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人間は餌でしかない

初めてのダーク系です笑

読みにくいかも知れませんがご容赦くださいm(__)m


今後ともSKY CREATOR 異世界で航空機を作ってもいいですか?

と、DRAGON KNIGHT 落ちこぼれ竜騎士見習い、なりゆきできまぐれ最強竜と契約してしまう

は平行して書いていくのでそちらもよろしくお願いします笑

 「はぁ、はぁ・・。おい、ここはどうだ??」


 「いやまだ確認していない。」

 

 「よし、それじゃ中を確認するんだ。」

 コクッ・・。 銃を構える男の言葉で女性がゆっくりと目の前の扉を開いていく。


 「・・・これは一体。」

 

 ザワザワッ・・・。

 ボシュッ。 女性は何かが動く気配のする目の前の暗闇を魔法で発生させた炎で照らすと、その光景に愕然した。


 彼女はその日の事を後日こう証言している。


 その日、私 シルバ―ナ・エスティアが目にしたものは到底受け入れることが出来るものではなかった。

 そこは家畜を飼育するかのような空間は広がり。鼻の奥底を刺激する異臭が漂っていた。

 しかしそこで飼育されていたのは豚や牛ではなく・・・・・、私と同じ《人間》だった。





 大陸歴1870年、人間の統一国家アムステアはまさに栄華を極めていた。

 しかし突如発生した、大陸中央で発生した爆発と閃光によりその全てが崩壊し始める。


 その爆発、通称 悲劇の始まりと言われる出来事の後、突如発生した異形の者(ゲスティル)は自身の周りに生きる特定の生物、人間の殺戮を開始、いや、捕食を開始した。

 異形の者(ゲスティル)は人間よりも頑健な肉体を持ち、その圧倒的な繁殖力により瞬く間にアムステアを侵食。

 しかし大陸歴1871年、人間は反撃を開始。異形の者(ゲスティル)を滅ぼすべく、100万ともいえる大軍で大陸中央部に攻め寄せた。 

 だが人間の武器、剣や弓、当時開発されたばかりの銃でさえ彼らに傷をつけることは出来ず、約80万人の死者を出し敗走。ついには大陸全てを異形の者(ゲスティル)に占領されることになった。


 生き残った人間は、大陸の最南端よりも更に南に位置するヒリア島に密かに逃げ込みそこで異形の者(ゲスティル)の研究を開始。運よく捕獲できた一体を調べることで彼らが特殊な器官により、いわゆる魔力と呼ばれる物を生み出すことが可能であることを突き止めた。

 

 それから50年後、人間の中に初めて魔力を持つ者が生まれたのをきっかけに、人間にも次々と新人類と言われる魔力器官保持者が誕生。彼らは魔力を駆使することで異形の者(ゲスティル)にも対抗でき、人間の中に僅かな希望が生まれた。


 そして更に150年、異形の者(ゲスティル)発生から200年後、かつての繁栄を取り戻しつつあったヒリサ島の人々は、人間が滅びたことで食料を失った異形の者(ゲスティル)の数が減少、その多くが死滅しているものと考えたヒリサ島元老院の指示で大陸の偵察を決行。

 シルバ―ナ・エスティアが所属する第一魔導中隊がその任務に就き、異形の者(ゲスティル)が滅びた事を確認する・・・・・、だけのはずだった。

 





 大陸南端、旧市街地。 

 シルバ―ナ・エスティア達、第一魔導中隊は何の抵抗も受けずに市街地中心部に到達。

 しかしそこで、おぞましい光景を目の当たりにしていた。


 「なんだよこれ・・・。」

 シルバ―ナと共に部屋に踏み込んだベス少尉は自身の目の前で裸で動き回っている人間の姿に言葉を失う。


 「・・・まさか異形の者(ゲスティル)がこの人たちを飼育、食料を得ているんじゃ・・。」


 「・・そんなことがありえるのか!? 確かに奴らは人間に匹敵する知能を持っていることが確認されているが、人間を飼育するなんて聞いたことない。」


 しかし、ベスの言葉にシルバ―ナは心から賛同することが出来ない。


 確かにそんな報告はこの200年間聞いたことがないが、私達人間も豚や牛を飼育している。

 同程度の知能を持っているのだあればこのことも考慮に入れるべきだったのではないか??


