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九十回目
気がつくと、死屍累々の中にいた。手に持つ刀が重い。腰に差した脇差も重い。血の臭いが蔓延していて最悪だ。
何故こんなところに来てしまったのだろう。異世界転生もので「転生先は選べない」的な感じはよくあるのだが、これはない。これはない。
状況わからずいきなりズタボロ、誰が敵で誰が味方かわからない、とにかくわけのわからない人の姿が一番厄介。なんで戦場のど真ん中で目覚めるの? 意味わかんない。
体がズタボロだから、刀も持っているだけで精一杯。はあ……
それにしても永遠に続いているような死体の山々は一体何なの……? 誰がこんなに殺したのよ、全く……。
あ。
ずしゅ。
気づいてはいけないタイミングで、私は気づいた。そのときには男の子に脇腹を刺されていた。
「お父さんとお母さんとお姉ちゃんの仇……!」
そうだ、この場では私しかあり得ない。武器を持ち、生きているのなら。
私以外、殺しようがないのだ。




