第18話 再び失われた聖なる衣(女子の体操服)
美少女達の体操服が無くなるという事件が発生してから、しばらく立つある日のことである。その事件は学園の帰りのホームルーム前に起こった。
「リリア様、帰りの準備を取りにロッカーまで一緒にいきませんか?」
「…そうですね。ニーナ。汗で汚れた体操服を取りにいきましょうか」
体操服がなくなるというオレの人生はじまって以来の大事件がこの前あったが、その犯人は結局わからずじまいであった。
その後、ロッカーの鍵を複数つけて対策を取ったことが効をそうしたのだろう。以後は体操服が盗まれなくなった。
「それにしても、ニーナはいつになったら、一人でトイレにいけるのかしら?」
オレが揶揄い混じりにそんなことを言うとニーナは頬を膨らませながら、反論してきた。
「ひ、一人でも行けます。…いけます」
ニーナは虚勢を張るように無い胸をそらして、そう言う。そして、こちらに顔を寄せたと思うと、
「リリア様、そのことは教室で言わないでください。恥ずかしいです。秘密にしておいてください」
そう小さな声で言ってきた。彼女の顔を見ると今にも泣きそうである。仕方がないなと言わんばかりにオレは肩を竦めた後、
「仕方ないわね。わかった。わかった」
とオレは相づちを打った。それを見たニーナは顔に満面の笑みを浮かべて、ロッカーのフタをあける。オレもロッカーから荷物を出す為に鍵を開けようと手を動すことにした。
すると、突如として、ニーナから悲鳴が聞こえてきた。
「そんな、体操服がありません!! どうして!?」
ニーナの体操服が無いようだ。オレは焦る気持ちを抑えて、自らのロッカーを開ける。
…ない、ないぞ!? またないのか。オレの体操服がない。今日、確かに体育の授業で使ったはずだ。なぜ、体操服ないのだ。
「体操服ないわ!!」
あちらこちらで、体操服が無くなったと言う嘆きの声が聞こえてきた。
落ち着けオレ。良く考えるんだ。体育が終わった後にこの部屋から出たことがあっただろうか? いや、体育が終わったあとにこの部屋に戻ってきてから、オレは教室にずっといたはずだ。
なぜ、体操服がなくなったんだ。可笑しいだろう。
「リリア様、た、体操服がまたありません。どうして!?」
涙声でこちらに問い掛けてくるニーナを軽く抱きしめながら、オレは自らも無くなっていることをニーナに告げる。
「リリア様も無くなったのですか!? …私たちがいったいなにをやったというのでしょうか?」
「落ち着きなさい。ニーナ。私たちは別に悪くないわ。寧ろ、体操服を持っていく奴が悪いのよ」
こんないたいげな少女達の体操服を持っていていったいなにが目的なのだろう。オレがそんなことを思っていると、
「おい、席に付けよ。野郎ども! 帰りの挨拶をさっさとするぞ!!」
「先生、私たちの体操服がありません」
オレは体操服が盗まれた生徒たちを代表してそういうことにした。
「なにを言っているんだ? お前らは体育が終わった後に移動などしないだろう。ずっと、ここにいて、なんで体操服がなくなるんだ? 本当にロッカーに入れたのか?」
「間違いなくいれました」
ケビンの奴はこちらのことを信用していないのだろう。明らかに不信な目をしてこちらを見てきた。
「本当か? どうせ、適当にどっかに置いて忘れたんだろ?」
「そんなことは…」
オレは咄嗟に反論をしようとしたが、
「どうでもいいから早く帰りの支度をしろ。挨拶して今日も解散だ!」
担任のケビンの大声でオレの話は遮られてしまった。
そして、さらにその後、ケビンはこちらの話に耳を傾ける気がないのかあくびをしながら、さっさと席につくように命令をしてきた。
オレたちは渋々、奴の言うことに従い、帰りの挨拶をして、帰路についた。なにか釈然としない。2度も体操服が無くなるなど、異常だ。しかも、担任がまったくその件について調査をする気が無い。
こうなったら、オレが自らが調査をしてやる。犯人を捕まえてさらし者にしてやる。待っていろよ! この体操服泥棒!! オレはそう決意を新たにし、帰路についたのであった。