大野 錦さまのお父さん
大野 錦さまhttps://mypage.syosetu.com/1970422/
おふくろの味というのがあるが、私にとってはオヤジの味だ。
それはカレー。
私の父は学生時代にずっと飲食店でバイトをしていた。
まかないなどもしていたので、かなりの料理自慢。
就職時は本当に飲食店での就業をするかどうかを迷っていたらしい。
なので、土日は朝から夜まで父が料理の担当。
私の母は料理下手で、スーパーの惣菜やレンチンできるものですませていた。
土日は父の料理が味わえる。
料理人を目指した父のガチ料理。
魚を一尾買い、さばいて刺身を作るのは当然の芸当。
そして、土曜の夜はカレーと決まっていた。
市販のルーではなく、カレーのスパイス缶からつくり、具材は牛のばら肉、ジャガイモ、ニンジン、そしてタマネギ。
とにかくうまかった。
今は、もう父のカレーを味わえない。
作ってくれないのではなく、私が帰省するのは年末年始。
年末は自慢の刺身やフグちりやすき焼きと年越しそば。
年始はおせちと雑煮。
いつか言ったけ。
「父さんのカレーが食べたいんだけど」
「馬鹿か、お前は! 何で年末年始にカレーを作って食べるんだ!?」
う~む。オヤジのカレーを食うにはゴールデンウィークや夏休みに帰省しないといけないようだ。
この休みは色々と出かけたりして帰れない。
私は母の血を受け継いで料理べた。
スーパーの惣菜やレンチンできるもので日々すませている。
夏休み。
帰省してオヤジに「カレー食いたい」って言おうかな。
おしまい
【しいなの感想】
カレえぇぇぇええ!!!