大野 錦さま
大野 錦さまhttps://mypage.syosetu.com/1970422/
とあるボードゲーム・テーブルトークゲームの制作会社の会議室で、若手社員が自ら開発したゲームのプレゼンをしている。
「名付けて、『わんこと愛犬家』ゲームです!」
彼の説明は続く。
「プレイヤーは10名とゲームマスター1名で進行します」
「まずプレイヤーには『役割』が与えられます」
「『愛犬家』が8名、『わんこ』が2名」
「『愛犬家』の中には更に『役割』があり、『チュールを与える人』が1名、『ドッグトレーナー』が1名、『限りなく犬に近い人間』1名です」
若手社員はこのゲームの概要の説明を続ける。
まず、全プレイヤーは目をつぶる。
夕方のターン。
GMが「夕方になりました。『わんこ』は目を開けて、『愛犬家』の中からお散歩相手を指定ください」と命じる。
すると、『わんこ』はお散歩相手を指定して目を閉じる。
『わんこ』が複数(2名)の場合は無言で指図して1名を決める。
次にGMが「『チュールを与える人』は目を開けてチュールを与える相手を指定してください」と命じる。
すると、GMは『チュールを与える人』が指定したプレイヤーの『役割』を教えて目を閉じさせる。
最後にGMは「『ドッグトレーナー』は目を開けて『わんこ』がお散歩相手に指定したプレイヤーを指定してください」と命じる。
すると、GMは『ドッグトレーナー』がプレイヤーを指定したら目を閉じさせる。
朝のターン。
GMが「朝になりました。昨日の夕方で『わんこ』からお散歩相手にされたのは○○さんです」と述べる。
指定されたプレイヤーは夜通しの散歩疲れのためゲームから排除される。
ただし、『ドッグトレーナー』がお散歩相手にされたプレイヤーを指定して場合。
「よしよしよし。いい子だね~」と『わんこ』のお散歩の妨害をされたので、そのプレイヤーは守られ排除はされない。
そして、フリートーク時間を設けて、残ったプレイヤーは誰が『わんこ』かを話し合う。
この時に『チュールを与える人』は教えられた対象のプレイヤーの『役割』を言ってもいいし、もちろん他のプレイヤーも自分の『役割』に関して嘘でも本当でも言ってもいい。
GMは「時間になりました。ケージに収める『わんこ』の投票をして下さい」と命じる。
そして、最多投票されたプレイヤーはケージに収められ、ゲームから排除される。
この夕方のターンと朝のターンを繰り返す。
最終的に『わんこ』と『愛犬家』の数が揃ったら、『わんこ』側の勝利。
『わんこ』を全てケージに収めたら、『愛犬家』側の勝利。
ただし、『限りなく犬に近い人間』は別名『人面犬』といわれ、『愛犬家』側だが、『わんこ』側を勝たせるべく動く特殊な『役割』である。
プレゼンを終え。まるで犬のようにハァハァしている若手社員は説明を終えた。
「ど、どうでしょうか! この『わんこと愛犬家』!」
とある役員がツッコむ。
「あのさ、これ思いっきり『人狼ゲーム』のパクリだよね」
おしまい
【しいなの感想】
ああっ! とある役員に先に言われてしまった(*>_<*)ノ