いかすみこさまの夢見がちエッセイ
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夢を見ない私が見た夢。
2日目のお題は『夢見がち』のエッセイです。
私は熟睡体質なので、普段は夢はあまり見ません。
※意味が違うというツッコミ待ちです。
ただ、父が亡くなって数か月後の夢は印象に残っています。
当時、我が家が飼っていた猫は一匹でした。
飼い猫は、亡くなった父が大好きでした。父に会えない寂しさからか食欲が無くなり、家中をウロウロする日が続きました。
そんな中、私は夢を見ました。
夢の中で私は怒っています。
「どうして、窓を開けたままにしたの! 」
母が居間にある、庭に出られる引き込み窓を開けたままにしてたため飼い猫が脱走してしまったのです。
※夢の中の出来事です。
母は呑気に言いました。
「窓を開けていれば、帰ってくるわよ」
気楽な母に文句を言おうとしましたが、私は口をつぐみました。
猫が入ってきたのです。
しかし、飼い猫ではありませんでした。
ブチ猫、黒猫、白猫、三毛猫、ペルシャ猫、茶虎猫、大きな猫、小さな猫etc
ありとあらゆる種類の猫が列になって、家の中に続々と入ってきたのです。
母と手をつなぎながら怯えていると、一番最後に飼い猫が悠々と入ってきました。
そして毛づくろいして落ち着くこちらを向きました。
「ニャー!」
大きな鳴き声でした。
それで目が覚めました。
不思議な夢だなと思ってしばらく経ちました。
夢と同じ引き込み窓の網戸の前で飼い猫が鳴いていました。
視線の先には黒い子猫。
外に出て近づきましたが、逃げません。
「お前、どこの子? 」
と聞くと、座り込みを始めました。
「……そうか、うちの子か……」
なぜか、そう思いました。
渋る母を説得し、保護猫団体に捕獲機を借り庭に仕掛け数週間かけて子猫を保護。
正式に我が家の一員になりました。
黒い子猫は、最初は母にも私にも全然なつきませんでした。
しかし先住猫にはべったりで、今もいつも一緒にいます。
友達が出来たおかげで先住猫も食欲が戻り、落ち着きました。
そして私も母も父を亡くして落ち込んでいましたが、子猫騒動がキッカケで元気を取り戻しました。
奇しくも子猫が我が家の庭に現れたのが八月。父の新盆の時期です。
きっと、天国の父からのギフトだと思っています。
【しいなの感想】
お父さんだ! お父さんが戻ってきたんだ! いや家族なつかれてないし……w