シンデレラの義姉
誰もが一度は読んだことがあるだろう、有名な童話。それがシンデレラだと思っている。物語には意地悪な継母と義姉が登場する。しかし、誰が想像しただろうか…義姉はとても大変な役割だったという事に…
私は、アリスティーン・レスター。どうやら私はシンデレラの義姉として転生していたみたいです。
転生というが、私はこれまでに転生を3度している。
初めが看護師として平凡で普通の人生をおくっていた。しかし、29歳の夏に過労死した。いや、病院でカルテを抱えながら突然の目眩で倒れて同僚や先生に大変ご迷惑だったとは思いますよ?けど、過労死って…もう少し自分を労るべきだったと思いながら次に目覚めたら自分が赤ちゃんになっていた。もう、パニックに陥りましたね!おぎゃー!おぎゃーってうるさかったと思う。そこの家はとても厳しい家だったのでマナーなどにとてっも苦労した。お皿はあるのに空気料理でマナー講習があるんだよ!?どれだけむなしい気分になったか…。また、料理界の重鎮だったらしく和食から中華、フランス料理にイタリア料理、スペイン料理…とあらゆる料理を叩き込まれたよ…おかげで料理センスはかなり自信がある。しかし!車での移動中、事故にあい死亡。享年27歳。ははは、笑えない。そして次は、音楽一家に転生した。親がピアノとバイオリンをしてたから練習して大きなコンクールで優勝することもできた。優勝したその日、階段から落ちて死亡。享年24歳。
わかりますか、奥様!私長生きできていない!
だから今世ではおばあちゃんまで生きてやるぞー!と目標をたてた。
だが、母は私を産んだ直後に亡くなり、父は後妻を迎えたが妹が産まれてしばらくすると後妻と仲違いするようになり仕事の鬼となった。その頃、私は魔法の才能を認められて軍の魔騎手隊にいたのでよくは知らないのだが口論は日常茶飯事だったらしい。
…軽くながしましたが、この世界は魔法があるんですよ。あっそこ!シンデレラは魔法をかけて貰って舞踏会にいったんだから魔法はあっても当たり前なんて言わないで!えーごほん、魔法は貴族平民とはず皆使える。けれど、私は魔力量も多くセンスもあったので王国軍の魔騎手隊の一員として訓練を受けていたのだ。だから家ではなく王宮の一室で生活を行っていた。えっへん!痛いとか言うな…。
王宮ではかなり勉強も叩き込まれた。貴族名簿図鑑とか…何百といる家の家族を全て覚えさせられるんだよ!?あぁ、海馬はよく働いてくれたなぁ…。また、第二皇子であるノア様がかなり好き嫌いが激しい方で王宮の調理場に入りこんで毎日作って持っていってた。"トマトはゼリーみたいなのが嫌い!"とか"ピーマンって苦手なんだよねー"とか"グリンピース食べると爆発する"など…とても好き嫌いが激しかった。一つ年下のノア様にひたすら作り続けたらなんと好き嫌いがなくなったのだ!まぁ4歳年上の第一皇子のアルフレッド様の食事も一緒に作らなくてはいけなくなったのは誤算だったが…。前々回の人生で料理取得しててよかった!まぁ、王宮料理人の方々に師匠と呼ばれるのは勘弁して欲しいが…。
まぁ何だかんだと暮らしてたら、10歳の時に父が死んだ。過労と多分お酒が原因。私は5歳から王宮で暮らしていたの知らなかったのだが、父はお酒をあびるように飲んでいたらしい。なんでも父は私を後継者として指名していたので葬式の為に領地に戻れば大量の書類が渡された。かくして私は10歳ながらに魔騎手としての仕事と領主としての仕事を兼任する事になったのだ。…魔法で転移魔法を覚えてなければ仕事量で死んでたわ。毎日王宮と領地を行き来して!
