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第21話 ロリコンなる聖職者

 男の声を聞きつけて駆け込んだ教室の中には見慣れた1人の人物が呆然として立っていた。


「先生、何をやっているのですか!!」


 こ、こいつが犯人だったのか。誰が予想をすることができただろうか。自分の担任が体操服を盗んだ犯人だなんて…


「俺はおまえらの体操服を守ってやろうと…」


「へー、人の体操服を握って、臭いを嗅いでいる変態さんは誰からいったい何を守っているのでしょうかね?」


 オレの問いかけを聞いて奴は慌てたように、


「い、いや、これは、おまえ達が忘れていったと思って、手に取っただけ…」


 苦しい言い訳をはじめた。あり得ないよね。あり得ないだろ。おまえの言い訳はオレの体操服を掴んで臭いを嗅いでる時点でないわ!!


「早くその汚い手を私の体操服から放しなさい!」


「き、汚いだと!? 教師に向かってなにを言っているんだ!」


 余程、オレの言葉に腹を立てたのだろう。彼は大声で怒鳴ってきた。


「あなたのような人を教師だとは認めれません! このロリコン変態教師!!」


「教師に暴言とはもうなにをされても文句はないようだな!!」


 言葉を返すようだが、ただの一介の教師が公爵の娘に手を挙げたら人生終わると思うが…


 まさか、こいつは変態でバカだからそこまで頭がまわらないのだろうか。オレがそんなことをイライラとしながら、考えていたら、奴が目の前で突如として消えた。そう表現をしても、問題ないくらいに突然の出来事だった。


「…え!?」


「リリア様、ケビン先生が気が付いたらいません」


 奴はどこにいったんだ!? おかしい。ここに先ほどまでいただろ?


「ははは、オレがどこにいるかわからないだろう?」


 どこからか、ケビンの声が聞こえてきた。どこにいる!? どこにいるんだ。あの糞野郎。オレが一生懸命に辺りの様子を伺っていると、


「い、イヤー! 誰かが私の身体を触ってます」


 ニーナが叫びだした。まさか、彼女はケビンに身体を弄られているのか?


 それにしても、クネクネと身体を淫靡に動かすニーナ。なんか、堪らんな。


 もう、無理だ。鼻から血が滴りそうだ。もっと、ニーナの可愛い所を…


「助けてください。リリア様!!」


 おっと、いけない。いたいけな少女を守らなくては! オレはニーナの悲鳴で正気に戻り、


「ニーナから離れろ! このロリコン野郎!!」


 と大声で叫ぶ。だが、いったいどうしたモノだろうか。奴の姿は見えない。だが、ニーナの反応を見ているとケビンはこちらを触る事ができるようだ。


「次はおまえを嬲ってやるよ。徐々に教育的指導内容をエスカレートしてやるぜ!」


 ケビンの奴がまた愚かしい事を言っている。くそ、こんな屑やろうに好き勝手やられてたまるかよ。早急にぶっ飛ばしたい。


 どうすれば、ケビンの野郎をぶっ飛ばせるのだろうか。オレは唇を噛みながら、暫く黙考せざる得なかった。

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