ep.40 今を生きる
指先に生み出した白き輝き。
揺らめくその光は、妙に優しく感じられた。坑道という、光が限られる空間がそう感じさせたのかも知れない。
初めて光属性魔法を成功させた喜びと、この力で皆の役に立てるかもしれないという希望が入り混じっていた。
この光弾を撃ち出せば何かを変えられるだろうか?俺は役に立てるだろうか?
……それは、建前だ。
自分が初めて生み出した初級光属性魔法ルイズ。この光を放ってみたい衝動が抑えることができない。死人に当たってくれるのが理想だけど、そこは気にしなくてもいい。攻撃が当たらなくとも、リア達が倒してしまうだろう。だからこれは、自分の好奇心を満たす為の我儘だ。
そんな俺のエゴを乗せ、指先の小さな輝きは死人に向かって飛んでいく。
槍を構え直し、呼吸を整える。
現状、距離さえ確保できていれば危険を感じることはない。元王国兵というのに武技や魔法を発動する素振りが見られないのは、不気味ではあるが有り難かった。死人というのは、魔力を操れないのか……?何にせよ、光属性の武技も魔法も操れない今の俺では、リアの放つ魔法に頼るしかない。
深く息をすると、槍を握る手に力を込める。
その時、ニステルの横を掠め、死人に向かって閃光が走った。
光は剣を構えた死人の胸を貫き、坑道の奥の壁にぶつかり霧散する。
一瞬の出来事に、何が起きたのかニステルは認識することが出来なかった。光が進んだ先に目をやれば、死人が動きを止め固まっている。
何が起きた?
死人の動きを注意を深く観察していると、変化はすぐに訪れた。剣を構えた腕が力無く垂れ下がり、両肩を落としながら背中を丸めた。
閃光に脱力状態、死人を纏う僅かな白い光……。浄化作用か!?
視認こそ出来なかったが、状況から死人の状態を推測し、ニステルは走り出す。
今の俺がやれるのは、浄化作用中に槍で貫くことのみ。
穂に魔力の輝きが集まっていく。
「三鉤爪!」
魔力を纏った穂が素早く動いた。高速で繰り出される三連突きは、まるで三本爪に突き刺されるが如く位置をずらしながら、死人の左肩、頭、右肩へと槍が通過していく。
手応えがねぇ……。これで本当に効いてんのか?
槍が貫く感覚の無さに、疑念が付き纏う。本当に浄化作用なのか、それさえも疑わしくなる。
注意深く死人を観察していると、貫かれた箇所に変化が訪れた。
槍が通過した場所から色が失われている。
変化を確認したニステルの腕が再び動く。
「三鉤爪!」
再び槍による三連突きが死人を襲う。
効いている確証はねぇが、少なくとも何かが起きてやがる。
ニステルもまた、死人、霊体と呼ばれる存在との戦闘は初めてだった。知識として存在が揺らぐ、その現象が起これば力を奪える、ということを理解しているだけだ。
三度武技を仕掛けようと槍を引いた時、死人を纏う光が消えかけていることに気付く。
前屈みになっている重心を、身体の中心へと戻していくと、死人の頭が徐々に上がってくる。それはまるで、身体を縛る光という呪縛から解き放たれる様に。
死人の右腕が真上へと振り上げられ、剣が弧を描きニステルに迫る。
反射的に身体を逸らした。
顔の前を剣先が通過していく。
視界の端、死人の背後に影が迫っていた。
死人の首元に迫る灰色の霊気の揺らめき。キョウカが背後まで迫ってきていた。
くすんだ光か?浄化も起こってねぇのに、そんな短剣で何ができるってんだ。
キョウカの短剣が躊躇無く死人の首へと横一文字に振り抜かれた。
短剣は死人をすり抜けていく。
ほぉらな。
予想通り結末に、一度距離を取るべく後方へ飛ぶ。仕切り直し、次の動き出しに備えた。
そこで死人の首の異常に気付いた。
色が失われていく!?何故だ!浄化が働いている様子はないのに!
