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織姫と彦星とその他のはなし。 前編

完全なるパロディです。

本編まったく関係ありません。

ちょっとキャラ達で思いっきり遊んでみたくてやってしまいました。

イメージが壊れるほどではないと思うのですが、苦手な方は回れ右お願いします。

がーるずらぶではありません。

遠い遠い天の国に、機を織って暮らす華穂という姫と、牛を飼って暮らす唯という男装の麗人がおりました。

ふたりは大層仲が良く、常に一緒です。



「華穂様、そちらの糸の順番が間違っております。」


「はい!」


「あと10cm織り終えたら、お茶にいたしましょう。休憩が終わったら今度は筝の練習です。」


「うん!頑張るから待っててね!!」


唯は常に華穂姫のそばに仕え、影に日向にと彼女を支え慈しみました。


これを不満に思ったのが華穂姫の父である天帝です。


「唯くんばっかり華穂と一緒でずるい!!私も華穂と一緒にいたい!!」


天帝は何度となく華穂姫を遊びに誘うのですが、天帝も忙しい上に華穂姫のスケジュールも大量のレッスンでびっちり埋まっていて、なかなかOKがもらえませんでした。


「もーもーもー!!」


牛たちも不満です。

とっても優しい飼い主だった唯は、華穂姫に出会ってから彼女にべったりで、朝夕の世話はしてくれるのですが以前のように遊んでくれなくなりました。


天帝と牛たちの願いが一致。

天帝はそれを理由に暴挙に出ました。



「牛たちを悲しませるなんて、牛飼い失格。そんな者を姫のそばには置いておけない。

唯くんは天の川の向こうで牛たちと一緒に過ごしなさい。」



そういって、ふたりの間に大きな星の川を作ってしまったのです。


ふたりはとても嘆き悲しみました。


「この布ができたら唯さんの新しい衣にしようと思って頑張ってたのに・・・・・。」


機を織る目的を失った華穂姫は泣き伏し、天帝の『私の衣にしてくれたらいい』という言葉にも『お父さんにこの色は似合わない!!』と一刀両断。

天帝は娘のあんまりな態度に深く傷つきました。


唯の方は唯の方で『華穂様は大丈夫だろうか。華穂様はよくあの織り目を間違えるから誰かよく見ておかなければならないのに・・・・。あぁ、それにそろそろ肌荒れに効くお薬も準備しておかないと・・・・。華穂様は繊細な肌でいらっしゃるから・・・・・・。』と、華穂姫のことが気になりすぎて牛どころではありません。

