そんな時、マインズの3人はそっと乙女座の衣裳部屋に向かい、コスプレ衣裳を拝借するのだ。

『ちょ~っと衣裳をお借りしますね~。このご恩は必ずお返ししますから~。』

と思いながら。


少々グレーゾーンに引っかかってはいる気もするが、まさに熱血屋は衣、食、住の全ての面でマインズをバックアップしてくれているのである。


マインズのリーダーであるアイちゃんは言う。

「熱血屋さんのおかげで、私達はアイドル活動が出来るんです!」

マイちゃんも笑顔で言う。

「熱血屋さんは私達にとって、無くてはならない存在です!」

「いつか必ず有名になって、熱血屋さんに恩返しが出来るように頑張ります!」

ミーちゃんもそう熱く語るのだ。



熱血屋のレジ横にはマインズの大きなポスターが貼られており、飴やガムやおもちゃなどと一緒に、マインズのCDも売られている。

その甲斐もあって、自主制作したCDもコンスタントに売れている。


大半は酔っぱらった客がご祝儀代わりに買ってくれるのだが、たとえ一枚でもCDが売れると嬉しいし、モチベーションにも繋がってくるものだ

熱血屋は全力でマインズを応援してくれているのだ。

だからマインズは頑張る!

アイドル活動だけでなくアルバイトにも本気で精を出す!

決して妥協などしない。

どんなに疲れていても笑顔を絶やさず接客をするし、たとえ酔っぱらいにおしりを触られても

「も~!困ったお客さんですねぇ~。」

と言って笑顔で返す。

ただし1回触られるたびにCDを一枚ご購入いただくシステムを導入しているが…。


それでも自分に手が伸びて来ただけで、矢のようなスピードのボディブローを、まるでお手本のような素晴らしい角度で脇腹に入れてくる熱血屋の名物ウェイトレスよりも良心的ではないだろうか?

そっちはそっちで誰も文句は言わないが…。

いや…。

それを望んで自ら挑んでいく人の方が多いだろう。世の中には変わった人も多いのだ。


マインズに協力的なのは熱血屋だけではない。

島のみんなが協力的だと言っても過言ではないだろう。

夜になってゲリラライブをやっても誰も文句は言わない。

それどころか突然やって来た3人に対し「頑張ってな!」などと言って、差し入れまでしてくれる人もいる。


青葉CATVもよく番組に呼んでくれるし、青葉市もイベントがあると仕事として呼んでくれる。

「自分達は恵まれた環境にいる。 

これがマインズの共通認識である。

そうして「頑張って売れて、少しでも皆さんに恩返しがしたい!」という、新たな共通認識が3人には芽生えたのだ。だからこそ頑張っているのだ。


ある時、そんなマインズに全国放送の番組に出演出来るというビッグチャンスが訪れた!

どういう経緯があったのかは知らないが、深夜のバラエティー番組への出演オファーが舞い込んできたのだ。


3人は目玉が飛び出すほど驚いたが、それと同時にとてつもないプレッシャーに襲われガクガクと体を震わせた。

なんだかお腹まで痛くなってきたようだ。

アルバイトリーダーである渋谷真奈美さんに相談した所、快くスケジュールを空けてくれた。


しかも事務所に所属していないマインズを、真由の個人事務所がマネージメントまでしてくれるという。 

もしも今回の仕事が上手くいけば、今後も仕事の依頼が来るかもしれないので、真由の事務所の所属になるのはどうかとまで言ってくれたのだ。

渡りに船とはまさにこの事だろう。

3人は真由の提案に一も二も無く飛びついた。 

『失敗なんて出来ないわ…。』

3人はそう思った途端、体がガクガクと震えだしたのだ。


そんな3人を見て真奈美は言った。

「細かい事は気にしなくていいから、いつも通り精一杯頑張って!」

真由も微笑みながら言った。

「無理をしないでいいのよ。いつも通りの3人が一番素敵なんだから。」



真由と真奈美との話が終わり、3人はいつも通りにアルバイトを始めたが、3人が3人ともいつもと様子が違った。

それに真っ先にそれに気付いたのは、意外な事にめ組のハチマキであった。

「どうしたのだアイちゃん?」

ハチマキはアイちゃんの顔を見ながら言った。

「え?」

「何やら心ここに在らずのようだが、何かあったのかね?」

ハチマキはアイちゃんから、すた丼を受け取りながら尋ねた。

「実はね…。TVに出る事が決まったの。」

「おぉ!それはよかったではないか!なのになぜそんな顔をしているのだ?」

ハチマキは箸を手に、すた丼を食べながらアイちゃんに尋ねた。

「緊張しちゃって…。」

「なるほど。わからんでもないな。」

モリモリとすた丼をかっ込みながらハチマキは言った。

「でしょ?失敗したらどうしようかと思って…。」

アイちゃんは不安そうに言った。


「収録はどこでやるのだね?」

ハチマキはそう言って味噌汁に口をつけた。

「スタジオなんだけど、その前に島でロケをするの。」

「いつだね?」

ズズズズズー。

ハチマキは味噌汁を飲んだ。 


「あさって…。」

「あさってか…。何時どこでやるのだね?」

ハチマキはすた丼に箸を入れながら、アイちゃんに尋ねた。

「夜の8時に市庁舎の前で…。」

「うむ。わかった。頑張ってくれたまえ。」

ハチマキはそう言うとすた丼をかっ込み始めた。

【次回予告】


 ついに念願の全国放送への出演が決まったマインズ。


 そして、青葉市庁舎前でのライブが始まる!

 果たしてライブは成功するのか!


 次回

   「倫子!食べ過ぎて倒れる!」


 乞うご期待!


 ※タイトルは変更になる場合があります。

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