振り切ったキョウカの短剣が再び牙を剥く。
手首を返し、先ほどとは逆側から横一文字に短剣が動いた。素早い二連撃。首から広がるように色を失う箇所が増えていく。死人の身体は、腕を振り上げ固まっている。
あの灰色の霊気は浄化の作用でもあんのか……?
動きを止めた死人に警戒しつつ、槍を構え直す。
すると、死人の身体にノイズが走り、痙攣し始めた。
何だ!?
ニステルは警戒するも、それは杞憂に終わる。死人の身体全体の色が失われ、足下から存在が揺らぎ光の粒子となって消滅した。
暫く、坑道内は沈黙に包まれた。本当に死人が消滅したのかがわからない。そんな不確かな状況で気を緩めることなどできなかった。
『終わったようだな』
「死人ってあんなふうに消えるんですね」
死んでいる存在だから闇の中に消えていくもんだと思っていた。でも、想像に反して光となって消えていく。浄化されたから光の粒子になったのかもしれない。
『浄化されていくのは私も初めて見るがな。それで、初めて白の元素に触れてみてどうだ?』
そう、俺が放ったルイズは、死人に対して確かに浄化作用が発動していた。それは、光属性魔法が完全な形で発動できたことを物語る。
「何で今までできなかったのかわからないくらい、元素はしっかりと応えてくれましたね。これって、今までの元素の向き合い方が悪かったってことなんです?」
『そうだ』
フィルヒルが頷く。
『多くの者は、元素を扱おうと躍起になる。それはつまるところ、元素を物扱いしているということだ。魔力を介せば元素に働きかけることができ、魔法が発動する。それは当たり前のこと。この世界の理。だからこそ、元素への向き合い方が蔑ろにされがちだ。詠唱は魔法陣へと成り代わり、言の葉で元素へ語らうことすら省力されてしまった。誰もが扱い易くなった反面、元素の恩恵を享受し辛くなった。断りもなく勝手に元素を使っているようなものだから、当然と言えば当然だ。元素には確実に意思というものが存在している。元素に愛される者とそうではない者との差が出てくるのも必然だ』
衝撃的なものの考え方だった。
世界に元素が満ちているのも、魔法が使えることも当たり前だと思っていた。特に深く考えることもなく、身を守るために必要だから魔法を使う。生活が豊かになるから魔法を使う。今まで生きてきて、それが普通であり、日常だった。
そう言えば、アズ村の爺さん婆さんが言ってたっけ、「言葉を紡がなくなった分、精霊様を遠くに感じる」って。あの言葉はあながち間違いじゃなかったんだ……。
詠唱はせずとも、魔法名は言葉にしてきたけど、それでは足りなかったのかも知れない。いや……。本質的な部分を理解せずに、ただ言葉にしていたのを元素は見抜いていたんだ。明後日の方向に言葉を届けても、受け取ってくれるとは限らない。
『本来、元素としっかりと向き合い語らえば、誰しもが最低限の魔法は扱える。使えないのであれば、元素との向き合い方を変える必要がある』
元素の扱いに長ける人は、精霊に愛される存在だとずっと思ってきた。でも実際は、元素そのものに愛された存在のようだ。
なら天技についてはどう考えているのだろうか?
