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なんとなくの  作者: 華鳳
3/58

もう


今考えると、子供の頃はよく耐えていたな、と思う。


ある時家に帰ると、階段に自分の物がポロポロと落ちていた。

拾いながら上がると、私の勉強机の物が全て床にばらまかれていた。

兄だ。

私には3つ年上の兄がいた。

兄はいつも癇癪を起こしては、私に当たり散らした。

理由は分からない。


ある時は、誰もいない部屋で大声を出し怒っていたり、ある時は私の漫画を破っていたりした。

事あるごとに、手をあげられ、罵られた。

母と父は、知ってか知らずか、何もしなかった。


だから私は「兄」とはこんなものなのか、と諦めていた。


世間を知るにつけ、自分の兄は少しおかしいのでは、と思う様になった。


大人になった兄が、ショッピングモールのど真ん中で母にキレていた姿は、壊れたオモチャの様だった。


友達の話す優しいお兄ちゃん、テレビドラマの頼れるアニキ、漫画の妹思いのお兄さん、私にはそんな兄は存在しない。

私には兄妹の意味は、もうまったく分からなかった。




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