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贄の王  作者: 糸音
第三章 復讐と夢とゲロ

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新しい街

 森を抜けたギブたちは、次の目的地を探すために、川沿いをなぞる様に歩いて行った。

 行く当てはないが、行く当てを探す場所は欲しい。どちらを探すにしても求めるのは人がいる場所だ。


「とりあえず川に沿って歩いていけば、街か何かには出会えるよ。水のある所を中心に街は発展するんだって歴史が証明してる」

「オーケー、とりあえず水ね。オーケーオーケー」


 あからさまに理解を放棄した返事にセオが顔をしかめたが、興味のないことを押し付けてもギブが動かないのは、短い付き合いの中でも理解はしている。

 信頼と思考放棄が自分に行き先を任せてくれる理由の為、素直に喜ぶべきかは最近は疑問だ。


 川に沿って歩くと、遠くに城壁のようなものが見えた。


「街だ!」


 どうやら人のいる場所にはたどり着けたようだ。遠くからでも城壁がくっきり見えるなら、街の規模も相当なものだろう。

 ギブに視線を送ると、「行ってみっか」とギブも頷いた。


「でもよお。魔人の俺が普通に入っても大丈夫?」

「……フードとかで顔を隠した方が良いかもね。作れる?」


 セオに尋ねられると、ギブはマントに手を触れ、その形をフードのものへと変貌させた。

 目線以外がすっぽりと隠れて、「どうよ?」とギブが問いかける。


「……身長はどうにもならないよなあ」


 いくらフードで顔や体を隠しても、ギブの体は3m越えだ。どうしても目立つし、顔を隠してる分怪しさは増す。


「世界に一人ぐらい、こんぐらいの高身長マンがいるかもしんねーぜ? 入るなって言われたときはそん時だ。とりあえず行ってみよー」


 セオもギブを置いていく選択肢はない以上、足踏みするだけ時間の無駄だ。

 もうなんとかなれ、と心の中で開き直るくらいには、セオもギブの思想に染まっているのかもしれない。


 ~~~~~~~~~~


 結果から言うと、門を通ることはできた。

 入国税、と言って城壁の門で見張りをしていた衛兵に、税金を要求されてしまったのだが、ギブが持っていた宝石類を渡して何とかなった。


「俺が持っていたお札は使えなかったなー」


 最初は施設のオーナーの金庫から持ってきた札束を出したが、それが滅びた国の紙幣だと言われて、金としての機能を失ってしまっていた。

 じゃあこれ。といって一緒にとっておいた宝石を差し出すと、今度は目を見開いた後、割とすんなり通してくれた。フードについて尋ねられたが、ひどいけがをしていて見せられない。とセオが適当な理由でごまかした。


 疑いの視線はあったものの、結果的に宝石が賄賂として働いた形だ。


 門番としてどうかと思う部分もあったが、通れたなら自分たちにとっては都合が良い。


「ギブの反乱で、ギブの国は魔人が全員死んじゃったからね。あの後隣国に攻め入られちゃったんだよ」

「俺の10年の稼ぎはもう紙屑かー。セオ、ケツ拭く紙に使う?」

「そんなもんでお尻を拭いたら切痔になるだろ……」


 セオが紙幣を拒むと、「そっかあ」とギブはその辺に札束を捨てた。

 宙を舞って辺りに散らばる紙幣を見て、最初は周辺の人が群がったものの、滅びた国の紙幣だとわかった途端、皆紙屑を扱うように紙幣を捨てて、地面には大量の札束が放置されていた。



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