「フィルヒルさん、天技を授かって産まれて来た人はどうなのでしょうか?彼らもまた元素に愛された存在ということでしょうか?」
天技、その言葉を聞いた途端、フィルヒルの表情が僅かに硬くなった。
『天技か……。精霊時代であればそういう認識なのも仕方あるまいな』
フィルヒルの言葉は何故か、天技に対して否定的に思えた。
『天技は自分の時代に戻ることができてから、自分なりに情報を集めるのが良い。ただ、精霊の黄昏以後は、天技持ちは産まれてきていない』
リアが過去の出来事を聞いた時も、即座に断っていたし、過去を語らない理由はなんだろうか。
天技持ちが産まれてこないのは、精霊がいなくなったから?そうなると天技も精霊関連なのかも知れない。
夢の中で聞いた、とある言葉が脳裏を過った。
「天技は呪い、か……」
フィルヒルが目を細め、鋭い眼光がこちらを覗いている。
「な、なんでしょう?」
眼光に気圧される。呪いという言葉に、何か思うところがあったのかもしれない。
『何故そう思う?』
「この意見は俺が抱いたものではありませんよ。昔、畏敬を感じる場所で、誰かにそう言われたんです。天技は呪いだと」
暫く考える素振りを見せる。
『なら、その者に訊ねてみるのが良いだろう』
興味を引けたかと思ったけど、どうやら空振ったらしい。
戦闘を終えた三人がこちらへと戻ってきた。傷を負った様子もなく、死人との闘いを終えている。
「みんな、お疲れさま」
労いの言葉をかけると、ニステルがその場に槍を支えにして蹲踞の姿勢で座った。
「あー疲れた……」
攻撃も時間稼ぎもこなしていたんだ、無理もない。
「囮役お疲れさん」
「本当だぜ……。こんなことなら、光属性魔法もまともに練習しとくんだったよ」
辟易と項垂れる。
それは俺も同じ気持ちだ。見送ることしかできない無力感は、もう味わいたくはない。フィルヒルの助言で発動できたルイズも、反復練習しておかないと。
「それで」
リアがフィルヒルへと顔を向けた。
「精霊の黄昏について話してくれない理由はなんなの?」
リアとフィルヒルの視線がぶつかる。
少しの沈黙の後、フィルヒルが口を開いた。
『教えれば其方等は、精霊の黄昏が起きないように動くだろう。それは時の流れに反している。本来知り得ぬ未来の出来事、それは私達が歩んできた道、生きた証だ。それを汚されるのは、誇りを奪われるのと同意義なのだよ』
「それでも、この世界には歴史の文献が残されている。調べればわかることでしょ?そこで得た知識で私達が歴史を変えようとするのと何が違うわけ?」
そう、ここでフィルヒルに聞けずとも、資料を漁れば大まかな出来事はわかってしまうのだ。
『そこに載っているのは大まかな出来事だけだ。どんな人物が、どんな行いをしたのか。大凡のことしか情報は得られんよ。其方等が欲しているのは、より精度の高い情報なのだろう?教えるわけがない』
リアが口を開きかけ、グッと下唇を噛み言葉を飲み込んだ。
『時代を創るのは、その時代に生きる者達で無ければならない。自分達で考え、動き、結果を受け止めるべきだ。そうやって皆が歴史を築いてきた。自分達だけ未来を盗み見するなど、烏滸がましい。未来を知りたければ、自分達の時代で未来を見通せる者を探すんだな』
頑なな拒絶。
これではフィルヒルに口を割らせるのは難しいだろう。多くの情報を持っていそうな存在なだけに口惜しい。
「一つお聞きしたいことがあるのですが……」
おずおずとキョウカさんが口を開く。
『何だ?』
「何故……、何故貴方は現れたのはですか?何か未練でもあるのでしょうか……?」
最近になって現れるようになった死人。その発生原因は未だ不明ということだが、その張本人に直接聞くとは、キョウカさんは肝が据わっている。
『それは私にもわからない。自分の意思で此処にいるわけではないんだ。目が覚めたらこの坑道の中にいた。何が私の眠りを妨げたのかはわからない。だから其方達に原因の究明と解決を頼もうと思って近寄ったのだ』