 ダダダダダダッ!! シルバ―ナが考え込んでいると、市街地からと突如銃声が上がり始める。


 「なんだ、敵襲か?? おい、誰か応答しろ?!」

 ザーッ・・。 しかし、銃声に気づいたベスが送った魔通信には誰も答える気配がない。


 「・・・ぐっ。お前達、すぐに撤退だ! 異形の者(ゲスティル)の大軍がこちらに侵攻、既に他の奴らは全て死亡した。いかに俺たちでもあれは数が多すぎる。」

 バタンッ! しばらくすると、シルバ―ナ達よりも年上の大男が腕から血を流しながら部屋の中に入ってきた。


 「アスベル隊長!! それは本当ですか?? グリーンも、へスターもですか?!」


 「ああ、全滅だ・・。それほど彼我の戦力には絶望的な差がある。」

 「奴ら何かを守っているようにも見えたが、お前達何か分かったことはあるか??」

 アスベルの報告に言葉を失うベスの後ろからシルバ―ナが声を上げる。


 「恐らく奴らはこの人達を守ろうとしているのではないでしょうか・・?」


 「・・・これは。 なるほど、どうしてあれほどの数の異形の者(ゲスティル)が生存していたのかこれで謎が解けた。」

 

 流石は隊長、一瞬で理解したのね・・。

 でもこれからどうするべきか・・・。この人達を置いては・・。


 しかしアスベルの次の言葉はシルバ―ナの想像だにしていないものだった。


 「・・・彼らは全て炎魔法で焼却、直ちにここを離れる。」


 「えっ・・。ま、待ってください隊長! 彼らは人間ですよ?? それをそんな簡単に・・。」

 ふぅ・・。アスベルは小さく息を吐くと、柵の中に入り一人の人間を捕まえる。


 「見ろ。彼らはもう200年間飼育されてきているんだ、既に俺達の様な知性は残っていない。」

 「恐らく異形の者(ゲスティル)にも何かされているのだろう。」

 

 「あ、あっ・・・。」

 アスベルに掴まれている若い男性は、シルバ―ナに言葉にならない音を発し、笑みを浮かべ彼女に手を伸ばしていた。

 アスベルの言葉通り、その眼には知性は感じられない。


 「・・・・ですがやはり私には。」


 「いいか? 彼らが生きていれば異形の者(ゲスティル)は永遠に滅びない。それに生きていたところで待っているのは奴らに食われること。むしろこれは救いというものだ。」


 「・・・・・それは。」

 はぁ・・。なおも命令に従わないシルバ―ナに、アスベルは息を吐くとベスに声をかける。


 「もういい。ベス少尉、お前は出来るか??」


 「・・・は、はい! 了解いたしました。」

 ベスはその言葉で気を取り直すと、シルバ―ナの肩に手を置き右手から炎を発生させた。


 「・・・・ごめんな。」

 ボンッ!!! ベスの右手から放たれた炎は一気に飼育される人間たちに燃え広がると、部屋の中は瞬く間に彼らの叫び声に包まれる。


 「・・・・・・長居は無用だ。彼らの声を聞き奴らがここにやってくるのも時間の問題だろう。すぐに撤退するぞ。」


 「了解。」


 「・・・・了解。」

 アスベルは銃を構えると部屋を後にし、燃え続ける炎を見つめていたシルバ―ナとベスもその後に続き部屋を後にしていった。











 「走れ走れ走れ!!!」

 ダダダダダダッ!! 市街地から撤退したシルバ―ナ達だったが、異形の者(ゲスティル)の執拗な追撃にあい岩場に身を隠し応戦しながらも南方へと下がっていた。


 くそ、何て数だ!!!

