表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

公式企画に参加してみた ④ 2023年 なろうラジオ大賞5 

雪山近くの我が町の風景〜言わせたいだけの物語〜

作者: モモル24号

 私が雪山を背景に町の様子を眺めていると、おかしなたまごが屋根を駆け回る姿が見られる。


 いくつかあった会社や工場は、大企業のオカルト女が指名した金星人のマヤの傘下になり、金魚人達がビールと温泉たまご造りに励んでいる。

 

 マヤには社長秘書のジーコと、黒いコスモスと呼ばれた黒里桜子という護衛がついていて、町を取り仕切る三日月商会も彼女達の味方だ。


 三日月と言えば三日月堂の和菓子、あれは当たりだと思う。


 この町にのみ存在する金魚人は黄金郷の住人だ。某国の密偵もうろつく。


 雪山では奴らに山荘が破壊され暖炉しか残らなかった。ただでさえ雪山では子供の冬期遠足の事故が多いのに、誘拐事件まで起きたという。


 それに、最近は帽子を被るお地蔵さままで出始めたと聞く。


 騒がしい町だが、学校の文化祭などは楽しめた。私以外にメイド喫茶に泣いた連中の顔も見たいものだよ。


 おっと、また一人消えた。あれはお人好しの男だから異世界に飛んでも苦労しそうだ。


 なにやらゲームのクエストとやらでパスワードを入力すると、この地に呼ばれ、旅立つ事になるようだな。


 金星人を名乗る連中もいるので、案外異界への扉が開いているのかもしれんな。


 温泉も楽しみに調査に来て五年住んでみたが、まったく飽きない町だよ。


 のんびりと暖炉の炎のゆらめきとを前に、私は自分が何者なのかをひたすら考える。


 この町において、私は役割を与えられていない。何かを追うわけでもなく、作るわけでもない。





 ──────そして私は自分自身の存在意義に気がついた。


 三日月堂では新年に「はっぴっぴ団子」なる和菓子を売り出すんだとか。私の役割は、ただそれだけの為にある。それを言わせたいがためにある。


 魔法のような「はっぴっぴ」を繰り返す事で、聞いているものも楽しくなる。


 ここは閉ざされた雪の降る世界。神の声を持つお方よ、我々のために、幸せの呪文を唱えてほしい。


「はっぴっぴ」と。


 ────幸せに包まれるといいな。


 だいそれた無理な願いを祈った私は、もうじき消えることになるだろう。


 人の業は深い。聴衆の熱望がひとつの思想に凝り固まってゆくさまを見ると、叫ばずにはいられなくなるのではないだろうか。


 そして封印されたもう一つの魔法の言葉、禁忌の呪文のように聞かせるようにと、神の声を持つ方がまた一人導かれてゆく。


 消えゆく私の最後の悪あがきに答える数多くの声が集まれば、あるいは奇跡は起きるやもしれないか……


 

 

 お読みいただき、ありがとうございました。この物語は、なろうラジオ大賞5の投稿作品となります。


 数え間違いでなければ、なろうラジオ大賞5投稿三十一作品目になります。あるワードを聞いて、作品に入れてみようとなって生まれたものなので、主人公の存在意義は正しいのです。はい、遊びが過ぎました。


 本来なら毎日投稿により、期間最終日にあたる総集編的な作品でした。


 応援、いいね、評価、ご感想等があればよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 内容に全然関係ないけどーーーが───じゃないのは、なんか気になるなぁw [一言] なんか、色々あっちこっちに、飛んで最終的にはっぴぴと呪文を唱えて死んだ?ん?ん?情報量が多すぎて、一つ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