第一章 不思議な出会い
「部活動ね」
僕はそう言い溜息を漏らした。
「あんまり、人の居ない部活動がいいよなぁ~」
人との繋がりを避けたい思いで僕の中はいっぱいだ。
多分その理由は、わかってる。面倒くさいもあるが、やはりこの能力だろう。能力が無いのに能力者と言われてきた僕は、なぜか嫌われているのだ。そのせいで普通の人との交流も苦手なんだろう。
「バスケ部、却下。文芸部か良いかも。いや、部員が十名だと………。」
そうぶつぶつ言いながら、部活勧誘のチラシをめくっているが、こうもいい部活がない。
うーんと考えていくうちに、一枚のチラシに目がいった。
「情報処理部か。部員は………0名だって!?」
あっ、つい叫んでしまった。周りの目が痛い。
「どおした?新~」
「ん?いや、特に何でもない」
「何でもない奴が急に0名だって!?なんて叫ばねえよ」
う、それはそうだ。
「まあいろいろと。」
「へぇ~。まあ頑張って。」
「ああ、君もな。」
「おう!じゃあ行ってくるよ」
そう言い彼は行ってしまった。別に寂しい訳ではない。
てか、さっきの誰だ?
「……………、まあいっか」
さてと情報処理部の部室に行きますか。
情報処理部部室。
狭い、狭すぎるだろ絶対!なにこの狭さは。パソコン一台しかないし。
「……………、あんがい良いかも。」
しかし、人がやく8人しか入らないような狭さ。
とりあえず、入部決定だな。
そういえば、確かこの学校の校長って滝田家の長女の“滝田 恵美”だっけ?とりあえず、明日あたり理由とお礼を言いに行くか。
「………寒」
そうだ、僕の能力はいつ目覚めるんだよ……。
早く仇をとりたいし。絶対にあの時を忘れない。
あの日の夜を……………。
僕は、ただただ疑問に思うだけだ。隣には黒こげの母と父いるのだ。そのまま、僕は気を失った。気付いたら、病室に寝ていた。その頃から、俺は他の能力者達に嫌われ始めたのだ。
「……の、…あ………」
絶対に、忘れない
「…あ……、……あの!!!!」
「うわ!?」
「あ、やっときずきましたね。」
え、え?だ、誰?いつのまに後ろに…。いくら能力に目覚めていなくとも、しっかりと人一倍の力を持っているのに。
「あの、誰でしょうか?」
「人からなをきくときは、自分から名乗るものやろ。」
「良いじゃん比芙美ちゃん、私の名前は未来 花音。花の音と書いて、かのんって読むの。」
花の音と書いて、かのん。すごい名前だな~。見た目は、中学生っぽいな。
「まあ、そうね。私は、東 比芙美。東と書いてあずま、名前はひふみと読むの。」
未来 花音と東 比芙美すごい名前だな。なんか2人とも美人だし。
「あなたの名前は?」
「えっ?」
「あんたの名前だよ。」
「あっ、ごめん。えーと僕の名前はあま「天野新!でしょう?」
名乗る前に、言われた………。てか、なんでなまえしってんだよ。
「ね?でしょ?」
「うん。」
「お久しぶりだね~あまのっち!」
ん?おいまて。お久しぶりだね~って………、初対面だろ?しかもあまのっちって誰だよ!生まれて初めてニックネームで呼ばれた。
「と言うことで、私達もこの部活に入部するから。」
そいですか。それは良いとして花音さんのことでだが、なんで俺の名前知ってんだよ。聞いてみよう。それが1番早い。
「あの~、花音さんなんで僕の名前を知ってたんですか?」
「花音で、呼び捨てでいいよ!」
「ああ、わかったよ花音。」
「よろしい!」
「私も、呼び捨ていいよ。」
「わかった………、じゃなくて!」
危ない危ない、本題を忘れるとこだった。
「あの、花音。」
「ん?なに?」
「なんで僕の名前知ってるの?」
「ええ!?」
えっ?なんでそんなにびっくりするんだよ。
「あまのっち、忘れちゃたの?」
「すまん、記憶にない。」
「同じ学校だったじゃん」
いや、同じ学校って言っても、あんたのことは本当に知らん。てか……
「同じ学校だったの?」
「そうだよ~。クラスは違うけどね~。」
「でも、花音との記憶は本当にないよ。もしかして、比芙美も………」
「私は、違うぞ。」
ですよね~。別に期待していた訳じゃないけ…、てかこれ以上新事実はいらないだろ。
「でも、いつ花音と知り合いになったの?」
「体育祭の時に、二人三脚が同じペアになって頑張ったじゃん!忘れたの?本当に?」
「ああ~、あったねそんなときが。でも、変わったね花音」
「それはもちろん、あまのっちに振り向いてほしいから。」
ん?どう言う意味だ?
「未来っち、声にでてるぞ~」
「はぁ~。とりあえず、比芙美と花音よろしく。」