Episode4 目指すはウェール湖
◆今回初めて登場する人物◆
マイケル(25)
ウェール湖近くに住む男性。バッファル3部族の1つ・レイカー族の代表。
リン(26)
マイケルの彼女。レイカー族の中では一番頭が良い女性。
僕たちはまず、町の東方へ魔人の目撃情報を手探りで探すことにした。しかし、途中にあったどの町村にも人っ子1人いなかったのである。
「一体どういうことだ?」
とバーロンが言うので、僕たちは馬車から降り、一度、状況を整理してみることにした。
「人がいないってことは誰かに連れていかれたってこと?」
とテーラ。その言葉で僕は現状を大体、把握することが出来た。
「その話、あの歴史書と同じじゃないか?」
僕は言う。
「そうね。」
テーラもうなずく。続いて、残りの3人もうなずく。そして、僕は話を続ける。
「おそらく、もうアークは完全復活を遂げたんだ。この短い間に...。つまり、島の人全員に危険が迫っているってことだ。」
「オーロラだって危ないわ。」
テーラが言う。本当にそうなのだ。オーロラさんやウォルト様などたくさんの人に危険にさらされる。もちろん、僕たちもそれに含まれている。だから、早くアークを再び封印しなければならない。
「キャ~!」
と、突然、女性の悲鳴が聞こえた。僕たちはその声のした方を見る。すると、そこには血だらけで息絶えた女性と、血だらけの剣を持った黒い兵士。僕はソイツに向かって空斬を放った。それは見事、命中し兵士は倒れた。
「助けて頂いてありがとうございます。」
さっきは見えなかった1人の男性がそう言った。
「当然のことをしたまでです。」
僕は言う。続いて、その男性はうつろな目をして、
「コイツ、僕の彼女なんです。今度、結婚式をあげる予定だったんですけど...こんあことになってしまって...。」
「助けられなくてごめんなさい。」
テーラが申し訳なさそうに言った。
「いえ、いいんですよ。元はと言えば僕たちが悪いんです...。アイツらに逆らいさえしなければ...。」
男性は言う。
「僕たちは今、あなた方みたいな人を救うために旅しています。そこで、何か手掛かりがないかと聞き込みをしてるんですけど...。」
僕は言う。すると、重要な情報が手に入った。
「そういえば、3日ぐらい前、ウェール湖に何者かの影が飛んで行くのを見たな...。」
その言葉を聞くと、僕たちは
「ありがとうございます!」
とお礼だけを言い、ウェール湖がある方角へ走り出した。まだ、あそこに馬車が置かれていることを忘れて。