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待つ事の
部長とは、月に一、二度程のペースで食事に行っていた。
あの後から、何もなかった。ただ、食べて、呑んで、話す、それだけだった。
どうしたらいいのか、分からなかった。さながら、中学生の恋心の様な、純潔を守る乙女の様な、そんな時間だった。
そんな時間は、私は全く欲してなどいない。
『離婚協議中』と言う、まるで、手を出すなと警告されたような言葉は、私を抑えるのにうってつけの言葉だった。
もしかして愛されるかも、と毎回期待していた。それは、ヨダレを垂らし待たされている犬の様で、惨めだった。
何度悲しくなれば分かるのだろう。いつも、もう誰にも期待はしない、と誓っても、どこかでもしもの花が咲くのだ。




