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贄の王  作者: 糸音
第二章 10年後の世界と贄の村

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3つの選択肢

 贄を捧げれば、強靭な体と人知を超えた異能を授かれる門がある。

 そんな門がある世界のとある国。上流、中流、下流の階級制度を生み出し、王族が魔人となり民衆を支配したその国は、瞬く間に強国となり、世界の階級制度の基盤となった。


 どの国も門に贄を捧げ、自国の戦力を補強しながら、他国からの侵略ににらみを利かせている時代だった。


 10年前、その階級制度を生み出した王国が、『贄』一人の反乱によって滅亡したという知らせが世界を驚愕させた。

 世界を支配していた強国の滅亡に周辺諸国はどよめきった。


 しかし、この反乱をきっかけに下流の者への対応が変わったかといわれるとそうではなく、むしろ反乱を警戒されるようになった分、管理や警備がより厳重になり、扱いは悪化の一途をたどった。

 妙な気を起こさぬよう、日頃から動向を厳重に管理され、少しでも怪しい気を起こそうものなら暴力によって心を折り、あらかじめ反乱の芽を摘んでおく。


 結局、元凶は滅びても階級制度自体は生き続けており、魔人が王国を治め、門に贄を捧げて国力を強化していく制度はそのままだ。


 だが、変化が起こったことが2つある。

 まず1つ目。『万』の門が出現したことにより、各国がより贄を必要とするようになったことだ。

 かつての強国は『千』の門で生まれた魔人が30人。『百』の門で生まれた魔人が数百人の戦力を保有していた。

 それらすべてがたった一人、『万』の門から生まれた魔人に制圧された。


 各国は悟った。量よりも質なのだと。


 あの反乱以降『万』の門は世界のどこにも出現していない。

『万』の門が現れたときに、その奪い合いに勝てるように、一定量の贄のストックを作りながらも、『千』や『百』の門に贄を捧げて戦力を整えているのが今の世界だ。


 そして2つ目。

 世界各地に出現する門の前に、とある魔人が現れるようになったことだ——







「さて、お前らには3つの選択肢がある!」


 とある国の国境付近に現れた『千』の門。

 大量の贄が入った鉄格子を運ぶ王国の軍隊を前に、魔人が3本の指を立てた。


「ひとーつ! 俺が手を出す前に、その贄たちを開放して引き返すこと! ふたーつ! 国に帰って贄とかそういうの無しで平和な国を作ること! 俺としては2つ目を推奨するぜ~」

「うるさい! 通す気がないならさっさと消えろ!」


 贄を運ぶ軍隊を率いてた魔人が火球を生成し、門の前でVサインをする魔人に向かって投げつけた。

 激しい轟音と熱風が辺りにまき散らされ、その場にいた誰もが仕留めたと感じ、贄を運ぶ作業に戻ろうとした時だ。


「……あー、それ最悪の選択肢。3つめ」


 黒い煙の中から仕留めたはずの魔人が無傷で現れ、めんどくさそうに首を回した。


「俺に手えだして殴り返される。……ぶっ殺す気で殴ったんだ。てめえら生きて帰れると思うなよ?」


 その軍隊はギブと名乗る魔人に瞬く間に蹂躙され、王族を失ったその国は崩壊の一途をたどることになった。


 ギブは魔人になってから、門を狙う者たち相手に日夜戦いを繰り広げていた。

 自分がどういう存在かは分からないが、間違っていると思う奴らをぶっ飛ばすことが、自分が魔人になった意味だと思っていた。


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