スイッチくん様のコンパス
スイッチくん様https://mypage.syosetu.com/2687116/
# 酢コンパの夜
「酢の魅力を再発見する会」(コンパス)という変わった趣旨のコンパが、大学の食品科学サークルの一室で開かれていた。部屋の中央には様々な種類の酢が並べられ、参加者たちはそれぞれの酢を少量ずつ試飲しながら感想を述べ合っていた。
「この黒酢の深みのある味わいが素晴らしいよね」と田中が言った。
「いや、やっぱり米酢のシンプルな酸味が最高だよ」と中村が反論する。
その時、部屋の扉が勢いよく開き、遅れてきた高橋が両手に酢の瓶を持って入ってきた。
「待たせたな!特製リンゴ酢と自家製バルサミコ酢を持ってきたぜ!」
参加者たちから歓声が上がった。高橋は酢マニアの中でも一際熱心で、家で様々な酢を作っていることで有名だった。
「高橋さんの手作り酢はいつも楽しみにしてるわ」と佐藤さんが笑顔で言った。
「リンゴ酢の作り方を教えてよ」と鈴木が興味深そうに瓶を見つめる。
高橋は得意げに胸を張り、「簡単さ。質のいいリンゴと少量の砂糖、そして時間だけだ。あとは発酵の神様に祈るのみ!」
部屋の隅では、山田と小林が酢を使ったカクテルづくりに挑戦していた。山田がシェーカーを振りながら言う。「これさ、ラズベリー酢とジンを混ぜると最高のカクテルになるんだよ」
一方、小林は黒酢とはちみつのカクテルを作りながら、「健康にもいいしね」と応じる。
高橋は自分のリンゴ酢を全員のグラスに注ぎ、「乾杯だ!酢の世界の無限の可能性に!」と声を上げた。
全員がグラスを掲げた時、高橋は椅子の上に立ち上がり、思わず叫んだ。「俺の人生は、成層圏真っ只中だぜ!」
周りは一瞬静かになったが、すぐに笑い声と拍手が起こった。高橋のテンションの高さは、この「酢コンパ」をさらに盛り上げた。
夜が更けるにつれ、酢についての議論は深まり、料理への活用法や健康効果について熱心に語り合う姿が見られた。普段は地味な存在の酢が、この夜だけは主役となり、若者たちの情熱を引き出していた。
最後には全員で作った「酢の五味テイスティングセット」を囲みながら記念撮影。高橋のリンゴ酢は満場一致で今夜のMVPに選ばれ、次回の「醤油コンパ」(コンパショーユ?)の開催も決まった。
こうして、一風変わった「酢コンパ」は大成功のうちに幕を閉じたのだった。
【しいなの感想】
酢コンパでコンパす……。
ありです(*´艸`*)
高橋くんも成層圏さんもお疲れ様でした(•ᵕᴗᵕ•)⁾⁾ぺこ