牛は華穂姫のことを考えて憔悴して行く主人を悲しそうに見つめるしかありませんでした。


誰もが損しかしていないこの状況。

しかし、それを元に戻すのは天帝としてのプライドが許しません。

結局、妥協案として7月7日の夜だけ天の川に橋をかけ、ふたりが会うことを許しました。


これにとても喜んだふたりは元気を取り戻しました。


「今度あった時に唯さんにこれだけ頑張ったんだよ!って言えるようにしておかなくちゃ。」


華穂姫は7月7日に唯に衣を贈るために機織りを再開し、会った時に聴いてもらうために筝の練習も頑張りました。


唯は


「天帝様の気が変わって会えなくならないように、しっかり牛たちをかまってあげよう。

もともと牛たちを悲しませた私が悪いんだから。」


と、せっせと牛たちを可愛がりました。

牛はとっても嬉しくなってお乳をたくさん出しました。

それを使って華穂姫用のボディクリームを作るなど、唯もまた7月7日にむけて頑張ることにまりました。


しかし、7月7日は雨の季節。

天の川が増水して橋がかけられず、ふたりが会えないことも多々ありました。

増水した川を川岸で悲しそうに見つめる姿はいろいろな人に目撃され、有名になりました。



今年も前日に降った雨のせいで増水した川を体育座りで悲しそうに見つめる唯の姿がありました。

そしてその姿を木陰から覗き見る影が6つ。



「へぇ、噂には聞いてたけど本当に美人だねぇ。」


「あぁ、とても悲しそうだ。」


「なんとか元気を出してもらえないスかね。」


「そうだね。僕たちでできることがあればいいんだけど・・・・」


「俺たちでできること・・・・・。思いつかねぇ」


「このようなところで我々だけで議論をしても無駄です。まずは本人に話を聞きましょう。」


6つの影はそちらに向かってばさりと飛び立ちました。






「はぁ・・・・、今年も会えなかった。華穂様・・・・」


轟々と音を立てて流れる川自分の隣に置いてあるボディクリームを見つめる。

去年も一昨年も会えなかった。

いつも次会えるかどうかわからないので多めに持っては行くのだが、まさか3年連続で会えないなんて思わなかった。

もう今年の冬の用のクリームは残っていないはずだ。


なぜ天帝様は一年に一度の大切な日をわざわざ雨季に設定したのか。

もっと晴れ間の多い時期なら会える確率が高いのに。

考えても仕方ないがイライラしてくる。



イライラしていて気配の察知が遅れた。

ばさりという音に気づいた時には肩や背に暖かい重みが覆いかぶさっていた。


「綺麗なお嬢さん。華のようなかんばせを曇らせて可哀想に。俺が慰めてあげようか?」


耳にぞくりとする声と吐息を吹きかけられて体が震える。

反射的に思いきり肘を引いて相手の腹に打ち付ける。

相手の体が思わず離れたところで肘を打ち付けた勢いのまま振り返り、首に腕を回して脇腹と太もも全身を

使って締め上げる。


「今、私は大変苛立っています。

このまま締められるのと刑吏に引き渡されるのはどちらがいいですか?」


「ギブっ!ギギブアップっっ!!」


変態にかける情けはない。

選ばないなら締め上げて、気絶させてから刑吏に突き出そう。


「いいぞ、もっとやれ。」


「そうですね。その人の性格は一度死なないと治らないでしょうし。」


突然聞こえてきた声に変態を締め上げたまま視線を上げる。

そこには奇妙な格好をした5人の男が立っていた。

白と青味がかった光沢のある黒のモノトーンの衣を纏い、背中には同じ色の翼がついている。

濡羽色の翼は先端の部分だけ白色になっておりコントラストが美しい。

5人とも系統こそ違うが全員眉目秀麗で格好さえ気にしなければ大変見応えがある。


「ああああああああああのっ、一弥さん女好きだけど悪い人じゃないんですっ!はっ離してあげてください!!」


どうやら変態の仲間のようだ。

さすがに男5人相手は分が悪い。

仕方なく変態を解放した。


『死ぬかと思った』と荒い息をしながら転がっている変態を放置して、5人に向き合う。


「何の御用ですか?」


私の問いに一番年長者であろう男が進み出て答える。


「初めまして。仲間が失礼しました。私たちはカササギという種族の者です。

毎年この日にこの川縁で美しい人が嘆き悲しんでいるという話を聞き、お手伝いできることがないかとやってきました。」


「はぁ・・・・」


胡散くさすぎる。

なぜ見ず知らずの人間を助けようとわざわざこんなところまで来るのか。

助けてもらったら法外な報酬を要求する気かもしれない。


警戒が顔に出ていたのか男が話を続ける。


「見返りや報酬などは求めたりしません。

人助けは天帝様から我が一族に課せられた使命なのです。」


「天帝様から・・・・」


天では生まれた時から、私が牛飼いであるように一生の仕事を天帝から使命として課せられる。

男はその証拠にと『天つ国 お助け課 秀介』と書かれた身分証明を見せてくれた。

この身分証は新しい子が生まれると、天帝様自らその力を使って作り上げるもので偽装は不可能。

これを出されたら信じるしかない。


「では、お話を聞かせてもらえますか?」


私は願いを口にすることにした。

すみません、長くなりすぎました;;

分割します。残りは明日のいつもの時間に。

前後編で終わると思うんですが・・・・・(まだ書き終わってない)


せっかくのパロディなんで全員集合させたかったんですが書き分けの甘さを痛感。

名前書いてないですけど、誰が誰だかわかりました・・・よね?

宗純は本編に出てきていない毒舌モードでお送りしております。


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