第1部 1話
「カタンッカタンッ」馬車の音である。周りには煉瓦造りの建物が多く見える。さらに言うと向かう先は城なのか。
(あれ?ここどこだ?目が開かない。けどどこに向かってるのかはなんとなくわかる。) 「ルーシー!もう直くけど、お腹の子はどう?」
「だから、さっきも言ったでしょ?この子よくお腹を蹴ったりするし、元気よ?」
(え、お腹?ルーシー?誰それ?ここ日本チャウ?エ?)
まずわかったこと。喋れないし、目も開かない。ただ声は聞こえる。なんだろ、もう直ぐ外に出られる気がする。うん間違いない少しずつ周りが明るくなってる。
「オギャア!」
この瞬間ファルク家の長男フィゴ・ファルクが生まれたのである。
「あ、あ、あ、産まれタァぁぁぁぁぁぁあぁあ!」
「抱いてあげてよ、あなたの息子よ?」
「あ、ぁぁおれに似て目がクリクリじゃないか?」
「私に似たのよ」
(あ、あれ?ここどこだ?)
なんでこんなとこにいるんだろう。自分が誰なのかはわかってるけど、なぜこんなことになったのがまったく思い出せない。
一ヶ月後
この体が自分のものであることはわかったし、最後雪と一緒にいたことも、けどそれならどうして雪がいないんだ?わからない。あ、向こうから来てるのは。。
「フィゴーー!」
この声はおれのここでの父さんユラ・ファルクだ、そしてその隣にいるのは母さんルーシー・ファルク。
「なぁ、フィゴはどうして泣かないんだろう?」
「私にもわからないけど、こうして元気だしずっと元気で居てくれればいいと思うよ?」
おれが泣かない理由それは外見は生まれたての赤子だ、けど中身が高校生だからなんだよなぁ。けどまったく泣かないってのもまずいのかな?よし少し声を出してみよう。
「あー、うー」
今はこんな声しか出せない。
「ほら!泣きはしないけど喋ってるよ!」
「は、ほんとだな!ルーシー!もう少ししたら一緒に買い物くらい行けるんじゃないか?」
「そうね、今度近くの同い年の子とも合わせてみたいわね!」
こんなたわいもない日々が続いていくのであった。
そして、1年。。。
最近寒いですね




