そんなものだ
その日はとにかく寝まくった。
「明日はお休みにさせて下さい」
と先輩に電話をしたら、
「そうだね、それが良いよ」
と笑いを含んだ様な話し方で、返ってきた。
電話を切ると、頭の毛細血管が熱くなる感覚がし、激しい怒りが沸き上がってきた。拳を強く握り過ぎて、爪の跡が残った。
怒りと、今までの溜まっていた疲れが出て、眠りに眠った。
寝た時も部屋は暗かったが、起きた時も暗かった。
そして、転がっていた食パンを食べながら、パソコンにかじり付いた。
何でもいい、普通に働けるところがあれば。志望動機も長所も、あることないこと、自信満々の人間かの様に、書きまくった。
やはり後ろめたいのか、有給消化をしても良いことになった。
その間に、面接を受けまくり、何とか最終面談まで持ち込めた。会社も仕事も問題なく、むしろ意気盛んになる程、私には申し分ない会社だった。
やっと私にも、平穏で、仕事にもやりがいを見出だせ、人生を楽しもうという気持ちが芽生える日が、来るかもかもしれない。
最終面談は、社長との面談だった。
私の人生は、そんな簡単に上手くいくはずはなかった。
前回の会社の社長の事が、かなりのトラウマになっていた。面談中、パニックになり、自分が何を言っていたのか全く覚えていない。
『今回は採用を見合わせて頂くことになりました』
案の定、落ちた。
前の会社の社長との事、今までの仕事の事を考えると、夜も眠れない。怒りと憎しみの感情を持っていくところもない。自分を責めすぎて、心がヘトヘトになっていた。
「やはり駄目か……」
落胆はしたが、今の自分の現状を把握できた事だけでも、良しとするしかない。
とりあえず、落ち着くまで派遣で働く事にした。




