しいなここみ『東京』
5分弱で書いてみた♪
『東京という怪物』
東京とは怪物だと聞いていた。
あるいは「東京には怪物が住んでいる」だったっけ? 忘れたけど……
とにかくそんなふうに聞いていた。
初めて東京を訪れた日、私は拳に汗を握りしめていた。
どっからでも来い。
どんな怪物がいてもビビらないぞ。
そんな思いで──
叔父さんと2人、東京駅へ降り立ったのだった。
用事は叔父さんの仕事について遊びに来ただけだ。
中学2年生の少女は敏感だった。
必要以上に感受性が膨れ上がっていた。
ほっそい身体にパンパンの畏れと好奇心を詰め込んで、少女は怪物と向き合った。
そして、笑ったのであった。
なんだ……。私の田舎と大差ないじゃんw
鳥取県倉吉市にもあるよ、ジョイフルぐらい。
うんうん。しまむらだってあるし、洋服の青山もあるある。
イオンタウンだってあるんだから! 隣町にだけど。
スターバックスはその当時、鳥取県にはなかったが、幸いそんな噂にしか聞いたことのないスターバックスを東京で目にすることはなかったのだった。
しかし──
少女は出会ってしまう。
東京という名の怪物に!
あそこに歩いてるの──
沢尻エリカじゃないか!?
喰われた……。
少女は、喰われたのであった。
少女は神田川に向かって叫んだ。
「私もいつか、エリカ様になってやる!!!」