枯れない愛
暖かい夕陽が窓から差し込む、ある部屋のお話……。
窓際に座り暖かい夕陽に照らされているのが僕で、窓際のベッドに横になりスマホを眺めニヤついているのがエイミー。どうやら最近、気になる男の子ができたらしい。
僕とエイミーの出会いは6年前、隣町の生花店。僕たちはすぐに意気投合し、それ以来彼女の部屋に一緒に住んでいる。エイミーが12歳の頃からの付き合いだ。
そう、僕は彼女のことをよく知っている。彼女の好きな食べ物はチーズハンバーグで、好きな色は深緑、好きな植物はサボテンだ。
それと、彼女は根っからのシャイでボーイフレンドができたことはこれまで一度もない。そんな彼女も、もう18歳。
そろそろ恋人ができても良い頃だけど……。
「そろそろデートに誘ってもいいかな」
「いいと思うよ。誘ってみよう」
「でも断られたらどうしよう…」
「絶対大丈夫だよ!」
「それに絶対キモいと思われるよね」
「そんなことないよ!」
「やっぱりやめておこう…」
いつも僕が励ましてもこんな調子。でも僕にできることは見守ってうまくいくよう祈ることだけ。
3週間後、僕の祈りが天に届いたのかエイミーは相手の子に誘われて初デートに行くことになった。彼女の帰りを待つ僕は、1人で砂漠を彷徨っているような気分だった。
それからしばらくしてエイミーが帰ってきた。階段を上がる足音のテンポだけでもわかったが、彼女は鼻歌まで歌って部屋に入ってきた。デートがうまくいったんだ!僕も一緒になって喜んだ。
時が経ち、エイミーが初めて彼を部屋に連れてきた。2人は部屋に入るや否や熱いキスを交わした。僕はキマヅイの意味を知った。
それから2人は部屋で遊ぶようになった。そんなある日、2人は喧嘩をした。どうやら彼が、エイミーと観る約束をしていた映画を友達と先に観てしまったらしい。エイミーは怒って弁解をさせる暇もなく彼を部屋から追い出し、涙を流した。
次の日、彼が花束と映画のチケット2枚を持って家に来た。2人は抱き合ってまたひとつになった。
そんな2人も20歳になり人生を分かち合う約束をした。
彼は1番思い出深いこの部屋でエミリーにプロポーズをした。幸せそうな2人を見て僕も幸せをもらった。
その後、彼らは同棲をするために家を引っ越すことになった。2人でふざけ合いながら片付けをしていた。そんなとき、いつも通り窓際に座っている僕を見て、エイミーが笑顔で近寄ってきた。
エイミーが窓際のサボテンに手を伸ばし言う。
「このサボテンさんね、私が小学生の頃から一緒なのよ」
「俺が初めてこの部屋に来た時からいるもんな」
「うん。この子と一緒に住み始めてから良いことがたくさん起きるようになったんだ。あなたと一緒になれたのも、喧嘩しても仲直りできたのもこの子のおかげなんだよ」
「そっか。ありがとな、サボテンさん」
「ありがとう、サボテンさん」
「こちらこそ、ありがとう」3人は笑い合った……。
サボテンの花言葉は「枯れない愛」。
サボテンさんのエイミーへの愛も、
エイミーのサボテンさんへの愛も、
エイミーと彼の薬指に輝く愛も、
きっと枯れることはないでしょう……。




