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瞬発力企画!  作者: しいな ここみ
第九回目『大型トラック』
110/132

エンゲブラさま

エンゲブラさまhttps://mypage.syosetu.com/2781872/


(注!グロ表現を含むR15作品です)


題『よくあるトラック転生』



残業に次ぐ、残業。

終電での帰路。

意識朦朧とする中、俺は半ば意識的に大型トラックの前に身体を投げ出していた。


もうこんな生活はイヤだ。

さあ、よくある「なろう転生」だ。



「次の方、どうぞ」


事務的な呼び出し。

俺は、なろう転生の待合室で、長時間待たされていた。


いわゆる「異世界転生」。

死後の転生先は、任意であるらしい。

だが「異世界ナーロッパ」転生は、日本人に大人気らしく、俺はすでに記憶を亡くすほどの長さ、そこで待たされていた。


トラックに跳ねられ、手足があらぬ方向に曲がり、脳みそも少しハミ出している状態の俺は、待合室でも中々に注目を集めていたが、飛び降りの男が現れてからは、俺は「普通の死者」扱いとなった。


「次の方、どうぞ」


ようやく俺の番が来た。

さあ、ナーロッパに転生して、チートでハーレムな人生の始まりだ。


「お、これは素晴らしい!貴方には、ユニークスキル<不老不死>が授けられます」


ルーレットを回し、<ただの管理人>を自称する神が、手足が不自由な俺に代わって、ダーツを投げた。そして、突き刺さった先にあったのは、見事にユニークスキルであった。―― これで永遠に勝ち組が確定した!


「容姿は、どうなりますか?金髪ですか?貴族ですか?平民ですか?」


「いえいえ、ご心配なく。愛着ある今の容姿そのままでの異世界行きとなります」


「え、どういう意味ですか。またこどもの頃の私に戻って、生まれ直すという意味ですか?」


「いえいえ、ご心配なく。転生ではなく、いわゆる転移となりますので」


「えっ、転生ではないんですか?」


「はい、その姿のままでの転移です。あ、もちろんユニークスキルも付けて」


「そのままの姿って……まさかこのケガした状態じゃないですよね?」


「いえ、そのままです。ただし、高位聖職者を見つけて肉体蘇生の魔法をかけてもらえば、元通りにしてもらうことが出来ます」


「そんなの嘘でしょ、いきなり超ハードモードじゃないですか!」


「貴方には<不老不死>のユニークスキルがあるので、死に絶えることなく、いつかは見つけ出すことが出来ると思いますよ、異教徒にも施しをしてくれる奇特な高位聖職者にも。ただし、今かかっている<呪い>が解けていなければ、無意味ですけどね」


「呪いってなんですか!呪いって!あと異教徒って、俺はちゃんと異世界の宗教にも帰依しますよ!」


「呪いは、貴方がトラックドライバーにかけた呪いとも言えます。貴方の半ば故意の飛び出しで事故を起こしてしまったドライバーは、これから社会的な罰を受けることとなります。不条理にも。それが今後、貴方にのしかかる呪いへと変わるでしょう。<罪>からは逃げ切れるものではありませんよ。たとえ死んでも」


「え、どういうことですか!跳ねた方が悪いのに、なぜ!」


「次の方、どうぞ」


そこからは何を言っても、何も聴こえないかのように管理人にスルーされ、ゆっくりと身体が薄れていく俺。


嘘だろ?

ブラック企業に勤めた代償として得たせっかくのユニークスキル。それが呪いで相殺だと?どうすればいいんだ?トラックドライバーの人生なんて、知ったこっちゃねーよ、この野郎!



あとがき)

利己的で、ご都合主義的な転生希望者には、相応しい末路か。


あと、読み返しもしていないので、出来も知らん()。



【しいなの感想】


死ねないー(*>_<*)ノ


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