キョウカさんが露骨にガッカリとした表情に変わる。
「すでに調査に動いておりますから、直に結果はわかるかと」
『そうか。なら、大人しく調査を待つとしよう』
フィルヒルは、そっと壁際まで移動する。
『採掘を行うのであろう?』
「そう……ですね」
キョウカさんがくるりと身を翻すと「採掘を始めましょう」と本来の仕事へと促した。
「何が何やら……」
フィルヒルの姿が見えないニステルは首を傾げていた。準備をしつつ起きた出来事を伝えておいた。
最奥の壁の前へと並び、ツルハシをせっせと動かし鉱石を探る。土属性魔法で採掘を行えば早そうだが、操作を誤れば生き埋めになるとのことで、地道な作業で進めている。掘る度に舞い上がる土のせいか視界も霞む。風属性魔法で定期的に換気はしているものの、ニグル鉱石を集めきるまではいたちごっこだろう。
穴を手作業で掘り進めるのはかなり時間がかかる。作業を始めて2時間ほど経ったが、40cmほど広がっただろうか。これでも劇的な速さなんだとか。地盤が硬めで1cm掘り進むのにも、思った以上に体力を持っていかれる。これだけ掘り進めることができたのも、リアがツルハシに武技の宵刃を発動させているお陰だ。金属ですら断ち切る切れ味を誇る宵刃は、魔力や元素で防ぐ他ない。ニグル鉱石は黒の元素に反応して砕けることがない為、躊躇なく使うことができている。黒の元素の適性があるリア様々だ。切れ味がある分、周りの人を傷つけやすい。現にリアは周囲を気にしながら作業をしていた。そこで提案したのが、交代制作業。俺とニステルでペアを組み、リアと一定時間で交代していくというもの。これならリアも作業がやりやすいだろう。その成果が40cmという数字で表れている。目に見えた形でわかると、やる気が出るってもんだ。
採掘できたニグル鉱石はというと、量はそこまででもない。籠の1割にも達していない。
「今の採掘具合からすっと、少なくともあと19倍の時間はかかるんか……」
露骨に肩を落とすニステルがため息をついた。
「今週一杯は村に留まるの確定か……」
「だらしないなー。か弱い私も頑張っているんだ、体力がありそうなニステルならもっと動けるでしょ?」
「ガンガン掘り進めていたってのに、よくか弱いなんて言えるよな」
「この細腕に負けてるなんて、頼りがいないね」
ニステルがムスッとした表情を浮かべる。男として女性に頼りがいがないと言われれば、そんな反応にもなる。男というのは自尊心に生きるもの。傷つけられれば簡単に不貞腐れる生き物なのである。女性から見れば子供っぽい反応に見えるかもしれないが、男としては譲れないものなのだ。
「武技を使ってるリアがそれを言う?」
男としては矢張りニステルの肩を持ってしまう。
「武技を使うってことは、それだけ魔力を使うってことでしょ?それなら、魔力を使わない分腕を動かしてもらわないとね」
勝ち誇ったように語るリアは満足げだ。
「まぁまぁ、落ち着いてください」
キョウカさんが両の手の平を下に向け、ひらひらと動かす。
「死人との戦闘もありましたし、今日はこれくらいで戻りましょう」
キョウカさんがフィルヒルへと向き直る。
「本日はこれくらいで失礼いたします。調査の結果が出るまでには時間がかかるかと思いますが、分かり次第連絡をお入れしますね」
フィルヒルへと頭を下げた。
『ああ、待っている』
キョウカさんがこちらへと向き、「採掘したニグル鉱石は置いて行って構いませんからね」指示のもと、採掘道具のみを持って坑道を戻っていく。
遺跡を出ると日は傾き、宵の時間が始まろうとしていた。空気が肌寒くなり、一日の終わりを感じさせる。
土埃の空気から解放され、両手を空へと突き出し、伸びをしながら深呼吸をした。冷たい空気が肺に流れ込み、新鮮な空気に心が解れていくのを感じる。狭い暗所での作業は、思った以上にストレスを感じていたらしい。
