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久しぶりの
三回目の飲み会だっただろうか。メンバーのほとんどのが帰ってしまい、二軒目は、今回はなさそうだった。
「では」と、各自の駅に散ってゆく所だった。
「今日は僕もこっちなんだ」
と言って、部長がそっと私の後ろに付いた。
その時、胸に衝撃が走った。心臓を鷲掴みされ、そして急に放されたかの様に、一気に血流が上がり、私は硬直した。
まるで、誰にも言えなかった初恋の時の様に、震えた。そして同時に「やられた」と思った。
「もしお時間があれば、二人で二次会行きましょうか」
右斜め上から聞こえるその声は、低い声だが、渋すぎず、優しい敬語が甘く聞こえた。
私はほとんど顔を見ずに、
「はい」
と答えた。
その時私はもう、完全に女になっていた。




