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瞬発力企画!  作者: しいな ここみ
第二回目『夢見がち』
25/132

柴犬さまの夢見がち

柴犬さまhttps://mypage.syosetu.com/552342/



『退魔師』



 それは日が暮れ夜闇が辺りを支配する時間。


 文明の明かりが夜を照らす時間。



「ママ~~今日のご飯は何~~」

「カレーよ」

「ママ~~昨日もカレーだよ」

「明日もカレーよ」

「……」


 死んだ目で歩く我が子の手を引く主婦。

 そんな日常。


 だが一歩。


 一歩。


 人知れない闇の奥。



 日常とは切り離された世界。



 そこに潜む物が居る。


 闇に。


 そう闇に。



 僕の存在を察知した闇。



 闇に潜む者達が蠢き始めた。


 闇を見通す瞳が此方を捕える。



「出たな妖魔達よ」



 僕の言葉に、ゆらりと立ち上がる者達。


「人の理を乱す邪悪な輩よ僕が相手だ掛かって来いっ!」


 フシャアアアアッ!


 絶叫を上げ僕に襲い掛かる刺客。

 刺客に対し僕は拳を振り上げる。



 妖魔と僕の戦いの結末は如何にっ!





「ママ~~あの人」

「しっ! 見てはいけません」

「でも猫と喧嘩してゴミバケツの中身を漁ってるよ」

「ホームレスよ。相手にしたら駄目」



 今の僕の現実を突きつける幼女の言葉にへこむ。

 うん。


 泣きたい。


 聖なる戦士の僕の現状を。

 良い高校を出て一流大学に進学した僕。

 一流企業に就職。


 する筈だった。



「聖戦士の僕が就職した暁には」



 等と言わなければ。

 最終面接を落とされた僕は就職出来ず自宅警備員に転職。


 生活保護を受ける事になった。


 まあ直ぐ止められたけど。


 生活保護を止められた僕は無事ホームレスにクラスチェンジした。

 



「という感じです」



 猫に身の上話を話したら何故かゴミバケツを譲ってくれた。



 情けが染みるな~~。



【しいなの感想】


猫に打ち明けるラストが情感あって良きでした(´;ω;`)


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― 新着の感想 ―
いや。。。 これ以下の底辺はあるんだろーか? それでも、誰を恨むこともなく健気に生きる主人公に、乾杯! (>▽<)/
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