お化け屋敷へ行こう! 〜唯・1〜
受付でお姉さんに紙を貰う。
簡単な前書きと誓約書のようだ。
『迷いの館 〜ゆきちゃんを探して〜』
さっと目を通す。
“ある休日。
ご近所に住んでいる女の子、ゆきちゃんが家に帰ってこない。
どこにいるか知らないか?
という電話がかかって来ました。
あなたとも仲のよかったゆきちゃん。
あなたも捜索に協力しますが、見つかりません。
聞き込みでわかったのは、昨日の夕方、町外れの洋館の前に1人で立っているのを見たのが最後だということ。
もう町中探し回って、残るはこの洋館ただひとつ。
ゆきちゃんをどうか見つけ出してあげてください。”
ゆきちゃんを見つけ出せればクリアということか。
あとは注意書き。
「小学生以下の方はご入場できません、妊婦、心臓に持病・・・・・・・・。」
お化け屋敷らしい注意書き。
サクサク読んでいくと、一点で目が止まる。
“演出の関係上、身体的接触、拘束を受ける場合があります”
・・・・・・・・・・・・・・・・大丈夫か?これ。
とも思うが、サインをしないと先に進めない。
サインをした誓約書を受付に渡すと、腕時計のようなものを渡される。
「そちらは受信機となっておりまして皆様以外の捜索隊からの連絡が入ります。
皆様一緒にいらっしゃる時は、どなたか一名が音声が聞こえるようにしておいてください。
もし捜索中はぐれてしまった場合は、各自で音声が聞こえるようお願いします。」
・・・・・・・・はぐれる可能性があるのか。
さっきの注意書きといい、なかなかハードそうだ。
「もしどうしても捜索を辞めたくなったときは、大声で捜索隊の指揮をとる『高橋隊長』に救助を求めてください。
それからそちらの機械は皆様の脈拍を測る計測器にもなっております。
異常が発生した場合救助がきますので、けっして外されないようお願いいたします。」
なるほど・・・・。
必要事項でもあるのだろうが、これも恐怖を煽る仕掛けの一つか。
『異常がおきてもおかしくないくらい怖い』と意識させておけば、怖いもの好きの期待も高まるし、なんでもない音でも変に意識してしまう。
華穂様は大丈夫だろ・・・・・・・・・・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
すぐそばに全然大丈夫じゃなさそうな人がいた。
「あの、隼人様、無理なさらない方が・・・・。」
隼人は誓約書を握りしめたまま真っ青な顔でぶるぶる震えている。
「いいいぃぃぃいえ、か、華穂さんだって、いいっったんですから、俺だけ行かないわけにはっっっっ」
その心意気は買うが、そんなに震えてたら進めないのでは。
でも、言いすぎて隼人のプライドを傷つけるのもよろしくない。
「どうしても我慢できなくなったら、私につかまっていいですからね。」
「あ、ありがとうござ・・・・っ」
ちょっとだけホッとした顔をした隼人の肩にポンっと手がのる。
「隼人・・・・そんなことしたら、わかってるよね?」
後ろにはにぃっこり微笑む一弥の顔。
「はいいいぃぃぃぃぃぃ!!!!」
ごめん、隼人。
これはこれでホラーだったわ。