 これじゃいつまでやってもきりがない!!


 ダダダダダダッ!! シルバ―ナは銃に魔力を込めると更に向かってくる異形の者(ゲスティル)に魔導弾を浴びせ続ける。


 「シルバ―ナ、ベス! 俺が殿を務める。お前達は早く撤退しろ!!」


 「隊長何を?! 俺も一緒に戦います!!」


 「私もです! 一人おめおめと生きて帰るなんて・・・。」

 

 「生意気言うんじゃねぇ!!」

 ビクッ!! 普段は声を荒げないアスベルに2人は驚きで体を震わせる。 


 「若い奴らは生きるべきだ。俺はもう十分生きたからな!」

 「・・・それに俺も死ぬ気はない。生きてまた会えるさ。」


 銃を放ちながら笑みを浮かべるアスベルに2人はしばらく何も言えなかったが、立ち上がり撤退を開始する。


 「分かりました・・。ですがどうかご無事で・・!」


 「当たり前だ! 俺を誰と思っている。早く行け。」


 「シルバ―ナ。ここは隊長の願いを・・・」


 ブシュッ!! しかしその瞬間、シルバ―ナに話しかけようとしたベスの胸を異形の者(ゲスティル)の爪が貫いた。


 「・・・がはっ!!」


 「ベ、ベス!! 貴様ぁぁぁぁ!!!」


 ダダダダダダダダッ!!! ベスの体を放り投げた異形の者(ゲスティル)にシルバ―ナは銃に充填した魔力が尽きるまで魔導弾を撃ち込み、魔力が尽きたころには異形の者(ゲスティル)の体は原型を残していなかった。


 「はぁ、はぁ・・・。はっ! ベス!!!」

 シルバ―ナは落ち着きを取り戻すと、地面に倒れるベスの元に駆け寄り傷口を押さえ回復魔法を使うが、ベスの傷からは更に血が溢れ出す。


 「なんで、なんで・・!!」


 「がはっ・・。シ、シルバ―ナ。もういい・・。俺はもうダメだ・・。」


 「そんなことない。大丈夫だから・・・。」

 ガシッ・・。 なおも回復魔法を使うシルバ―ナの手をベスが力なく掴む。 

 シルバ―ナはその眼を見ると、それ以上回復魔法を使用するのをやめていった。


 「・・・・隊長、シルバ―ナのこと頼みます。殿は俺が・・・。」


 「・・・・分かった。」

 

 「え?? ・・ッ!! は、離してください隊長!!」

 いつの間にかシルバ―ナの背後に移動していたアスベルはシルバ―ナの身体を肩に担ぎあげる。


 「ありがとうございます隊長・・。どうかご無事で・・。」

 「さぁ、早く行って!!」

 ザッ!! アスベルはベスに何か言いかけるが、その言葉を飲み込むと南方へと走り出す。


 「隊長! 離して!! まだベスが、ベスがぁぁ・・。」

 シルバ―ナは何とかアスベルから離れようと体を動かすが、アスベルの力に敵うはずがなく、更に小さくなっていくベスの姿にただ涙を流すことしかできなかった。


 「・・はぁ、はぁ。 全くシルバ―ナは強情だな。」


 でも隊長が付いていれば大丈夫だろう・・。

 

 ガチャッ。 ベスは小さく笑みを浮かべると銃を異形の者(ゲスティル)へと向ける。


 「ここは通さねぇぞ、クソ野郎!!!」

 ダダダダダダダダッ!!!!!

 ベスは薄れゆく意識の中で、迫りくる異形の者(ゲスティル)に力の限り応戦するが、あまりにも多勢に無勢。

 ついには魔力が尽き、抵抗する力もなくなったベスの体を無数の牙と爪が貫き、そこでベスの意識は永遠に失われた。

  



 この日行われた偵察は第一魔導中隊13名中、僅か2名のみが生還するという凄惨なものに終わった。


 

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