表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
75/100

七十五回目

 記憶を整理しよう。一応、本や写真に転生したことは覚えている。虫に食われて死とか地味オブ地味とか、お前は何回火炙りにされるのかとか、そういうことは置いておいて。たぶん、私が相当他人事だったのは、渡し守を境にだろう。

 原因は……神話を信じるなら、忘却の川辺りだろうか。渡し守のときの死因は川に落ちて溺死だった。川の水を飲んでしまったのは確かだ。まさか転生先にまで影響が出るとは思わなかったが。

「おとうさん?」

「……ん?」

 ちなみに私は今男性で、女の子の父親をしている。この女の子、私に似ている気がするのだが、それはいい。問題は何の世界観かさっぱりわからないということだ。

 漫画、アニメ、ゲーム、ラノベ、ドラマ、ありとあらゆるジャンルを網羅している私の記憶力だが、いくつか前から、「異世界」に転生しているのか怪しいラインナップなのだよな。まあ、ノンフィクション映画もラインナップに入っていたくらいだから、リアリティのある世界で描かれた日常系の話だったりするかもしれないし。まあ、写真のときの白髪オッドアイは何かしらのアニメだろうけど。

 しかし、父親というのは、どうやったらいいのかわからない。母親だったら同性だったからまだやれたと思うんだけど。

 現実の父親なんて自分の父親のことくらいしかわからない。教師の中にも父親をしている人はいただろうけど、私にとっては「先生」でしかないし。

「おとうさん、絵本読んで」

「え」

 だから、どうしたらいいのかわからない。

 私の父親は寡黙な人で、怒ることは滅多になかった。だから、私もあの人がよくわからなかった。

 だから参考にできないのだが……私も戸惑って対処できなくなっている。

 私に似た子どもをどうしたらのだろうか。

 戸惑ったまま、日々を浪費して、気づいた。

 あれは、私じゃない。はるかだ。私の姉の。

 そんな、なんで、なんで私がいないの? 死んだから? 子どものときはまだ生きているでしょ?

 ……落ち着きなさい、私。これは転生じゃないのかもしれない。夢だわ。明晰夢とかいうやつなのかもしれない。

 すると、不意に視界がノイズに閉ざされて、意識が落ちていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