「あー、早くシャワー浴びたいわ」
リアが衣服に付いた土埃を叩く。
「同じくです。収入源ではあるんですけど、採掘はちょっとやりたくはない仕事なんですよね」
キョウカさんもリアに倣い、衣服を叩いている。
「これだけ汚れてしまうと、やりたがる人はそうはいないでしょう」
「普段は男衆が作業をしてくれてはいるんですけど、死人が現れるようになってから、調査と対応に追われてしまいまして、冒険者に頼らざるを得ない状況になんですよね」
項垂れるキョウカさんは「案内役になった時は落ち込みましたよ」と愚痴ってくる。
「まぁ、私達としては有り難い依頼ではあるんだけどね」
「リアさんみたいに光属性魔法が扱える人が来てくれるならまだいいんです。死人に対応してもらえますから。対抗手段を持たない人が来てしまうと、すべてをこちらで対応しなくてはいけませんからね。かと言って、変な噂が立っている現状だとえり好みしてしまうと人が来なくなってしまうし……」
フィルヒルが現れた時、キョウカさんびびっていたし、墓守の一族でも死人を苦手とする人はいるみたいだ。かく言う俺も得意なわけでもないけど。今回みたいにしっかりと人型を模っているのならまだしも、目玉が垂れ落ちていたり、臓器が零れ落ちている個体なんかが出てきたりしたら……。想像したら気持ち悪くなってきた……。
「それで、キョウカが使ってたあの灰色の霊気はなんなんだ?斬ってすぐ浄化していたように見えたけど」
汚れを気にした素振りのないニステルが興味深そうに問いかける。
「あれは一族の秘儀です。今回の死人のような存在は今までにも表れたことがあったんです。それに対抗する力を一族で編み出し、村の外へと出て行かないように管理してきました。内容は伏せますが、端的に言うなら即効性のある浄化を宿した霊気、というのがわかりやすいかと」
「だろうな。短剣が触れる前に霊気に触れていたからな。それなら納得ができる」
「へえ、ニステルって良く観察してるんだ?」
ニステルの顔がこちらを向くと「はぁー」と盛大にため息をつく。顔に指を指され「お前はそういうとこがダメなんだ」と凄まれた。
「常に戦況を把握するのは、戦場に立つ者の務めだろう。適当に戦っていたら、ちょっと頭が良いヤツとぶち当たったらすぐ死んじまうぞ」
いつもの皮肉めいた表情は消え、やたらと真に迫ったニステルの顔が印象的だった。
「ニステルッ!たまには良いこと言うじゃねーか!」
大声を上げながらリアがニステルの背中をバチンッと叩いた。
咄嗟のことでニステルはゲホゲホと咽ている。
「おい!いきなり何しやがる!」
リアを睨みつける様に抗議の声を上げる。
リアは気にした様子もなく「カミルにはよ~く言ってくれ。一緒に旅をしていると苦労が多いんだよ」何故か俺への愚痴をニステルに吐いている。
「そこまで苦労かけた記憶は!……ありましたね、ハイ」
アルフから帝都までの移動だけでも、思い当たる節がいくつかある。
思わず二人から顔を背けた。
クスクスと笑うキョウカさんが「仲良いんですね」と楽しげである。
「さあ、早く宿に帰ってシャワー浴びるぞー」
二人の言葉を避けるように、足早に岩の宿へと向かった。
『まさか、遥か未来の世界で目覚めようとはな』
静かになった坑道で青白く輝く存在――フィルヒルの口から言葉が零れた。
彼が目覚めたのは、カミル達がアクツ村を訪れる前日だった。共に生きたはずの時代の者同士が引き合ったのかはわからない。だがフィルヒルは、必然めいたものを感じざるを得なかった。
私が生きていた時には巡り合うことがなかった、あのリアスターナ・フィブロと出会うことになるとは……。それに、あのカミルという黒髪の少年。私には、まだ果たすべき役割があるというのか?




