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1、ひっかかる違和感


「またね、大河!」


「うん、じゃあね。ゆのか。」


僕は佐々井 大河(ささい たいが)

普通の中学一年生。さっきのは宮城 湯乃佳(みやぎ ゆのか)、僕の幼馴染だ。

さっきまで塾の帰りでゆのかと一緒に帰っていた。それでゆのかを家まで送って行ったところだ。


そしてゆのかを送ってから僕は帰路についた。

僕の家はマンションで6階。ゆのかの家は3つ隣のマンションの3階だ。

僕は記憶力がいいはずなのに小学三年生までの事をさっぱり覚えていない。

しかも覚えていないと気づいたのはゆのかに言われた最近頃だった。



「ねぇ、大河。1年生の頃の遠足って覚えてる?」


ゆのかは笑顔で僕に聞いてきた。


「え?1年生の……時?」


そう言うとゆのかは驚いた顔をした。


「えぇ!覚えてないの!?記憶力いいのに…?」


ちょっと疑うような眼差しで僕を睨んできた。


「う、うん。」


そしたらゆのかは何かを思い出したような顔をした。


「っ!ねぇ、もしかしてさ。大河、小学三年生以下の時の記憶がないんじゃ…あ…!」


バタンッ!僕はそれを聞いて痙攣をおこし倒れた。

だが、その時のゆのかの顔は何かを思い出し、何かを悟ったような顔だった。




と、こんな感じでね……。


「はぁ、ただいま〜。」


「おかえりなさい。」


「おぉ、おかえり。」


リビングにはお母さんとお父さんがいた。


「今日の夜ご飯はハンバーグだよ。」


「うん、一回 部屋に戻るね。」


ガチャリ。パタン。


「はぁ。」


そう言い僕はベッドに倒れ込んだ。


何か忘れている気がする。

大切な、大切な何かを。だけど、どうしても思い出せない。

いつもなら『大切だったら忘れはしない』と考えて終わらせるが今回はそんなことで終わらせちゃいけない気がする。

なんだ!いったいなんなんだ!


「ごはんだよ〜?」


はぁ、これはいったん考えるのをやめよう。




〜?〜


「ねぇ、大河くん!みてこのピンクのコチョウラン!」


茶色っぽい髪を伸ばした少し身長が高いような子が僕に輝いた笑顔で話しかけた。


(これは…なんだ?この子は誰だ?わからないけど……なんだか懐かしい。)


僕はこのピンクのコチョウランをみて言葉を発する。


「うん?このコチョウランがどうしたの?」


僕は何も言おうとなんてしていないのに僕は喋ってる。


「もぉ!」


そうその少女は頬を膨らます。


「前も言ったのに!だーかーら。」


コチョウランをつみ、僕にコチョウランを渡して彼女は頬を赤らめながら言う。


『ピンクのコチョウランの花言葉はね、〔あなたを愛しています。〕なんだよ。」




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