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工房主の実験録  作者: さくま
12/26

教えてアルメルト先生 ~周辺地域編~

水浴びを勧めると、頬を赤くしたアルメルトに睨まれた

いや、別に臭いから薦めたって訳じゃないんだよ?


ちなみに朝飯、という単語に対してはぐぅ~っと彼女のお腹が返事をしてくれた

アルメルトはというと更に頬を赤く染め、ベッドに突っ伏すことになった


まぁ、そんな一幕はそれはさておき


「何を話しましょうか?」

「何でもいいぞ?」


倉庫にあった小麦粉を水で溶いて焼いた疑似パンと塩辛い燻製肉を噛りつつ、机に二人で向かい合っていた


「そうですね...あ、まずは自己紹介からですね」

そういえば名前を聞いただけで詳しい身の上は聞いていなかった

同意、と頷く


「私はアルメルト=ライン。職業は冒険者をしています。ウルドーの森へはパラディウド帝国からの依頼で来ました。」

「パラディウド帝国の依頼?一人でか?」

「依頼は帝国から盗まれた黒魔鉱石の行方の調査です。森へは3人パーティーで来たんですが...魔物に襲われたせいで、仲間とはぐれてしまって」

「...じゃあ、その仲間はまだ森の中か?」

「あ、いえ、もう森の中には...たぶん、いないと...思います」

アルメルトはそう言うと俯いてしまった


焦りの感情よりも諦めの色が強い、そんな口調でなんとなく察しはしたが、確認はしておこう

心の中で息を吐く


「...死んだのか?」


「分かりません...でも、逃げ切れたかというと...だいぶ負傷した状態で散り散りになってしまいましたので」

「そうか...無事だといいな。アルメルトも逃げて、力尽きた所にたまたま俺が出くわした訳だ」

「そうなりますね。」

「ちなみに襲ってきた魔物は?」

小鬼ゴブリン、それから逃げてるうちに森の深くに入ってしまったせいで、豚人オークです。ゴブリンだけなら何とか戦えたのですが、そこにオークまで乱入してしまってどうしようもなかったです。」

「じゃあ、あのオークはお前を追って来てたのか」

「あの?」

「俺も森の中でオークと出くわしたんだよ。命からがら逃げられたけどね。」

腰に納められた漆黒のナイフに手を触れる

思えばこいつのおかげで何とかなった訳だが、まだ性能についてはよく分かっていない


落ち着いたら、調べないとな


でも、まずは

「そうなんですか、バーディウスさんもオークに...」

「あぁ」

彼女の話を聞くことにしよう


「お互いに幸運だったんだよ。それはそうとパラディウド帝国っていうのは?」

「パラディウド帝国はこのウルドーの森を含めてこの辺りを領地としている国です。帝王カイラン=パラディウドが治めています。聖癒教国と肩を並べる大国ですね。あ、聖癒教国も大国で聖癒術に卓越しています。一方で帝国は武力を重視してますね。それから他の国ですと魔術で有名なシャムシェイ魔術国、獣人が治める獣王国カリュウが大国として知られています」


「パラディウド帝国に、聖癒教国、シャムシェイ魔術国、獣王国カリュウ...地図が欲しいな」

「すいません、地図はこの辺りの物しか持ってないんです」

そう言うとアルメルトは自身の鞄から紙を1枚取り出す


「無いよりは全然いい!見せろ見せろ」

「はい...ウルドーの森はここです。」

アルメルトは地図の右側を指差す

「ここから一番近い街はエルトです。私たちはここからウルドーの森に来ました。」

アルメルトは森からすうーっと指を左側に動かし、エルトと書かれた点を差す

「更に西に行った所に帝国の首都があります。」

指差した場所にはパラディアと書かれている


「パラディア、首都か...他にもいくつか街があるんだな。」

「そうですね。他の街ですと、更に西に行ったところにある国境都市は帝国から派遣される騎士なんかが多くて栄えてるらしいです。あとは、海沿いの港町や、山岳地帯の鍛冶町とかでしょうか。国境都市や、私が来たエルトに比べると比較的小さい規模です。」


「ふーん、エルトってのは大きな街なんだな。」

「はい、パラディア帝国のだいたい真ん中に位置してるおかげで交易で栄えています。なので、各地に遠征もしやすいので冒険者も多くて、冒険者協会ギルドの本部もあります。」


「冒険者ギルドってのは冒険者を派遣する組織みたいな物でいいんだよな?」

「はい。依頼の受注、発注を始めとして報酬の運用や、トラブルの仲介だったりをしてくれます。」

「そういえば、さっき黒魔鉱石の盗人探しの依頼でここまで来たって言ってたな。黒魔鉱石ってのは?」

「黒の純度が高い魔鉱石です。すっごく貴重で、すっごく高いんです!それが帝国から盗まれてしまって...各地で捜索中と言う訳です。」

「黒?色の純度が高いって?魔鉱石ってのは?」

「すいません。そこの説明がまだでしたね...黒というのは魔術の属性の1つです。魔鉱石は魔力が詰まった鉱石です。」


「魔術...魔力...」


「はい、では次はその説明をしますね」




初めて文章、ストーリー評価を頂きました。ありがとうございます。ゆっくりペースですが今後ともよろしくお願いします。

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