Episode28 炎龍撃破
「見つけた...!」
超高速で景色が変わっていく中、僕はそう呟く。4人を見つけたのだ。僕はそこで魔力を断つ。すると、彼女たちの目の前に降り立った。
「リ...リドナー!?」
突然現れた、テーラが大いに驚く。
「そんなに驚かなくても...。」
僕は言う。すると、彼女は
「だって...リドナーはさっきまで...えっ!?」
と、さらに動揺する。そんな彼女を何とか宥めて、話を切り出した。
「なるほど...ルビーの力を使ったらいきなりねぇ...。」
マリアが難しい顔をする。そんな顔をしなくても良いんじゃないか?だいたい予想はつくだろ。
「僕が考えるに、ルビーを狙っていたんだと思う。」
僕は言う。すると、今度はエリーナさんが
「えぇ。たしか、あの龍、もといボルケーノギドラはアークの手下なはずよ。」
と答える。やっぱりそうか...。僕の考えていた通りらしい。
ドッカッーン!
すると、辺りに轟音が響く。その音がした方を見るとそこにはボルケーノギドラがいた。ソイツは僕を見ると、物凄いスピードで迫ってきた。僕たちはいそいでその場から離れる。
「閃光よ、眩ませ!フラッシュ!」
マリアがそう唱えると、辺りは眩しい光に包まれる。ボルケーノギドラのめが眩んでいる内に(僕も眩んでしまったが...)、曲がり角を左へと曲がり、城の外に出た。そこには、ヤツの攻撃により落ちたであろう、城壁の一部があったのでその後ろに隠れた。
「ねぇ、僕の魔力が高いのってさルビーのおかげなのかな?」
僕は隠れながらそんなことを聞いてみる。前から、気になってたんだよな...。
「そんなの、今は関係ないでしょ!」
テーラに即答される。が、マリアは答えてくれた。
「前も言ったけど、リドナーの魔力の高さは出会ったときから気づいてたわ。そらに、物理的な力と魔力は全く別物だわ。腕力や脚力があっても、魔力が高いとは限らないでしょ?」
と。彼女は、魔力は人並みだが、魔法に関する知識は尋常じゃない。そんな彼女が言うのだから、魔力の高さは父からの遺伝だと断言できる。その瞬間、僕は何か気配を感じ、後ろを振り向く。
ドッカッーン!
そこにいたボルケーノギドラが火球を放ってきた。僕たちは分散してそれを避ける。そして、5人で走って逃げる。
キュイーン...!
機械が駆動するときのような音がして、走りながら龍の方を振り向く。すると、ソイツがエネルギーを貯め始めていた。マズい...!おそらく、強力な攻撃が来るぞ...。僕はそう思って彼女たちに
「みんな、僕に捕まって!」
と言う。しばらくは、4人揃って何故だと言いたげな顔をしていたが、僕が急かしてみるとあっさり従ってくれた。
ドッゴッーン!
ボルケーノギドラが貯めたエネルギーを巨大な火球として、僕たちに向かって放った。しかし、その前に「モーメント」を発動し、競技場内へと瞬間移動したので、それは地面に激突した。すると、そこにあった石レンガの道は吹き飛ばされ、大きな穴が空いた。ヤバっ!あんなのくらったら即死だ。
さて、いっちょやるか。僕はそう思って浮遊魔法「フローティング」でルビーを高い所へと浮かばせる。すると、狙い通りボルケーノギドラは突っ込んできた。ソイツが近づいてくると、僕はルビーをポケットに入れてみせた。それを見てソイツは地面に降り立ち、火球を連続で放ってくる。僕はそれを全て避け、あの本屋で立ち読みしたときに覚えた呪文のうち1つを唱えた。
「天に輝く永遠の月よ、悪しき者を打ち倒せ!ムーライト・フォール!」
僕がそう言うと、頭上に月のように輝く巨岩が現われ、それはブレイズドラゴンに衝突する。すると、ソイツは動かなくなった。その様子を見て、マリアは目を見開いて驚いていた(僕が高度な魔法を使ったことに対してなのか、一瞬でボルケーノギドラが倒れたことに対してなのかはわからなかったが...)。