まぁそんな生活を3年続けたある日。義母が再婚した。相手は優しそうな子爵様。そして可愛い女の子が妹として家族となった。子爵様は私のことも可愛がってくれてたけど仕事のし過ぎで過労死。まぁ、義母を養おうとするならばかなり働かないときついからな…。義母は綺麗なモノに目がなく宝石などを沢山買うから。まぁ私はねだられる前にとんずらさせて頂いている。
残った義妹シンディアに対し義母と妹はいじめを始めた。使用人のように扱い始めたのだ。私はというと義父がディア(愛称で私はシンディアの事をディアと呼んでいるが義母と妹は皮肉でシンデレラと呼んでいる)に領地の仕事を任せるのは不安と言うことで私に任せてきた。
…義父よ、私は最近昇格して王国軍魔騎手隊所属大佐になったんだよ。仕事増えたんだよ…。そして王国軍だから国王陛下を元帥として第一皇子が中将、第二皇子が少将という構造をしている。今の私はアルフレッド様の従者としても働らいているのだ。しかもあのドSは仕事をかなり期限ギリギリで渡してくるのだ。"ほらほら働きなよ、期限まであと1時間ー♪"と実にいい笑顔で仕事を積み上げるのだ。そんな私に男爵の領地と子爵家の領地の管理も一緒にしなくてはならないのだ。どれだけ人が苦労していることか義父は理解して欲しかった。
ディアのことも気になっていた。とても優しい子だから義母が調子にのっていじめをエスカレートさせていたらさすがに見て見ぬふりはできないし…。また、私はあるものを義母が持っているので義母に反抗する事もできないのだ。それにディアへのいじめは多分女としての嫉妬も入っている。ディアは美しい金髪にエメラルドグリーンの瞳が輝く可愛い子だったから。私?私は銀髪にコバルトブルーの瞳ですよ。可愛いというよりは綺麗系らしくよく義母に"可愛いくない子供ねっ!"と言われたものだ。
まぁ私も18歳となりそろそろ結婚するべきかなぁと考えていたところにピーンと電流が走ったのだ。あれっこれってもしかしてシンデレラじゃねっ?と…。そうすると私はシンデレラの義姉か?と。
考えても仕方がないので日常を過ごしていたら1年がたっていた。そして5日後に第二皇子のノア様の婚約者を決める舞踏会を開くらしい。また例によって遅いアルフレッド様からの書類にて知った。
そこで思ったのだ。あれあれ?これって物語でシンデレラがいって皇子と幸せになるはずの舞踏会だよね?まさか魔法使いの役割も私なのか?と…。
そんなこと考えていたら舞踏会当日となりました。朝から魔騎手隊を使い会場準備をして魔力が1割をきった所で屋敷に帰る。そこには義母と妹はもう舞踏会にいったみたいでディアだけが残っていた。そこで私は渋るディアに魔法をかけ王宮に向かわせた。
12時の鐘がなれば魔法が解けるって何でやねんっと長年思ってましたがまさか理由が魔力不足とは…。情けないです…。
とそこまでは記憶があるのだが…。
「何故私は勝手に着替えさせられてあなた様の椅子の隣に座っていたのでしょうか。アルフレッド様?」
起きたら白のふんだんにレースがつかった清楚系のドレスを着てアルフレッド様の隣の席に座っていた。
「何でって随分おかしな質問だね。アリスと俺は婚約者で今夜夫婦になるのに。」
とニコニコと笑いアルフレッド様は抜かしやがった。
「こ、婚約者?身に覚えがないのですが…。」
「それはひどい話だね。初めて料理を作ってくれたときに申し込んで君からもイエスの返事を貰ったんだけどな。」
言われてみたら確かに"君が生涯の伴侶となってくれたらこの上なく嬉しいよ"といわれ"はいはい、そんなに軽々とそんな台詞を吐くのはいけませんよー"というやり取りをしたことがある。まさか…それ!?
「あは、やっと理解したか。僕のアリス。これからは永遠に俺と生きてね。これ上官命令ね。」
「ぐっ!言葉だけならただ単純に口説いているように聞こえますが手を握力で握り絞めながらだとただのおどしですからねっ!」
「もぉー僕のことはアルフって呼びなよ、アリス。俺の王妃は随分反抗的だなぁ。」
階下ではディアとノア様が何か話したあとに手を握りあっている。そしてこちらを見てうなずき陛下の所でノア様が報告してる。
「さぁーて、ノアも婚約者が決まった事だし次は我々の披露宴だね。アリス、幸せになろうね。」
世の中の皆様。私が思っていたシンデレラは現実だと大分違うようです。シンデレラの義姉はとても仕事が多いですが、強引に幸せを掴ましてくれるそうです。
読んで頂きありがとうございました!