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第一話 どちら様ですか?
「ふあぁ~…」
朝、目覚まし時計の音で目を覚ます。
『んぅ~、何でしょう。体がすごく重い…。』
体を起こすと、違和感を感じた。
『あれ…?なにか背が縮んだ気が…。』
京人はそんな事を思いながら、重い足取りで洗面所に向かう。
「………」
鏡には女性が映っていた。どこか自分と母の面影がある顔立ちだった。
「え……?どうなってるの……?」
鏡には女性しか映っていない。そこには自分の姿が映っていなかった。
恐る恐る、自分の頬をつねる。すると、鏡の女性も頬をつねった。
「嘘でしょ…。」
京人は、ハっとしてズボンの中を探る。
「ない、ない…ない…。」